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年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
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患者数 | 2010 | 467 | 459 | 610 | 746 | 1190 | 1594 | 2903 | 2894 | 797 |
令和6年度のDPC対象の退院患者数は13,670人で高齢化を反映し、70~79歳が最も多く、2,894人となっています。また、当院の特徴として、周産期母子医療センターを有し、小児医療にも積極的に取り組んでいることから、0~9歳の患者数も2,010人と多く、全体の14.7%を占めている状況です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし | 201 | 18.20 | 20.78 | 16.92 | 83.39 | |
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし | 123 | 12.91 | 16.40 | 9.76 | 86.21 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 122 | 15.88 | 13.66 | 14.75 | 81.34 | |
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 60 | 18.92 | 17.33 | 6.67 | 92.33 | |
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり | 43 | 13.77 | 13.77 | 0.00 | 64.47 |
当院は、地域の皆さまが安心して暮らせるよう、かかりつけ医と協力し、一人ひとりの患者さまに寄り添った医療を提供しています。
特に、高齢者の皆さまが抱えやすい誤嚥による肺炎や尿路感染症などに対しては、専門的な治療はもちろんのこと、退院後の生活をサポートするための取り組みを強化しています。患者さまのご自宅や介護施設と連携し、スムーズな退院と在宅生活への移行を支援することで、安心して療養していただけるよう努めています。
近年、高齢化が進み、これらの疾患を抱える患者さんが増加していることを受け、当院では、患者さんの状態に合わせたオーダーメイドの治療を提供するとともに、地域の医療機関や介護施設と連携し、切れ目のない医療・介護サービスを提供できる体制を整えています。
今後も、地域医療のニーズを的確に捉え、患者さま中心の医療を提供することで、地域社会に貢献してまいります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 108 | 8.73 | 8.88 | 4.63 | 76.44 | |
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 87 | 2.31 | 2.57 | 0.00 | 68.09 | |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 73 | 6.40 | 7.60 | 0.00 | 67.93 | |
060190xx99x0xx | 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし | 49 | 7.06 | 8.51 | 0.00 | 68.29 | |
060020xx04xxxx | 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 | 41 | 6.95 | 7.45 | 0.00 | 79.05 |
当科では緊急内視鏡は、24時間365日常に対応可能な体制をとっています。
疾患に分けて見ると早期胃がんに対するESDは69例、食道がん20例。また、早期大腸癌、腺腫に対する内視鏡的切除術はESD44例、EMR930例であり、この数年はほぼ一定しています。大学病院との病病連携も強固であり、早期消化管がんの診断や内視鏡的治療に関しては、困難症例を含めて近隣医療施設から安定して多くのご紹介をいただいています。小腸に関する検査としてはカプセル内視鏡5例と近年若干減少傾向ですが、小腸バルーン内視鏡は26例と増加しています。
ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)は年間345例で近年急増を示しており、多くを占める胆道ステント、胆道ドレナージも常時緊急対応できる体制をとっています。超音波内視鏡検査は288例で前年比53件増加、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)も66例で前年比8件増加と膵腫瘤や消化管粘膜下腫瘍などの診断に大きく寄与しています。また重症急性膵炎後の局所合併症である仮性膵嚢胞に対してEUS(超音波内視鏡検査)として重症急性膵炎後感染性膵壊死(WON)に対する内視鏡的ネクロゼクトミー術や閉塞性黄疸に対する超音波内視鏡下胆道ドレナージも行い、治療に成功しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 35 | 3.03 | 3.03 | 0.00 | 74.06 | |
040110xxxx00xx | 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 26 | 16.96 | 18.68 | 7.69 | 78.00 | |
040040xx99041x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり | 18 | 4.17 | 13.08 | 0.00 | 76.78 | |
040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 18 | 6.50 | 6.38 | 0.00 | 48.17 | |
040200xx99x00x | 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 17 | 6.53 | 9.28 | 0.00 | 56.29 |
当科の患者数上位5位は、肺がん(処置あり)、間質性肺炎、肺がん(処置なし)、喘息、気胸となっています。
間質性肺炎には、特発性の他に、過敏性肺炎、薬剤性肺炎、膠原病関連などが含まれ、特に免疫調節薬の増加などに伴い増加傾向にあると考えられます。
肺がん症例には、化学放射線療法や、検査入院、合併症管理、支持緩和療法例などが含まれます。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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010060xx99x40x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし | 111 | 18.30 | 16.89 | 45.95 | 73.84 | |
010060xx99x20x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし | 44 | 20.84 | 16.94 | 27.27 | 79.82 | |
010060xx99x41x | 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり | 15 | 26.60 | 29.66 | 73.33 | 80.67 | |
010061xxxxx0xx | 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし | 14 | 8.14 | 6.31 | 0.00 | 61.14 | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 14 | 3.86 | 6.89 | 0.00 | 49.29 |
当院はさいたま市の主たる救急医療機関のため、当科では脳神経内科領域の急性期疾患を中心に診療を行っています。このため、入院診療の対象患者さんの過半数は急性期脳梗塞の方です。急性期脳梗塞も重症で高度の後遺症を残す方から一過性の症状(一過性脳虚血発作)の方まで症状は様々です。それぞれに応じた検査や治療が行われ、入院期間も異なってきます。以上から、DPCの診断群分類では脳梗塞及び、それに関連した群が上位を占めています。脳梗塞以外では、けいれん発作をきたす疾患、髄膜炎等の中枢神経感染症、免疫介在性・炎症性神経疾患等の疾患群の方が多く、入院診療の対象患者数では上位に入っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 68 | 14.78 | 17.33 | 4.41 | 82.28 | |
050030xx03000x | 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 45 | 11.62 | 11.37 | 0.00 | 69.13 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし | 38 | 4.92 | 4.18 | 0.00 | 67.95 | |
050070xx03x0xx | 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし | 38 | 4.84 | 4.47 | 0.00 | 69.58 | |
