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更新日付:2025年1月29日 / ページ番号:C118629

市報さいたまプラス 2025年2月号

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「市報さいたまプラス」では、「市報さいたま」の特集紙面で掲載しきれなかった情報、こぼれ話などを掲載しています。

ヨーロッパ野菜の消費・生産の拡大を進めているさいたま市。今では20軒の農家が年間約70種類のヨーロッパ野菜を栽培しており、「さいたま市のヨーロッパ野菜」は少しずつ知られてきました。今回は、ヨーロッパ野菜の地産地消・普及に取り組んでいるお二人、「株式会社ノースコーポレーション」総料理長の新妻直也さんと、「さいたまヨーロッパ野菜研究会」の生産者法人である「株式会社FENNEL(フェンネル)」代表の森田剛史さんに、これまでの経緯やこだわり、そして今後の目標などを伺いました。

ヨーロッパ野菜を「お店の味」から「家庭の味」に根付かせたい

新妻シェフインタビューの様子

まず話を伺ったのは新妻直也さん。
「私はイタリアンレストランを営んでいて、日本でも本場の味、料理を出したい思いは強くあったんです。でも、『野菜』がなかった。今から15〜20年前はイタリアから野菜を空輸していたのですが、当然、お金も時間もかかる。そんなとき、大宮にヨーロッパ野菜の種を取り扱っている種苗会社があることを知りました。『種』はあるのだから、なんとか『野菜』を作ってもらえないだろうか。そう考えて、ホテルを貸し切り、市内の農家さんを50軒くらい集めたんです。イタリア料理を振る舞い、種を配って、どうかヨーロッパ野菜を作ってくださいってお願いした。でも、3か月経っても誰一人連絡が無い。もうダメだね、なんて話していたら、若い農家の方が試しに作った野菜を持ってきてくれた。嬉しかったですね。ただその頃、ヨーロッパ野菜はまだ売り先がなかった。そこで、『私たちのレストランで全部買うから思う存分作ってみて』とお願いしたんです。

新妻シェフ

その後、ヨーロッパ野菜を通じて、さいたまに新しい郷土を作っていこうと思い、『さいたまヨーロッパ野菜研究会』を立ち上げました。ヨーロッパ野菜はプロの料理人が使う野菜だったので、一般の方は食べ方や味、調理方法が分からない。そこでヨーロッパ野菜を使った本格的なカフェレストラン『ヨロ研カフェ』をオープンしました。食べてもらって味がわかる、おいしかったから店内の直売コーナーで買って帰る。このサイクルがうまく回っていくと、お店の料理から家庭料理に変わってくるんです。今では少しずつですが、市内のスーパーでも売られるようになり、家庭でヨーロッパ野菜を楽しむ方も増えてきたように感じます。『新しいさいたまの味』ヨーロッパ野菜の美味しさを、生産者の方々と一緒にもっともっと広めていきたいですね」

ヨーロッパ野菜は、さいたま市の食文化!

森田代表

次に話を伺ったのは、生産者の「株式会社FENNEL(フェンネル)」代表、森田剛史さん。野菜の作り手としての苦労や、これからの展望をお聞きしました。
「私はもともと小松菜を作る農家でしたが、私たちのような小規模農家ですと、価格競争に巻き込まれると市場では太刀打ちできなくなります。そこで小松菜に代わる野菜を作りたいと考えていた時に『ヨーロッパ野菜を作りませんか?』という話をいただき、2013年頃から挑戦してみることにしました。その後、生産者や新妻さんたち地元シェフ、種苗会社、食料品卸などが一体となり『さいたまヨーロッパ野菜研究会』としてヨーロッパ野菜を広めていく活動を始めたんです。その後、生産者たちで『FENNEL』という農事組合法人を立ち上げました。2022年には株式会社FENNELへと変更して現在に至っています。
作りはじめた頃は苦労しましたね。上手に栽培することはもちろんですが、売ることが難しかった。世間の認知も少ないですし、私たち自身もヨーロッパ野菜を理解しきれていなかったからです。そこでレストランのシェフから調理方法を聞いたり、種苗業者にヨーロッパではどのように売られているのかなどの情報を聞いて試行錯誤を重ねました。その甲斐もあって、2016年頃から少しずつ野菜を買ってくれる卸売業者やレストランが増えてきました。

森田代表インタビューの様子

『FENNEL』のメンバーは当初は4、5人でスタートしましたが、今では20人くらいまでに増えてきています。おかげさまで売り上げも、作り始め頃と比較すると70〜80倍になっていると思います。ありがたいことに、商品によっては需要に対して供給が追いついていないものもある状況です。ただ、珍しい野菜という一過性のブームだけで終わらせたくはありません。新しい食文化としてヨーロッパ野菜を根付かせていきたいですね。」
現在、市内の学校では、さいたま産のヨーロッパ野菜を使った給食を定期的に実施している学校もあります。また、ヨーロッパ野菜を使った料理コンテストも開催。生産者の方もイタリアに視察に行き、さらなる改善点を見つけるとともに「本場の野菜に負けない」自分たちの野菜の品質に、改めて自信を持ったそうです。畑で、お店で、そして市内の各家庭で。ヨーロッパ野菜がさいたま市の「食文化」になるよう、関係者の奮闘は続きます。

作ってみよう!ヨーロッパ野菜レシピ

カリフローレの肉巻き

【カリフローレの肉巻き】

●材料(2人分)
・カリフローレ 30g
・ニンジン 4cm
・ズッキーニ 1/2本
・豚肉薄切り 5枚


●作り方
1  カリフローレは細いスティック状に切り分ける。ニンジン、ズッキーニは短冊切りにする。
2  1を肉で巻き、フライパンで焼く。肉の合わせ目を先に焼くと崩れない。
3  醤油とみりんまたはお好みの焼肉のタレで味付け。  

その他のヨーロッパ野菜レシピはこちら(新しいウィンドウで開きます)から!

市報さいたま

市報さいたま2月号について、詳しくは、こちらのページ(新しいウィンドウで開きます)をご覧ください。

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