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更新日付:2025年2月26日 / ページ番号:C119354

市報さいたまプラス 2025年3月号

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「市報さいたまプラス」では、「市報さいたま」の特集紙面で掲載しきれなかった情報、こぼれ話などを掲載しています。
今月の特集に登場していただいた大宮盆栽美術館の中村慎太さんと小棚明生さん。盆栽育成のプロ・盆栽師であると同時に美術館の職員でもあります。そのお二人に、大宮盆栽美術館の見どころと、初心者が育ててみたくなるおすすめの盆栽を聞いてみました。

美術館の盆栽は「生きている芸術」

小棚さんと中村さん
大宮盆栽美術館の小棚さん(左)と中村さん(右) 

―普段はどういった仕事をされているのでしょうか?

中村「大宮盆栽美術館には学芸員もいて、盆栽の研究や展示会の運営などを担当しています。普通の美術館であれば学芸員だけで運営できるのですが、当館の所蔵品の大半は盆栽。植物に対する専門的な知識や技術が必要になるので、私たちが盆栽職人として盆栽の世話を担っています。」

小棚「朝は展示している盆栽に水やりをして、その後は手入れ作業。展示品以外の盆栽もありますので、その水やりや剪定をしているとあっという間に日が暮れてしまうんです。美術品であっても盆栽は『生き物』なので、休みの日も油断できないんですよね。」

中村「大宮盆栽美術館の美術品として収蔵している盆栽が約130鉢。その他にも館内の盆栽庭園に飾ってある季節の花々などの盆栽まで含めると300鉢以上はあります。盆栽は、そもそも『外』で育つもの。屋内に展示していると、普段の環境とは全く違うので、一週間もすると木が疲れてくるんです。温度や湿度など何から何まで違うので、木への負担を考えながら、来館者の方に楽しんでいただけるよう目配り・気配りするのが仕事ですね。」

小棚「現在は庭園改修のため休館していますが、3月21日にリニューアルオープンの予定です。休館中は今までにできなかった細かな手入れを集中して行ったので、盆栽に詳しい方がご覧になれば、“お、仕事したな!”というのが伝わるかと楽しみにしています(笑)。開館後はぜひ、足を運んでいただきたいです。」

初心者でも育てやすい盆栽は「真柏」と「長寿梅」

― 今月の特集を読んで「盆栽に挑戦してみたい!」と思った方に、おすすめの盆栽の樹種がありましたら教えてください。

しんぱく
真柏(しんぱく)
長寿梅
長寿梅
小棚「私のイチ押しは真柏(しんぱく)ですね。すごく丈夫で、暑さにも寒さにも乾燥にも強い。水が多くても大丈夫なので、大人気の樹種です。」
 

中村「盆栽といえば、やっぱり花物(はなもの:花が咲く樹種)。その中で言えば、私は長寿梅(※)がおすすめです。日陰の方が育てやすいので、お部屋の日当たりに自信がない方でも挑戦しやすい樹種なんです。2か月に1回くらい、年間で4~5回も花が咲くので、育てていて達成感があると思いますよ。」

※「梅」と名前がついていますが、長寿梅はボケ(木瓜)の一種です。

 
― ステップアップしてもう一種類の盆栽に挑戦したい方におすすめするとすれば?
 

小棚「ステップアップしたい方にはモミジ。近年、夏の日差しは厳しくなる一方ですが、丈夫な樹なので日陰に置いてあげてればしっかりと育ちます。切り込みにも耐えるので、間違って切っちゃっても大丈夫ですよ。」

中村「梅や椿もいいですね。小品の大きさに維持するには少しコツが必要なので、30〜40cmくらいのものに挑戦してほしいです。このサイズは理想の盆栽の大きさと言われていて、飾っても楽しめます。のびのびと作れますので、そういった意味でもステップアップにぴったりだと思います。」

小棚「逆に難しいのが、盆栽の定番樹種である五葉松。すごく丈夫で育てやすい樹種だったのですが、近年の夏の暑さで生長が止まっちゃうんです。技術面というよりは環境的な面で難しくなっていますね。」
 

自分が好きなものを買って、気張らずに挑戦!

根が見える特殊な鉢で説明する小棚さん
「小さくても盆栽は意外とタフなんです」と中村さん

― 育てる際に注意したい点がありましたら教えてください。

中村「盆栽は屋内、たとえば床の間などで飾ると美しい、という側面もあります。でも、基本は屋外で育てるもの。そこを知らずに室内にずっと飾っていると、全部落葉しちゃって枯れたりしてしまうので注意してほしいですね」

小棚「皆さん気にされているのは、毎日の水やりの大変さだと思います。木の種類や大きさによって水やりも変わってきて、小さい盆栽の方が可愛らしくて、水やりしやすいと思いがちですが、小さいと水がすぐ乾いちゃって枯らしやすいんです。意外と30cmぐらいの盆栽の方が水持ちも良くてタフだったりしますね。」

中村「とはいえ、乾いて枯れるのが怖いからって、水を入れた受け皿を下に置きっぱなしだと、根が呼吸できなくなって腐ってしまうので気をつけてほしいですね。」

小棚「一番は自分が好きなものを買って極めてもらうっていうのがベスト。育てているうちに自分の色、生活リズムに『木が寄ってくる』のも盆栽の魅力だと思います。大宮盆栽村には、たくさんの盆栽園があります。それぞれの園で違った魅力があるので、園を巡りながら、お気に入りの盆栽を探してみてはいかがでしょうか。」

中村「最近、値上がりもしていますが、盆栽は3,000〜5,000円の苗からでも始められる世界です。ぜひ気張らずに挑戦していただきたいですね。」
 

市報さいたま

市報さいたま3月号について、詳しくは、こちらのページ(新しいウィンドウで開きます)をご覧ください。

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