050050xx9910xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし | 33 | 3.42 | 3.07 | 0.00 | 65.21 |
急性期病院であることを反映し、当科では心不全、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、不整脈等幅広い疾患に対応しています。それぞれの疾患に対する救急対応、緊急でのカテーテル治療の体制を整えているだけでなく、退院後の生活を見据え心臓リハビリテーションや栄養指導、運動指導を積極的に行っています。緊急入院ではなく、待機的な治療を受けていただく患者さんに関しては、国内外の最新の知見を反映したガイドラインを基に治療方針を相談の上、虚血性心疾患、頻脈性不整脈に対するカテーテル治療、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込みを行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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080270xxxx1xxx | 食物アレルギー 手術・処置等1あり | 203 | 1.00 | 2.10 | 0.00 | 5.09 | |
0400801199x0xx | 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし | 99 | 5.25 | 5.61 | 2.02 | 5.02 | |
040090xxxxxxxx | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 96 | 3.47 | 6.22 | 2.08 | 1.98 | |
040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 77 | 5.36 | 6.38 | 2.60 | 3.18 | |
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし | 67 | 3.61 | 5.55 | 0.00 | 4.37 |
食物アレルギー:小児食物アレルギー患者は年々増加傾向にあります。診断及び解除を行う上で食物経口負荷試験は必要不可欠なツールです。当院では日本アレルギー学会専門医が主体となり、入院での食物経口負荷試験を積極的に実施し、その後もきめ細やかな食事指導を継続的に行っています。また、このような小児食物アレルギー患者のアナフィラキシーに対する救急対応も行っています。
急性気管支炎・急性細気管支炎・下気道感染症、肺炎:小児はRSウィルス・ヒトメタニューモウィルスなどのウィルス感染症、肺炎球菌・インフルエンザ桿菌などの細菌感染症に罹患しやすいです。これらのウィルスや細菌は気管支炎・細気管支炎・肺炎などの下気道感染症を引き起こし、子どもの呼吸状態を悪化させる事があります。このような子どもは酸素投与などの呼吸補助や点滴からの抗菌薬・輸液が必要な場合には入院加療を行います。
熱性けいれん:熱性けいれんは乳幼児において極めて頻度の高い救急疾患であり、小児の約10%が一度は発症します。一般的に神経発達に影響しないとされていますが、けいれんを短時間の間に繰り返したり、長時間続いたり、けいれん後の意識状態が悪い場合には、脳炎脳症や髄膜炎の可能性があるため、入院での検査や治療が必要になります。
喘息:近年、喘息治療薬の進歩により喘息による入院患者数は減少していますが、乳幼児に関して大きな減少は見られていません。また、学童児でもウィルス感染などを契機に重篤な喘息発作によって入院する患者が散見されます。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし | 72 | 2.61 | 6.11 | 2.78 | 0.00 | |
140010x197x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術あり 手術・処置等2なし | 25 | 3.00 | 7.97 | 4.00 | 0.00 | |
140010x299x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし | 19 | 3.79 | 11.83 | 0.00 | 0.00 | |
140010x297x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術あり 手術・処置等2なし | 6 | 3.33 | 16.84 | 0.00 | 0.00 | |
14031xx19900xx | 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 5 | 2.00 | 9.90 | 0.00 | 0.00 |
地域周産期センターとして周産期に発生した疾病に対応しています。生後早期に外科的治療が必要な先天性心疾患症例は三次医療機関に搬送しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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050170xx03000x | 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 22 | 5.18 | 5.15 | 0.00 | 74.55 | |
050163xx03x0xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし | 20 | 8.90 | 10.18 | 0.00 | 77.95 | |
050200xxxxxxxx | 循環器疾患(その他) | 8 | 7.75 | 7.71 | 0.00 | 56.88 | |
110280xx02x00x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 7 | 3.57 | 7.38 | 0.00 | 71.57 | |
050170xx03001x | 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり | 6 | 3.33 | 9.29 | 0.00 | 81.33 |
当科では、心臓、胸部大動脈以外の末梢血管疾患の診療を行っています。疾患としては、閉塞性動脈硬化症が最多で、高齢に伴い年々増加傾向にあります。次に、腹部大動脈瘤が続きます。慢性腎不全に対するバスキュラーアクセス関連の手術を行なっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 112 | 4.31 | 4.54 | 0.89 | 72.51 | |
060035xx0100xx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 69 | 13.13 | 14.81 | 1.45 | 75.78 | |
060335xx0200xx | 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 67 | 6.51 | 7.05 | 0.00 | 66.97 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 | 51 | 4.61 | 5.32 | 0.00 | 41.14 | |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし | 46 | 8.65 | 9.77 | 0.00 | 67.41 |
当科は成人の外科的疾患を治療対象としています。
がん診療や救急疾患の対応にも積極的に取り組んでおります。入院患者さんの約4割ががん患者さんで、がんの手術では結腸がんに対する手術が最も多く、次いで直腸がん、胃がんの順になっています。また、近年は手術だけでなく化学療法、放射線治療、緩和治療を目的とする患者さんも少なくありません。また当科は、良性疾患の手術では鼠経ヘルニアの手術が最も多く、急性腹症の患者さんも多く受け入れているため、胆嚢炎、虫垂炎、腸閉塞なども多くなっております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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040040xx02x0xx | 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし | 53 | 9.19 | 9.82 | 0.00 | 71.42 | |
040200xx01x00x | 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 23 | 9.09 | 9.59 | 0.00 | 42.65 | |
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 10 | 2.00 | 3.03 | 0.00 | 70.60 | |
160450xx99x10x | 肺・胸部気管・気管支損傷 手術なし 手術・処置等2あり 定義副傷病なし | 10 | 6.40 | 10.79 | 20.00 | 74.90 | |
