ページの本文です。

脳神経外科

ごあいさつ

 当院脳神経外科は、脳神経疾患の外科部門として診療を行っています。さいたま市の中核病院として特に救急医療に力を入れており、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞などの脳血管障害や頭部外傷に対して24時間治療できる体制をとっています。また、脳腫瘍、水頭症、先天奇形など幅広い疾患の治療も行います。なお、患者さんの年齢や疾患に応じて、脳神経内科、小児科、新生児内科、小児外科、整形外科、耳鼻咽喉科、精神科、放射線科、リハビリテーション科など他科と緊密に連携しながら診療を行っています。

診療内容

1.外来診察

月曜日から金曜日まで午前中に行っています。
受診につきましては基本的には予約制となっております。
外来にて行っている主な画像検査は

  • MRI 2台(1.5T, 3T)
  • 頸動脈エコー
  • CT 2台 (64例、128列)
  • 脳血流シンチ

などです。検査結果は放射線科専門医の診断を受けています。
これらの検査の結果を検討して診断を行い、治療方針をご相談しています。
なお毎月第一水曜日、慶應義塾大学の三輪医師による小児脳神経外科の専門外来を開設しています。

2.入院診療

脳神経疾患を扱う病床は40床です。集中治療を要す場合には集中治療室を使用しています。また当院は、かかりつけ医(浦和医師会、大宮医師会、与野医師会、岩槻医師会)と市立病院の医師が共同で診療行為を行う開放型病床を設置しています。

3. 主な対象疾患

  1. 血管障害
    くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の外科治療・血管内治療
    未破裂脳動脈瘤、脳血管奇形の外科治療・血管内治療・放射線治療
  2. 脳腫瘍
    神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、神経鞘腫、類上皮腫、転移性脳腫瘍、下垂体腺腫など
  3. その他
    頭部外傷、慢性硬膜下血腫、水頭症、二分脊椎など

血管障害

A.くも膜下出血

 くも膜下出血は突然発症し死亡する確率も高い恐ろしい疾患です。主な原因は脳動脈瘤(頭の血管にできた血管のこぶ)の破裂です。当院では、CTスキャンなどを用いて診断を行い、なるべく早期に治療を行います。治療法は大きく分けて、1.開頭クリッピング術(頭部を切開し、脳動脈瘤にクリップをかける)、2.脳血管内治療(カテーテルと呼ばれる細い管を血管内へ進め、金属製のコイルを動脈瘤に詰める)、の2種類があります。当院では、患者さんの全身状態や動脈瘤の形状を考慮し、より適切な治療法を選択します。

B.脳出血

 大部分の脳出血において、治療の主体は点滴や内服薬になります。しかし、出血が著しい場合、手術を行うこともあります。

C.脳梗塞 急性期

 多くの場合、急性期(脳梗塞発症直後)における治療の主体は点滴や内服薬です。しかし、心臓の不整脈などにより生じた血栓(血の塊)により頭蓋内血管が閉塞して出現した脳梗塞では、脳神経外科による脳血管内治療(細いカテーテルを用いて血栓を除去する治療)を行うこともあります。

D.脳梗塞 慢性期

 脳梗塞の慢性期には内服薬により治療を行います。しかし、頭蓋内や頸部の血管が狭窄ないし閉塞を来たしている場合、脳梗塞の再発を予防するため手術を行った方が良いこともあります。脳神経外科にて行う手術には以下のものがあります。

  1. 頸動脈狭窄に対する脳梗塞予防のための頚動脈内膜剥離術
    脳へ血液を送る頸動脈が頸部で狭窄を起こして脳血流が低下したり、狭窄部から血の塊が剥がれて流れていき脳の血管が閉塞したりしますと、脳梗塞になります。脳梗塞発症予防あるいは脳梗塞再発予防のために狭窄部位の手術を行った方が良い場合があります。
    ●内頚動脈内膜剥離術(CEA)
     狭窄部の肥厚した内膜を剥がして取り除き、脳血流を改善する手術です。
    ●頚動脈ステント留置術(CAS)
     頚動脈ステント留置術は、狭窄部にステントと呼ばれる金属製の筒を留置し、
     狭窄部を広げる手術です。
  2. 頭蓋内外血行再建術 浅側頭動脈―中大脳動脈血管吻合術
    脳に血液を送る主な血管である内頸動脈や中大脳動脈の狭窄や閉塞が起こりますと、半身麻痺や失語症などの症状が出ます。脳梗塞になりますとそのような症状が後遺症として残ってしまう可能性があります。
    しかし、脳に血液を送る主な血管に狭窄や閉塞が起こっても、後遺症が残らなかったり、一時的な症状で回復したり(一過性脳虚血発作)、軽い脳梗塞(社会復帰できるような軽い症状)ですんだりすることがあります。その場合、脳梗塞が再発して重度の後遺症を残さない様に予防的手術をした方が良い場合もあります。脳血流検査を行い、血行再建術により血流を増やし再発防止策を行うべきかどうか検討します。
E.脳腫瘍

