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更新日付:2024年3月31日 / ページ番号:C034586
市民の生物多様性(※)への理解を深めるとともに、現状把握及びデータの蓄積を目的に市内に生息するトンボとチョウを対象とした「さいたまみんなの生きもの調査」を、市民活動団体と連携して実施しています。
トンボは幼虫がヤゴと呼ばれ水中に生活するなど、水環境と密接な関係をもっており、トンボについて調査することで、その地域の水環境を推定することができます。
チョウの幼虫は種ごとに異なる草を食べるなど、植物と密接な関係をもっており、チョウについて調査することで、その地域の植生を推定することができます。
この調査は、「第2次さいたま市環境基本計画別冊 さいたま水と生きものプラン」(さいたま市生物多様性地域戦略)」に掲げる市民参加型生きもの調査の仕組みの構築に該当するものです。
※生物多様性
生物多様性とは、生きものたちの豊かな個性とつながりのこと。地球上の生きものは40億年という長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。これらの生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、間接的に支えあって生きています。生物多様性条約では、生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性という3つのレベルで多様性があるとしています。 (引用:環境省生物多様性ウェブサイト)
1.三橋総合公園 (西区)
2. 合併記念見沼公園(大宮区)
3.(株)建設技術研究所 与野寮 (中央区)
4.与野八幡小学校(中央区)
5.(株)オリジン本社事業所(桜区)
6.荒川総合運動公園(桜区)
7.荒川彩湖公園(桜区)
8.桜環境センター(桜区)
9.さいたま市役所本庁舎(浦和区)
10.浦和記念公園(南区)
11.別所沼公園(南区)
12.見沼保全不耕起田んぼ(緑区)
13.芝川第一調節池(緑区)
14.赤坂沼(岩槻区)
調査地点概略図
令和4年度は「さいたまみんなの生きもの調査」で、トンボ7科41種、チョウ5科45種を確認しました。
トンボについては、アキアカネ、シオカラトンボなどの都市環境でも見られる池などの狭い止水性の水域に生息する種が多数確認されました。
また、流水性の水域を好むハグロトンボが確認されていることから、中小河川の水質が向上し、ハグロトンボが生息できる環境が増えてきていると考えられます。
ホソミオツネントンボは、森に入り成虫で越冬するので、周辺に森林が存在していることを示しています。
東京都内で多く確認されるオオシオカラトンボがシオカラトンボに比べて、あまり確認されませんでした。
これは、オオシオカラトンボの幼虫(ヤゴ)が日陰の池を好むため、住宅が密集した環境で多数発生しているのに対して、さいたま市内では住宅の密集度合が都内よりも緩和されるためと考えられます。 キイロサナエやキイトトンボといった希少種も観察されています。
チョウについては、ヤマトシジミやモンシロチョウなど、都市環境にも生息する種が多数確認されました。アオスジアゲハはクスノキを食草とするため、元来はクスノキが分布する西日本を中心に確認されていましたが、関東でもクスノキの植栽等により、定着したチョウです。ツマグロヒョウモンも継続して観察されています。
目和名 | 科和名 | 種和名 | 目和名 | 科和名 | 種和名 |
チョウ目 (鱗翅目) |
アゲハチョウ科 | アオスジアゲハ | トンボ目 (蜻蛉目) |
アオイトトンボ科 | アオイトトンボ |
アゲハ | オオアオイトトンボ | ||||
オナガアゲハ | ホソミオツネントンボ | ||||
カラスアゲハ | カワトンボ科 | ハグロトンボ | |||
キアゲハ | イトトンボ科 | アオモンイトトンボ | |||
クロアゲハ | アジアイトトンボ | ||||
ジャコウアゲハ | キイトトンボ | ||||
ナガサキアゲハ | クロイトトンボ | ||||
モンキアゲハ | セスジイトトンボ | ||||
シロチョウ科 | キタキチョウ | ホソミイトトンボ | |||
スジグロシロチョウ | ムスジイトトンボ | ||||
ツマキチョウ | オニヤンマ科 | オニヤンマ | |||
モンキチョウ | ヤンマ科 | オオギンヤンマ | |||
モンシロチョウ | ギンヤンマ | ||||
シジミチョウ科 | ウラギンシジミ | クロスジギンヤンマ | |||
ウラナミシジミ | サナエトンボ科 | ウチワヤンマ | |||
ツバメシジミ | オナガサナエ | ||||
ベニシジミ | キイロサナエ | ||||
ミズイロオナガシジミ | トンボ科 | アキアカネ | |||
ミドリシジミ | ウスバキトンボ | ||||
ムラサキシジミ | オオシオカラトンボ | ||||
ヤマトシジミ | コシアキトンボ | ||||
ルリシジミ | コノシメトンボ | ||||
タテハチョウ科 | アカタテハ | コフキトンボ | |||
アカボシゴマダラ | シオカラトンボ | ||||
アサマイチモンジ | シオヤトンボ | ||||
イチモンジチョウ | ショウジョウトンボ | ||||
ウラギンヒョウモン | チョウトンボ | ||||
キタテハ | ナツアカネ | ||||
ゴマダラチョウ | ハラビロトンボ | ||||
コミスジ | リスアカネ | ||||
コムラサキ | |||||
サトキマダラヒカゲ | |||||
ツマグロヒョウモン | |||||
テングチョウ | |||||
ヒカゲチョウ | |||||
ヒメアカタテハ | |||||
ヒメウラナミジャノメ | |||||
ヒメジャノメ | |||||
ルリタテハ | |||||
セセリチョウ科 | イチモンジセセリ | ||||
キマダラセセリ | |||||
ダイミョウセセリ | |||||
チャバネセセリ | |||||
ミヤマチャバネセセリ |
詳細は以下の資料に記載しています。
※ 和名については、国土交通省「河川水辺の国勢調査ための生物リスト」を参考に表記しています。
※ 調査結果(ただし、写真を除く。)を引用・転載又は複製・加工して再配布する場合は、出所の明示と実施者の責任を明示してください。ただし、調査結果を二次利用した者が作成した情報により第三者が損害を被った場合、市及びさいたま市環境会議はその責は負いません。
※調査結果に掲載された写真の著作者は、各写真の撮影者とし、転載又は複製・加工して再配布することはできません。
※参考文献
日本チョウ類保全協会(編),2019.フィールドガイド日本のチョウ増補版.誠文堂新光社,東京
浜田 康,1991.シリーズ・四国の自然博物館土佐のトンボ.高知新聞社,高知
調査員に応募される方は、調査員研修を受けて頂くことで、調査員として登録され、調査地点においての調査にご参加頂けることとなります。
環境局/環境共生部/環境対策課 水質土壌係
電話番号:048-829-1331 ファックス:048-829-1991