040150xx97x0xx | 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし | 7 | 20.00 | 28.41 | 0.00 | 69.00 |
当科の診療の多くは肺癌の診療で、肺癌や転移性肺腫瘍(多臓器癌の肺への転移)に対する手術患者さんが一番多くなります。2位は気胸に対する手術患者さんです。この1年はその患者数は減少しました。3位は、肺癌患者さんの気管支鏡検査入院です。多くは1泊2日入院となります。4位は、救急医療を行っている関係上、外傷性血気胸に対する胸腔ドレナージ入院です。5位は呼吸器の感染症患者さんに対する手術です。特に急性膿胸に対する胸腔鏡下膿胸腔掻爬術が多い傾向があります。おもに肺炎に随伴する胸膜炎・膿胸で、胸腔鏡で観察しながら胸腔内を掻爬洗浄する治療です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 104 | 20.06 | 25.29 | 68.27 | 81.62 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 98 | 15.10 | 18.76 | 5.10 | 68.40 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 97 | 19.91 | 21.38 | 8.25 | 73.07 | |
070343xx01x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし | 52 | 22.69 | 19.60 | 17.31 | 71.98 | |
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 | 46 | 7.80 | 12.71 | 0.00 | 31.30 |
当科では、変形性関節症に対する人工関節手術、腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患に対する手術、骨粗鬆症などに関連した高齢者の大腿骨頚部骨折手術などを行っています。
当院の人工関節手術の特徴は、専門医がチームを組んで1人の患者さんに対応し、早期退院を目指して小切開による小侵襲手術、手術後の疼痛を軽減する神経ブロック、床からの立ち上がりが楽にできる手術を導入し、手術後満足度を高めることに注力しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 84 | 10.77 | 9.83 | 9.52 | 77.65 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 50 | 8.86 | 7.99 | 18.00 | 75.94 | |
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 45 | 18.42 | 18.68 | 57.78 | 67.87 | |
010040x199x0xx | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし | 15 | 35.00 | 22.21 | 60.00 | 74.60 | |
010030xx991xxx | 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり | 7 | 4.29 | 2.86 | 0.00 | 67.71 |
当院には救急救命センターがあり、重症頭部外傷や重症脳血管疾患に対しても積極的に治療を行っています。また当院は埼玉急性期脳梗塞治療ネットワーク(SSN)の基幹施設として、脳神経内科と連携して脳卒中疾患に対する迅速な治療も行っています。その他にも、脳腫瘍、水頭症、先天奇形など幅広い疾患に関しても、患者さんの年齢や疾患に応じて、救急科,神経内科、小児科、新生児内科、小児外科、整形外科、耳鼻咽喉科、放射線科、リハビリテーション科など、他科と緊密に連携しながら幅広い診療を行っています。
近隣の医療機関から脳ドックなどで確認された未破裂脳動脈瘤に対する診療依頼も多く、破裂の危険性などを勘案して治療を検討しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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050210xx97000x | 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 23 | 3.09 | 9.59 | 0.00 | 81.04 | |
050161xx9900xx | 大動脈解離 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 10 | 14.50 | 16.32 | 0.00 | 71.40 | |
050161xx01x1xx | 大動脈解離 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等21あり | 9 | 23.67 | 29.35 | 0.00 | 70.00 | |
050080xx0101xx | 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり | 8 | 19.88 | 20.84 | 0.00 | 65.50 | |
050130xx97000x | 心不全 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 5 | 3.00 | 21.55 | 0.00 | 80.40 |
当科の対象疾患は冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)、心臓弁膜症、大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離など)、不整脈疾患、感染性心内膜炎などです。不整脈疾患では心臓の脈が少なくなってしまう患者さんが非常に多く、このような患者さんに対しては、ペースメーカーの植え込みを行います。高齢の大動脈疾患や大動脈解離では手術が難しいことも多く、侵襲が小さく安全性の高いカテーテル治療で血管の中に人工血管を挿入するステントグラフト治療を積極的に行っています。心臓弁膜症では、大動脈弁の動脈硬化や僧帽弁の変性で大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症が増加しています。心臓弁膜症では人工弁置換術とともに、脳梗塞の心配の少ない弁修復手術(弁形成術)やメイズ手術を取り入れています。狭心症や心筋梗塞の患者さんには冠状動脈バイパス手術を行いますが、当院では患者さんへの負担が少ない心拍動下バイパス手術(オフポンプバイパス手術)を積極的に行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x101xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 48 | 2.23 | 2.73 | 0.00 | 4.42 | |
140590xx97xxxx | 停留精巣 手術あり | 43 | 2.00 | 2.96 | 0.00 | 4.21 | |
060170xx02xx0x | 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病なし | 22 | 2.00 | 6.85 | 0.00 | 2.64 | |
11022xxx01xxxx | 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 | 18 | 2.11 | 3.53 | 0.00 | 4.11 | |
180040xx99x0xx | 手術・処置等の合併症 手術なし 手術・処置等2なし | 8 | 14.50 | 9.90 | 12.50 | 16.13 |
DPCにあてはまる患者さんのデータが提示されていますので、正確な入院数よりやや少ない値です。
上位4つはいずれも当科に特徴的な疾患です。鼠径ヘルニア、停留精巣、精索捻転(精巣捻転)、臍ヘルニアです。5番目に関しましては、吸収不良や短腸症候群で、在宅中心静脈カテーテル栄養を使用されている患者さんです。感染症状を起こした際の処置入院となっていますので、在院日数などが長めになっております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1なし | 9 | 9.78 | 12.98 | 0.00 | 66.56 | |
080110xxxxx0xx | 水疱症 手術・処置等2なし | 4 | 32.50 | 28.94 | 0.00 | 76.00 | |
080007xx010xxx | 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし | 3 | 2.67 | 3.77 | 0.00 | 51.00 | |
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 2 | 8.00 | 9.33 | 0.00 | 59.00 | |
03001xxx99x0xx | 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし | 1 | 2.00 | 12.16 | 0.00 | 36.00 |