 脳腫瘍の治療法には、手術、化学療法、放射線療法があります。ただし、単独の治療法を行うわけではなく、個々の疾患に応じ、これら3種類の治療を適宜組み合わせます。
 当施設では、ナビゲーションシステムや術中モニタリングなどの支援システムを活用して、安全で低侵襲治療の治療を行っています。また、悪性脳腫瘍に対し、化学療法や放射線療法も行っています。手術が困難な症例に対しては、サイバーナイフを用いた定位放射線療法を行うこともあります。なお、当院において治療が困難と考えられる症例は、近隣の大学病院や医療施設へ紹介させていただくこと、大学病院から医師を招聘して手術を行うこともあります。

スタッフ

氏名 役職 卒業年 資格
小嶋 篤浩 部長 1992年

医学博士
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会認定脳神経血管内治療専門医・指導医
日本臨床神経生理学会認定臨床神経生理学専門医・指導医<筋電図・神経伝導分野、脳波分野>
日本臨床神経生理学会術中脳脊髄モニタリング認定医
日本脳卒中の外科学会技術指導医 
日本神経内視鏡学会技術認定医

日本医師会認定産業医
慶應義塾大学脳神経外科 客員講師

嵯峨 伊佐子 科長 2003年 医学博士
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
福村 麻里子 医長 2014年 日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
機能的定位脳手術技術認定医
三輪 点 非常勤医師 2001年

医学博士
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医

日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本小児神経外科学会認定医
慶應義塾大学脳神経外科 講師

臨床実績

当院において2023年に施行しました手術は以下の通りです。

総数 226例
1.脳動脈瘤 19件 (開頭手術 9件、血管内手術 10件)
2.脳腫瘍摘出術/生検術 11件
3.虚血性疾患 29例 (機械的血栓回収療法 19例、頚動脈ステント留置術 10件)

施設認定

日本脳神経外科学会認定専門医訓練施設
日本脳卒中学会研修教育施設
日本脳卒中学会 一次脳卒中センター(Primary Stroke Center)
日本脳神経血管内治療学会研修施設

一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業への参加について

 当院では、以下の臨床研究に参加しております。本研究は、日本全国の脳神経外科施設における手術を含む医療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目的としています。通常の診療で得られた記録を調べるものになりますので、本研究に参加されることによる患者さんへの新たなご負担は一切ありません。この案内をお読みになり、ご自身またはご家族の方が本研究の対象者にあたると思われる方の中で、ご質問があります場合、または本研究に『ご自分またはご家族の方の診療情報を使ってほしくない』とお思いになられる場合は、後述の「問い合わせ先」までご連絡をお願いいたします。

対象となられる方

2023年10月1日から2028年9月30日までの間に、さいたま市立病院脳神経外科に入院し治療を受けられた方を本研究の対象といたします。

研究課題名

「一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」

研究の目的

近年、高齢化の進展と医療費の増加に伴い、世界的に医療の質や適切な医療へのアクセスに対する関心は高まりつつあります。本研究は、日本全国の脳神経外科施設における手術を含む医療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目的とします。
収集したデータを分析することで、日本の脳神経外科領域における以下について明らかにします。

  • 手術を含む脳神経外科医療を行っている施設の特徴
  • 医療水準の評価
  • 手術・治療を受けた方の予後
  • これから手術を受ける方の死亡・合併症の危険性の予測など
  • 専門医の更新要件到達度
  • 専攻医の研修目標到達度
  • 脳神経外科専門医制度のあり方に関する基礎資料
  • 医療機器や薬剤などの市場調査
  • 臨床研究、治験などを計画する際の基礎資料

