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更新日付:2024年8月7日 / ページ番号:C005543
百日咳は、特徴のあるひどい咳が続き、治るまでに数ヶ月かかることもあるため、百日咳と呼ばれるようになりました。免疫のない人が感染した場合、80%以上が発病すると言われています。以前は、乳幼児の患者がほとんどでしたが、最近では大人の患者も増加しています。特に乳児の場合、生命にかかわることもあるので注意が必要です。
原因となるのは、百日咳菌です。この菌は、患者の鼻水、咳やクシャミによって飛び散るシブキ(飛まつ)に含まれています。そのため、次のように感染すると考えられています。
飛まつ感染:感染者・患者の咳やクシャミにより、菌が放出され、それを吸い込んで感染します。
接触感染:菌に汚染されたモノ(飛まつが飛んで付着したモノや菌がついた手で触れたモノ)を触った手で、目、口、鼻の粘膜に触れることにより感染します。
咳の症状がある時はマスクを着用するなど、咳エチケットを心がけることが感染予防に役立ちます。
百日咳菌に感染してから、症状が出るまでの期間(潜伏期間)は5~10日(最大3週間程度)です。症状は、カタル期、痙咳期(けいがいき=咳発作期)、回復期の三期の経過を取ります。
カタル期:タンのからまない咳、クシャミ、鼻水、微熱といったカゼ症状から始まります。1~2週間で咳がだんだんとひどくなります。
痙咳期:連続した咳のあとに一気に息を吸い込むため「コンコン、ヒュー」と聞こえる咳発作を繰り返します。ただし、思春期以降では軽症のため、また乳児では呼吸筋が弱いため、「ヒュー」がないこともあります。さらに乳児では、息を止めているような無呼吸発作をおこし、チアノーゼ(顔色などが青紫色になる状態)やけいれんを起こすこともあります。咳発作は夜間に多くみられ、痙咳期は1~6週間続きます。最初の1週間位で咳発作の回数が徐々に増え、その後は1日平均15回程度になります。
回復期:徐々に咳発作が少なくなり、2~3週間位で咳がみられなくなります。
また、小さいお子さん、特に乳児は、肺炎、中耳炎、脳炎などの合併症を起こすこともあります。思春期以降の人は、上記のような典型的な症状がなく、「咳が長引く」だけのことがあります。1週間以上咳が続く時は、百日咳にかかっている可能性も考慮しましょう。
児童・生徒は、学校保健安全法第十九条にて、「百日咳にあつては、特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで」 と出席停止の期間が定められています(医師により感染のおそれがないと認められた場合はこの限りではありません)。
抗菌薬による治療や症状に応じた対症療法があります。乳児がかかると重症化しやすく、大人では咳が長く続いて体力を消耗したり、周囲の人に感染させてしまうこともあるため、できるだけ早期に受診して、治療することが望まれます。
五種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、ヒブの混合ワクチン)または 四種混合ワクチンの接種 (ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオの混合ワクチン)が定期予防接種となっています。母子健康手帳などを確認し、接種対象年齢になったら、できるだけ早く接種を受けてください。
また最近では、予防接種を受けてから時間が経ち、免疫が低下したため百日咳を発病した年長児や大人が、症状が軽いため百日咳にかかったと気づかずに、新生児や乳児へ感染した報告もあります。咳が出ている場合は、百日咳に限らず 咳エチケットを心がけましょう。
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