当科は特別な疾患の偏りがなく、いろいろな疾患を広く扱うことが特徴です。1位の膿皮症は具体的には蜂窩織炎や丹毒であり、その重症で全身管理や外科的処置を要するレベルのものである壊死性筋膜炎も緊急で扱うことがあります。また、4位の帯状疱疹もウイルス感染症であり、細菌感染・ウイルス感染とも薬剤の発展とともに通院加療が可能な場合が多い中で、通院では不十分な症例が入院の適応となっています。そのほか、皮膚腫瘍も良性悪性にかかわらず精査や手術に入院を要することもあり3位5位に皮膚腫瘍が入ります。他、自己免疫疾患も重症は入院して徹底した精査加療を要しますが、昨年度はそれが多く2位に自己免疫性の水疱症が入りました。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070520xx97xxxx | リンパ節、リンパ管の疾患 手術あり | 14 | 7.14 | 7.87 | 0.00 | 63.50 | |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし | 12 | 2.08 | 2.74 | 0.00 | 78.33 | |
070010xx970xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし | 9 | 5.78 | 4.65 | 0.00 | 50.89 | |
180060xx97xxxx | その他の新生物 手術あり | 8 | 3.25 | 5.63 | 0.00 | 9.88 | |
160200xx020xxx | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む。)等 手術・処置等1なし | 6 | 6.83 | 5.98 | 0.00 | 57.17 |
当科では皮膚腫瘍、眼瞼下垂症、外傷(顔面骨骨折・軟部組織の損傷など)、難治性潰瘍(褥瘡や足潰瘍など)に対する治療を広く行っています。また、悪性腫瘍の切除後などで生じるリンパ浮腫に対する治療や、乳がん切除後の乳房再建などの治療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし | 96 | 4.79 | 6.81 | 0.00 | 73.80 | |
11012xxx02xx0x | 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし | 50 | 3.74 | 5.16 | 4.00 | 65.20 | |
110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 | 40 | 9.80 | 11.11 | 0.00 | 70.43 | |
110420xx02xxxx | 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 | 37 | 3.11 | 4.07 | 0.00 | 69.00 | |
110080xx03xxxx | 前立腺の悪性腫瘍 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 | 36 | 2.17 | 2.59 | 0.00 | 75.31 |
1位は膀胱がんに対する経尿道的手術を受ける患者様で96名でした。クリニカルパス(以降、パスと略します)の利用により入院期間は4.79日となっております。2位は腎結石、尿管結石症に対する経尿道的手術で、3位は前立腺がんの悪性腫瘍手術でした。パスの利用によって平均入院期間は9.80日でした。4位は尿路通過障害に対し尿管ステントを留置される患者様でした。5位は放射線治療を受ける前立腺癌の患者様で金マーカー留置の処置でした。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12002xxx02xxxx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 | 43 | 2.86 | 2.92 | 0.00 | 40.84 | |
120170x199xxxx | 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし | 40 | 24.83 | 19.47 | 7.50 | 31.55 | |
120200xx99x1xx | 妊娠中の糖尿病 手術なし 手術・処置等2あり | 38 | 5.18 | 7.12 | 0.00 | 33.11 | |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 | 37 | 5.97 | 5.97 | 0.00 | 48.35 | |
120060xx02xxxx | 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 | 33 | 5.97 | 5.88 | 0.00 | 45.64 |
当科は地域周産期母子医療センターとしてハイリスク妊娠に対応しており、切迫早産の管理目的の入院が多くなっています。最近では妊娠性糖尿病の妊婦さんも増えており、入院精査を行い栄養指導や、内科併診にてインスリン導入を行っております。
婦人科疾患についても幅広く対応しており、子宮筋腫、卵巣腫瘍などの良性疾患だけではなく、がん診療連携拠点病院として子宮頸部異形成、子宮頸がん、子宮体がんなどの治療も積極的に行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 | 215 | 2.00 | 2.49 | 0.00 | 76.65 | |
020200xx99x0xx | 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等2なし | 1 | 2.00 | 2.74 | 0.00 | 64.00 | |
020240xx97xxx0 | 硝子体疾患 手術あり片眼 | 1 | 4.00 | 4.83 | 0.00 | 85.00 | |
020350xx97x0xx | 網脈絡膜の疾患 手術あり 手術・処置等2なし | 1 | 4.00 | 6.23 | 0.00 | 51.00 | |
当科では、年間約200例の白内障手術を施行しております。御高齢で全身合併症を有する患者さんが多く、コロナ感染のこともあり、現在1泊2日の入院をして頂いております。日帰り手術は現在行っておりません。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 64 | 5.88 | 7.35 | 0.00 | 16.23 | |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり | 50 | 2.00 | 2.02 | 0.00 | 63.84 | |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 41 | 5.59 | 5.84 | 0.00 | 53.61 | |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 27 | 3.78 | 5.63 | 0.00 | 38.33 | |
03001xxx99x3xx | 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり | 23 | 12.35 | 26.52 | 4.35 | 63.57 |
1位は扁桃、アデノイド手術です。主に小児や若年者が多くなっています。全国平均より入院期間が短くなっています。2位は睡眠時無呼吸に対するフルポリグラフ検査です。通常1泊2日で行っています。3位は慢性副鼻腔炎の手術症例です。全国平均と同様の入院期間です。4位は急性扁桃炎などで重症のため入院する症例です。抗菌薬の投与や補液を行います。5位は悪性腫瘍に対する化学療法や放射線治療目的の入院症例です。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 83 | 2.13 | 3.58 | 2.41 | 35.23 | |
161020xxxxx00x | 体温異常 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 14 | 2.50 | 6.53 | 21.43 | 74.64 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 13 | 11.08 | 9.83 | 38.46 | 64.54 | |
180010x0xxx4xx | 敗血症(1歳以上) 手術・処置等24あり | 10 | 16.50 | 37.05 | 20.00 | 70.90 | |
161060xx99x0xx | 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし | 9 | 2.33 | 2.63 | 22.22 | 51.22 |
当院救命救急センターは令和2年12月1日に開設しました。同センターでは、内因性、外因性問わず、複数診療科にまたがる重症重篤な傷病者に対して、初療室での初期対応から救急病床(ICU・HCU)に入室後の全身管理等を含めた集中治療、全身状態安定後の一般病棟での全身管理等を当科が行っています。自己完結型救命救急センターおよび外傷センターを目指して日々診療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし | 9 | 9.11 | 3.58 | 22.22 | 37.33 | |
160690xx01xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 脊椎、骨盤脱臼観血的手術等 | 4 | 43.00 | 30.34 | 25.00 | 37.75 | |