研究の方法

 カルテ等の診療記録から下記の情報を収集して、匿名化データとした上で、インターネットを介して日本脳神経外科学会が運営するデータベースに登録します。全国の参加施設から集められたデータを全国、地域、施設、疾患、術式単位で解析します。本研究は、通常診療で得られたカルテの記録を調査するものになりますので、研究のために患者さんに新たに検査や処置を受けていただくなど、ご負担・不利益が生じることはありません。

研究に用いる試料・情報の種類

 本研究に用いられるデータに含まれる情報は以下のものが挙げられます。
施設情報、患者情報(患者生年月、性別、発症日など)、主治医情報(主治医の名前など)、入院情報(入院時の状態、入院年月日、入院経路など)、退院情報(退院年月日、退院先、退院時の状態など)、診療目的(検査目的、手術目的など)診断検査(施行した検査)、カテーテル血管撮影(誰が施行したのか)、
内科治療の有無、内科治療をしたならばその治療内容について
化学療法の有無、化学療法をしたならばその治療内容について
放射線療法の有無、放射線療法をしたならばその治療内容について
その他の補助療法の有無、その他の補助療法をしたならばその治療内容について
手術の有無、手術をしたならばその治療内容について

研究期間

倫理委員会承認後より2028年9月30日までを予定しております。

個人情報の取り扱い

 本研究で収集する患者さんの診療情報は、「個人情報管理者」(小嶋篤浩)が責任を持って匿名化(その記述単体で特定の患者さんを直ちに判別できる記述等を全て削除した)データとした上で、インターネットを介して日本脳神経外科学会が運営するデータベースへ登録します。患者さん個人と匿名化データを結びつける対応表は、個人情報管理者が当院内の鍵のかかる場所で厳重に保管・管理し、院外への持ち出しは行いません。データベースに関しては、日本脳神経外科学会が業務委託を行う株式会社ケーアイエスが管理するクラウド上のサーバー上で保管・管理されます。また、入力データの正確性を確認するために、日本脳神経外科学会が任命した施設訪問担当者が当院においてカルテ等の診療記録と照らし合わせて入力データの検証を行うことがあります。その際には、データの検証に関する情報以外については守秘義務を負い、当病院長の許可を得ることを必須として、プライバシーに関わる情報が外部に漏れることが無いよう十分に配慮した上で実施されます。

問い合わせ先

 本研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を守って実施されます。
 ご希望がありましたら、他の研究対象の方の個人情報および知的財産権の保護に支障がない範囲内で、本研究の研究計画書、関連資料をご覧いただくことが可能ですので、お申し出ください。
 また、情報を本研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承頂けない場合や、研究の対象から除外して欲しいとのご希望があります場合には、研究対象とは致しませんので、遠慮なくお申し出ください。ご協力頂けない場合でも、患者さんやそのご家族の方が病気の治療を受けられる上で不利益を受ける事はありませんのでご安心下さい。ただし、同意を取り消された時点で既に研究結果が論文等で公表されていた場合などは、お一人分のデータを抜き出して訂正・消去することができない場合がありますことを、ご了承ください。
 本研究に関するご質問、お問い合わせ、研究計画書の閲覧希望があります場合、またはご自身の診療情報について開示・訂正のご希望があります場合は、下記までお問い合わせください。
 皆様のご理解・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

連絡先
 さいたま市立病院 脳神経外科 部長 小嶋篤浩 TEL:048-873-4111(代表)
 〒336-8522 埼玉県さいたま市緑区大字三室2460番地

研究組織
 山形大学医学部脳神経外科学講座、
 日本脳神経外科学会事務局ならびに本学会員が所属する本研究参加施設
 研究責任者:山形大学先進がん医学講座 教授 嘉山 孝正
 「JND」参加施設 日本脳神経外科学会 専門医研修プログラム参加施設1,200以上および本学会会員が所属するその他の中・小 規模病院、クリニック等の医療機関1,500以上、合わせて日本全国で2,700以上の脳神経外科施設
一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database)に関する研究(PDF形式 233キロバイト) 

このページの先頭へ