070343xx01x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし | 3 | 88.67 | 19.60 | 33.33 | 63.33 | |
01021xxxxx0xxx | 認知症 手術・処置等1なし | 2 | 29.50 | 13.68 | 50.00 | 86.00 | |
040040xx02x0xx | 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし | 2 | 13.00 | 9.82 | 50.00 | 52.50 |
当科では、精神症状の管理を行いながら身体疾患の治療に当たる身体合併症医療を行っています。また救命救急センターに搬送され、身体状態に応じたケアも行っています。
当科の入院患者さんの内訳では気分障害、統合失調症、認知症が多いです。DPCによる診断群分類で見ると薬物中毒や整形外科領域が上位となっています。これは自殺関連行動に伴う薬物の過量摂取や、転倒や転落外傷などによる外傷の治療を当科で引き継いで行っていることを示しています。がん関連の治療、アルコール離脱せん妄などアルコール関連疾患の治療、周産期メンタルへルス、褥瘡の治療なども数は少ないながら受け入れておリ、院内の多くの診療科と連携しながら多彩な身体管理を柔軟に対応していることを示しているとも言えます。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 64 | 6 | 14 | 21 | 4 | 11 | 1 | 8 |
大腸癌 | 48 | 34 | 83 | 54 | 4 | 42 | 1 | 8 |
乳癌 | 45 | 33 | 8 | 4 | 4 | 11 | 1 | 8 |
肺癌 | 52 | 4 | 28 | 48 | 5 | 41 | 1 | 8 |
肝癌 | 20 | 3 | 6 | 2 | 2 | 36 | 1 | 8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌について
早期胃がん(StageⅠ)に対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は69例と積極的に取り組んでおり、医師会との地域医療連携により安定的に推移しています。また、切除不能進行・再発胃がん(StageⅣ)に対しても腫瘍内科医と共にガイドラインに沿った最新の化学療法を行っています。(消化器内科)
胃がんはStage Iが最も多く、一方、Stage IVも約20%認めます。手術ではStage I~IIIに対してはロボット支援下手術、腹腔鏡手術を中心に行っており、Stage IVに対しては主に先に化学療法を行い,切除可能なな場合には状況に応じてロボット支援下手術、腹腔鏡手術,開腹手術を行い、食事摂取が難しいときは主にバイパス術を腹腔鏡手術で行っております。手術適応のない場合には化学療法を行っております。また、再発症例に対しては化学療法を行っております。(消化器外科)
大腸癌について
早期大腸がんの内視鏡治療(ESD、EMR)も一定して多くの症例数を治療しており、mがん(がんが粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいないもの)46例、smがん(がんが粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいないもの)47例でした。ESDは44例で、サイズ、部位において治療困難例にも積極的に治療を行っています。また、切除不能進行・再発大腸癌(StageⅣ)に対しても腫瘍内科医と共に化学療法を行っています(年間24例)。(消化器内科)
大腸がんは、Stage I~IIIと Stage IVの一部の症例に対して切除手術が行われます。手術の大半でロボット支援下手術、腹腔鏡下手術を行っております。手術適応のないStage IV症例や再発症例に対しては化学療法や放射線療法を行っておりますが、化学療法が著明に奏効した症例の中には根治手術が可能になった症例もあります。(消化器外科)
乳癌について
当院での令和6年度の乳がん症例のStage別内訳は上記の通りとなりました。乳癌学会が公表しているデータと比較すると、ほぼ全国的な内訳と同等と思います。若干Stage IV症例が多いと思いますが、早期に入院治療開始を必要としている症例に対して対応しているためと思われます。今年後より吸引式乳房組織生検装置を導入しましたので、今後Stage 0症例が増加してくると思います。(一般・血管外科)
肺癌について
肺がんは早期での診断がつきにくく、全国がん死亡数の第1位になっています。当院でも手術困難なStage III・IVが半数以上を占めています。日常生活における予防として、当院では禁煙支援にも力を入れています。(呼吸器内科)
CTの恩恵から、肺癌は早期に発見されることが多くなりました。しかしながら進行してから発見される患者さんはかなり多くいます。そうなると根治は難しく、再発して再治療を行う患者さんも、まだまだ多数存在します。しかし、昨今の新規抗がん剤の治療効果は、以前よりはるかに有効であり、今後は進行してしまった肺癌患者さんの治療法が進歩していくと予想されます。(呼吸器外科)
肝癌について
腹部エコーUS、造影エコー・CTを定期的に行い早期発見に努め、StageⅠで3センチメートル3個以内であれば外科的切除またはMWA(マイクロ波焼灼術)(年間7例)を行っています。切除不能症例に対しては放射線診断科によりTACE(肝動脈化学塞栓術)17例、動注リザーバー4例を行い、免疫療法や分子標的薬など複数治療を組み合わせた集学的治療を行っています。肝臓がんは高齢者に多い傾向があることや単発で局所治療が施行しにくい場合サイバーナイフによる放射線治療も行っています。件数は年々増加し20例と治療法別で最多となっており、痛みを伴わず高齢者にも優しい治療であり高い治療効果を認めています。(消化器内科)
肝がんには原発性肝がんと転移性肝がんがあります。原発性肝がんのほとんどは肝細胞がんです。肝細胞がんでは通常、Stage I とIIが手術適応になりますが、肝細胞がん症例は背景肝の肝機能が不良のことが多く、手術対象にならないこともよくあります。一方、転移性肝がんでは原発性肝がんとは違い、背景肝の肝機能が良好なことが多く、原発巣の部位や転移巣の大きさ、数によっては手術対象になることも多くあります。転移性肝がんで最も多いのは大腸がんの肝転移症例で、化学療法と組み合わせることで切除できる対象も増加してきており、根治できる症例も増えてきております。また、1人の患者さんに複数回切除することも珍しくはなく、長期生存を得られる症例も増えてきております。肝がんの手術は術式として腹腔鏡手術、ロボット支援下手術を施行する症例が増えてきております。(消化器外科)
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 30 | 7.70 | 44.07 |
中等症 | 150 | 11.73 | 76.50 |
重症 | 45 | 17.82 | 83.96 |
超重症 | 26 | 17.62 | 82.88 |
不明 | 0 | 0.00 | 0.00 |
日本人の死因第5・6位である肺炎は、今後も人口の高齢化に伴い増加することが予想されます。当院での成人市中肺炎入院患者の平均年齢を見ても、中等症以上では75歳を超える高齢となっています。日常生活における予防も大切であり、特に当院呼吸器内科では禁煙支援にも力を入れています。
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 280 | 25.46 | 76.15 | 42.76 |
その他 | 17 | 19.12 | 73.76 | 1.35 |
当科の年間の入院患者数はおよそ400~500名です。うち、急性期脳梗塞の方が260~290名とその多くを占めています。退院後は、症状に応じて、直接自宅に帰られる方から、回復期リハビリ病院へ転院される方、介護を要するために施設に入所されたり、療養型病院へ転院される方と様々です。ソーシャルワーカーが介入させていただき、それぞれの方及びそれぞれの症状にあわせた調整を図ってゆきます。(脳神経内科)
当院では、脳梗塞に対する薬物治療を神経内科が担当しています。一方、脳梗塞の治療における手術あるいは脳血管内治療を脳神経外科が担当しています。具体的な治療内容として、心原性脳塞栓症に対する急性期血行再建術、頚部頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術や頚動脈内膜剥離術、内頚動脈や中大脳動脈の狭窄症に対する直接的血行再建術などがあります。 (脳神経外科)
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 | 24 | 7.04 | 9.92 | 4.17 | 72.42 | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | 9 | 30.56 | 22 | 33.33 | 75.89 | |
K386 | 気管切開術 | 8 | 8.75 | 37.63 | 12.5 | 67.38 | |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの | 8 | 17.25 | 28.5 | 12.5 | 58.88 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 6 | 7.83 | 10.33 | 33.33 | 87 |
当科で入院した患者さんが手術となった場合、原則として手術を担当する科に転科して対応いただくことになりますが、転科せずに手術となったケースがリストアップされています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 | 113 | 0.62 | 1.59 | 0 | 70.12 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 93 | 2.14 | 10.34 | 6.45 | 79.26 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 60 | 1.12 | 7.38 | 6.67 | 72.55 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの | 60 | 1.45 | 5.42 | 1.67 | 72.73 | |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 54 | 2.41 | 4.89 | 1.85 | 71.37 |
当科では緊急内視鏡は、24時間365日常に対応可能な体制をとっています。
疾患に分けて見ると早期胃がんに対するESDは69例、食道がん20例。また、早期大腸癌、腺腫に対する内視鏡的切除術はESD44例、EMR930例であり、この数年はほぼ一定しています。大学病院との病病連携も強固であり、早期消化管がんの診断や内視鏡的治療に関しては、困難症例を含めて近隣医療施設から安定して多くのご紹介をいただいています。小腸に関する検査としてはカプセル内視鏡5例と近年若干減少傾向ですが、小腸バルーン内視鏡は26例と増加しています。
ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)は年間345例で近年急増を示しており、多くを占める胆道ステント、胆道ドレナージも常時緊急対応できる体制をとっています。超音波内視鏡検査は288例で前年比53件増加、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)も66例で前年比8件増加と膵腫瘤や消化管粘膜下腫瘍などの診断に大きく寄与しています。また重症急性膵炎後の局所合併症である仮性膵嚢胞に対してEUS(超音波内視鏡検査)として重症急性膵炎後感染性膵壊死(WON)に対する内視鏡的ネクロゼクトミー術や閉塞性黄疸に対する超音波内視鏡下胆道ドレナージも行い、治療に成功しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | 13 | 0.31 | 48.08 | 76.92 | 75.69 | |
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | - | - | - | - | - | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | - | - | - | - | - | |
K1492 | 減圧開頭術 その他の場合 | - | - | - | - | - | |
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | - | - | - | - | - |
脳梗塞は発症早期に適切な治療を受けることが重要です。当院では発症直後の血栓溶解療法(rt-PA静注療法)や経皮的脳血栓回収療法などを24時間365日対応できるよう体制を整えています。急に片側の手足が動かなくなった、しびれが出現した、呂律が回らなくなった、ものが二重に見える、などの症状が出現した場合は必ず救急要請の上で速やかに受診してください。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの | 44 | 1.18 | 2.55 | 0 | 69.41 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの | 34 | 1.41 | 3.06 | 0 | 67.94 | |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの | 33 | 0 | 13.94 | 0 | 70.27 | |
K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの | 23 | 0.78 | 12.48 | 0 | 68.91 | |
K5461 | 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの | 11 | 0 | 10.82 | 0 | 74.36 |
当科では頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術を積極的に行っています。特に心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術は近年技術の進歩とともに処置が勧められる患者さんの範囲が広がっており、必要とされる患者さんに安心して治療を受けていただける体制が築けています。緊急対応が必要となる急性心筋梗塞、不安定狭心症に対する経皮的冠動脈ステント留置術の症例数は年間50-60例程度で推移しており、三次救急まで対応する急性期病院として当院に求められる役割を反映しています。一方で、近年では急性心筋梗塞/不安定狭心症以外の症例に対する経皮的冠動脈ステント留置術については有効性に疑問が投げかけられており、当院での経皮的冠動脈ステント留置術(その他)の手術件数が減少傾向であることは最新の知見に基づく適切な医療の反映と考えられます。総じて最新の知見に基づき、必要な治療を必要な患者さんへお届けできている数字と考えられます。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの | 41 | 0.00 | 2.12 | 4.88 | 0.00 | |
K9132 | 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの | 1 | 0.00 | 4.00 | 0.00 | 0.00 | |
ハイリスク妊娠、ハイリスク分娩に24時間365日体制で対応しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 34 | 0.82 | 3.15 | 0 | 76.24 | |
K5612ロ | ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 | 21 | 2.38 | 5.19 | 0 | 76.48 | |
K6093 | 動脈血栓内膜摘出術 その他のもの | 12 | 2.5 | 5.5 | 0 | 67.25 | |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの | 9 | 0.78 | 1.67 | 0 | 71.78 | |
K5612ハ | ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腸骨動脈 | 4 | 1.5 | 9.25 | 25 | 80.75 |
当科の手術では、閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療が最多で、バイパス手術なども行なっております。腹部大動脈瘤に対するステントグラフト術も多数行なっております。慢性腎不全に対する内シャント造設術も行なっております。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 134 | 2.00 | 3.75 | 0 | 63.97 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 87 | 2.98 | 9.86 | 2.3 | 74.45 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 73 | 1.27 | 2.18 | 0 | 69.75 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの | 67 | 0.55 | 3.28 | 0 | 42.73 | |
K6335 | ヘルニア手術 鼠径ヘルニア | 63 | 1.06 | 2.19 | 1.59 | 72.24 |
当科で多い手術は、良性疾患では腹腔鏡下胆嚢摘出術、鼠経ヘルニア手術(腹腔鏡下手術と鼠径部切開法)、腹腔鏡下虫垂切除術が多く、悪性疾患では結腸がんに対する腹腔鏡下手術が最も多くなっております。その他、直腸、上部消化管(食道、胃)、肝胆膵の悪性疾患手術も各領域を専門とする外科医が担当しており、最近はロボット支援下手術や腹腔鏡下手術を中心に行っております。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5131 | 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) | 30 | 8.80 | 7.57 | 0 | 44 | |
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの | 29 | 2.79 | 5.79 | 0 | 71.72 | |
K514-22 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 | 18 | 2.72 | 4.78 | 0 | 71 | |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 | 11 | 3.18 | 5.09 | 0 | 73.27 | |
K496-4 | 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 | 6 | 8.5 | 10.5 | 0 | 61 |
術式1位は、気胸に対する胸腔鏡下手術です。当院は弱年者のみならず、高齢者患者さんの手術も多く行っています。2位は肺癌や転移性肺腫瘍に対する胸腔鏡下肺葉切除とリンパ節郭清です。3位4位は、肺葉切除ではなく、区域切除や部分切除を選択した患者数になります。肺葉切除ではなく縮小手術に位置付けます。「呼吸機能が低下している」「小型の腫瘍もしくは早期肺癌」「転移性肺腫瘍」などは肺葉切除ではなく、切除肺の量を減らす機能温存重視の手術を選択します。多くは胸腔鏡で行います。
5位は、急性膿胸に対する、胸腔鏡下膿胸腔搔爬術です。胸腔ドレーンのみでは治癒しない場合は、膿胸腔を直接胸腔鏡で観察しながら掻爬洗浄する手術治療を行います。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術 肩、股、膝 | 271 | 1.72 | 14.42 | 9.59 | 71.41 | |
K0461 | 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 | 98 | 1.37 | 14.09 | 44.9 | 74.29 | |
K0462 | 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 | 92 | 1.83 | 5.12 | 15.22 | 59.28 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 | 50 | 1.04 | 3.26 | 0 | 45.62 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術 肩、股 | 47 | 1.09 | 18.15 | 74.47 | 83.00 |
脊椎手術は、頚椎から腰椎と広範囲になりますが、小切開で行う内視鏡で行う小侵襲手術から、側弯症など脊椎全体に及ぶような広範囲の手術を脊椎外科専門医が行っています。
大腿骨頚部骨折では、受傷後48時間以内の手術が推奨されていますが、概ね行えており、術後合併症が減少傾向にあります。手術翌日からリハビリを行い、早期社会復帰を目指しています。手術後、自宅退院まで当院での入院リハビリを希望される方もおられますが、術後1週間以上のリハビリは当院で行なっておらず、その後はリハビリ施設への転院をお願いしています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 87 | 0.18 | 9.14 | 10.34 | 77.31 | |
K1781 | 脳血管内手術 1箇所 | 14 | 2.21 | 27.36 | 42.86 | 72.29 | |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの | 12 | 3.08 | 23.17 | 0.00 | 55.33 | |
K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 | 8 | 0.13 | 55.50 | 62.50 | 67.88 | |
K1642 | 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 硬膜下のもの | 5 | 0.20 | 87.00 | 40.00 | 77.00 |
当院の令和6年に施行した手術総数は228件でした。個別の手術として件数が最も多いのは慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫ドレナージ術で疾患別手術としては脳血管障害に対する手術も多く、くも膜下出血に対する開頭クリッピング術や脳血管内手術、頚動脈ステント留置術は年間各8-10例程度行っています。脳腫瘍に関しては、年間15例程度の手術を行っています。脳腫瘍の手術難易度は発生部位により大きく異なります。難易度の高い脳腫瘍の手術を行う場合、ナビゲーション、神経内視鏡、電気生理学的モニターなどの機器を用いてなるべく合併症を起こさないようする工夫やサイバーナイフを用いた定位放射線療法の併用も積極的に行っています。重症脳出血に対しては開頭血腫除去術だけではなく神経内視鏡下血腫除去術も行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K597-2 | ペースメーカー交換術 | 31 | 0.94 | 1.10 | 0.00 | 82.00 | |
K552-22 | 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの | 12 | 3.75 | 12.75 | 0.00 | 72.67 | |
K5601ニ | 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈 その他のもの | 9 | 1.00 | 23.33 | 11.11 | 69.44 | |
K5551 | 弁置換術 1弁のもの | 8 | 7.25 | 34.25 | 25.00 | 63.50 | |
K5522 | 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの | 6 | 5.50 | 29.33 | 0.00 | 75.83 |
当科の対象疾患は冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞など)、心臓弁膜症、大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離など)、不整脈疾患、感染性心内膜炎などです。不整脈疾患では心臓の脈が少なくなってしまう患者さんが非常に多く、このような患者さんに対しては、ペースメーカーの植え込みを行います。高齢の大動脈疾患や大動脈解離では手術が難しいことも多く、侵襲が小さく安全性の高いカテーテル治療で血管の中に人工血管を挿入するステントグラフト治療を積極的に行っています。心臓弁膜症では、大動脈弁の動脈硬化や僧帽弁の変性で大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症が増加しています。心臓弁膜症では人工弁置換術とともに、脳梗塞の心配の少ない弁修復手術(弁形成術)やメイズ手術を取り入れています。狭心症や心筋梗塞の患者さんには冠状動脈バイパス手術を行いますが、当院では患者さんへの負担が少ない心拍動下バイパス手術(オフポンプバイパス手術)を積極的に行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 88 | 0.09 | 1.03 | 0.00 | 3.83 | |
K836 | 停留精巣固定術 | 32 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 5.16 | |
K6333 | ヘルニア手術 臍ヘルニア | 26 | 0.04 | 1.00 | 0.00 | 2.65 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの | 12 | 1.33 | 4.08 | 0.00 | 10.33 | |
K419 | 頬、口唇、舌小帯形成手術 | 10 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | 1.50 |
診断群別患者数の項と類似しています。最も多いのは鼠径ヘルニアであり、当院では1998年ごろより全国に先駆けて腹腔鏡下手術を施行しております。これまでの累計で3000例を越えています。続いて腹腔鏡補助下精巣固定術、臍ヘルニア手術、腹腔鏡下虫垂切除術、舌小帯切除・形成術となっております。虫垂炎以外は術後日数は1日と短く、舌小帯短縮症に関しましては、全身麻酔後の状態が安定していれば、当日夕方に退院可能なことがあります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K628 | リンパ管吻合術 | 16 | 1.25 | 4.94 | 0.00 | 64.63 | |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹 | 12 | 1.00 | 3.67 | 0.00 | 59.25 | |
K2191 | 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 | 10 | 0.00 | 1.10 | 0.00 | 77.20 | |
K427 | 頬骨骨折観血的整復術 | 7 | 2.86 | 5.86 | 14.29 | 62.14 | |
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 | 5 | 0.40 | 2.40 | 0.00 | 80.80 |
当科では皮膚腫瘍、眼瞼下垂症、外傷(顔面骨骨折・軟部組織の損傷など)、難治性潰瘍(褥瘡や足潰瘍など)に対する治療を広く行っています。また、悪性腫瘍の切除後などで生じるリンパ浮腫に対する治療や、乳がん切除後の乳房再建などの治療を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの | 110 | 1.23 | 2.59 | 0.91 | 74.2 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 80 | 1.04 | 4.15 | 3.75 | 73.16 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの | 61 | 1.25 | 1.62 | 3.28 | 64.56 | |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) | 48 | 1.17 | 7.69 | 0 | 70.06 | |
K007-2 | 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 | 40 | 0.15 | 1 | 0 | 75.58 |
ほとんどの手術は予め、クリニカルパス(以降、パスと略します)という入院スケジュールを決めて行なっています。これにより、入院期間の短縮と治療の効率化を図っております。
1位は膀胱がんの内視鏡手術で110例となりました。パスを利用し、手術後平均入院期間は2.59日で退院となっております。2位は経尿道的尿管ステント留置術であり、水腎症や尿管狭窄といった尿管の閉塞状態を改善する手技でした。3位と尿路結石症に対する経尿道的手術を行う入院で61例でした。4位は前立腺がんに対するロボット支援手術です。ロボット支援手術でもパスを利用しており、術後の平均入院期間は7.69日となっております。5位は放射線治療を受ける前立腺癌の患者様に前処置で行う金マーカー、スペーサー留置の手技でした。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの | 57 | 1.05 | 4.12 | 0.00 | 45.28 | |
K877 | 子宮全摘術 | 56 | 1.63 | 7.80 | 0.00 | 51.41 | |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 44 | 0.91 | 1.00 | 0.00 | 41.61 | |
K8981 | 帝王切開術 緊急帝王切開 | 41 | 13.49 | 6.71 | 0.00 | 34.20 | |
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 37 | 1.00 | 4.51 | 0.00 | 47.14 |
当院は地域周産期母子医療センターであると同時にがん診療連携拠点病院および救急指定医療機関であり、地域のかかりつけ医と緊密な連携を持ち、多くの患者さんの紹介や搬送を受けています。
ハイリスク妊娠の患者さんに対応するため、帝王切開術が多くなっています。令和5年度には緊急帝王切開は139件行われていますが、生まれたお子さんが新生児内科に入院し、産科の新生児室に入らなかった方のみこの統計に含まれることになっており、数値が大幅に乖離しています。また、子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮頸部異形成の患者さんも多く紹介いただいており、これらの手術も多くなっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの | 251 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 76.78 | |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの | 5 | 0.00 | 1.80 | 0.00 | 71.60 | |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの | 1 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 65.00 | |
K2821イ | 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 縫着レンズを挿入するもの | 1 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 85.00 | |
当科では、年間約200例の白内障手術を施行しております。御高齢で全身合併症を有する患者さんが多く、コロナ感染のこともあり、現在1泊2日の入院をして頂いております。日帰り手術は現在行っておりません。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術 摘出 | 95 | 1.29 | 3.96 | 0.00 | 15.99 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 31 | 1.19 | 3.39 | 0.00 | 53.90 | |
K368 | 扁桃周囲膿瘍切開術 | 29 | 0.59 | 4.69 | 3.45 | 43.83 | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) | 19 | 1.42 | 3.37 | 0.00 | 55.42 | |
K309 | 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 | 18 | 1.56 | 1.06 | 0.00 | 8.39 |
1位は慢性扁桃炎や睡眠時無呼吸の治療のために行います。
2位・4位は慢性副鼻腔炎の手術症例です。開放する範囲によりⅢ型・Ⅳ型に分かれます。
3位は主に外来で処置を行った後に入院して抗菌薬投与や補液を行います。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均術前日数 | 平均術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K386 | 気管切開術 | 26 | 5.65 | 20.92 | 34.62 | 75.62 | |
K6151 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 止血術 | 8 | 0.13 | 4.50 | 62.50 | 63.50 | |
K533-2 | 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 | 4 | 0.00 | 8.00 | 0.00 | 55.75 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 4 | 0.00 | 3.50 | 0.00 | 68.50 | |
K125 | 骨盤骨折観血的手術(腸骨翼骨折観血的手術及び寛骨臼骨折観血的手術を除く。) | 3 | 2.67 | 21.00 | 100.00 | 82.33 |
当院救命救急センターは自己完結型救命救急センターおよび外傷センターを目指しており、初療から救急病床での集中治療を含めて三次救急を当科が対応しています。初療室は3床あり、重症体幹部多発外傷や急性腹症等に対して、同時に最大3列並列で緊急手術を施行することができる体制を整えています。同センターは令和2年12月1日に開設しましたが、搬送される多発外傷や急性腹症、緊急手術を要する症例も増加しています。令和4年6月1日にはドクターカーの運用も開始し、緊急手術を要する症例が増加しています。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 4 | 0.03 |
異なる | 22 | 0.16 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 56 | 0.41 |
異なる | 65 | 0.48 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 1 | 0.01 |
異なる | 10 | 0.07 | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 73 | 0.53 |
異なる | 19 | 0.14 |
DICについては、平成26年度以降DICの原因と考えられる基礎疾患を明確にし、厚生労働省DIC基準や急性期DIC診断基準(日本救急医学会DIC特別委員会)によるDICスコアを確認し、診断を確定しています。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) | 分母のうち、 肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) | リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 |
---|---|---|
1576 | 1416 | 89.85 |
血液培養オーダ ー 日数(分母) | 血液培養オーダ ー が 1 日に2 件以上ある日数(分子) | 血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
7018 | 5919 | 84.34 |
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) | 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) | 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 |
---|---|---|
1218 | 1157 | 94.99 |