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更新日付:2024年5月13日 / ページ番号:C061463
「母子感染」とは、何らかの微生物(細菌、ウイルスなど)がお母さんから赤ちゃんに感染することを言います。
母子感染には、赤ちゃんがお腹の中で感染する「胎内感染」、分娩が始まって産道を通るときに感染する「産道感染」、「母乳感染」の3つがあります。
赤ちゃんへの感染を防ぐとともにお母さん自身の健康管理に役立てるために、妊婦健診を受診して、感染症検査を受けましょう。
もし、検査で感染症が見つかった場合には、赤ちゃんへの感染や将来の発症を防ぐための治療や保健指導が行われます。
HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)
HTLV-1に感染した人のほとんどは、ウイルスによる病気を発症することなく一生を過ごしますが、一部の人は感染してから40年後以上経過した後に、成人T細胞白血病(ALT)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)という病気になることがあります。
HTLV-1は、主に母乳を介して母子感染するとされています。そのため、授乳方法を工夫することによって感染する可能性を低くすることができます。
・HTLV-1を正しく知ってください。
www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou29/(厚生労働省)
風疹ウイルス
感染すると、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。妊娠中に初めて風疹ウイルスに感染した場合、赤ちゃんに胎内感染(赤ちゃんがお腹の中で感染すること)して、聴力障害、視力障害、先天性心疾患などの症状(先天性風疹症候群)を起こすことがあります。
妊娠中は風しんワクチンを接種することができません。風しんウイルスは主に飛まつ感染、接触感染でうつり、配偶者やお子さんなど身のまわりの方が感染原因になりやすいので、お母さんの周囲の方が予防接種を受けるなど、風しんにかからないようにすることが大切です。
・風しんについて
・風しん抗体検査のご案内
B型肝炎ウイルス
B型肝炎ウイルスは、慢性肝炎などの病気を引き起こすウイルスです。お母さんがキャリア(ウイルスが身体の中にある状態)の場合、妊娠時や出産時に母子感染し、赤ちゃんもキャリアになることがあります。生まれた後に赤ちゃんがワクチンやグロブリン注射を行うことで、母子感染を90%以上防ぐことができます。まれにワクチンに対して免疫がつきにくい人がいますが、この場合は必要に応じて追加のワクチン接種を行います。
妊婦健康診査でのHBs抗原検査が陽性である場合には精密検査を受け、母子感染対策について医師に相談しましょう。
・B型肝炎の母子感染について
www.kanen.ncgm.go.jp/category/boshi.html(国立国際医療研究センター肝炎情報センター)
C型肝炎ウイルス
C型肝炎ウイルスは、慢性肝炎などの病気を引き起こすウイルスです。赤ちゃんへの感染率は低く、感染しても多くは無症状ですが、将来、肝炎や肝硬変、肝がんになることもあります。
・C型肝炎
www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/c_gata.html(国立国際医療研究センター肝炎情報センター)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
感染すると特に症状のない状態を経て、後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症します。エイズになると免疫力が低下して、様々な日和見感染(健康な人には害のないような弱い微生物に感染し、症状が現れること)を引き起こしやすくなります。妊娠中の内服や出産方法・授乳方法を工夫することによって、母子感染する可能性を低くすることができます。
・HIVの母子感染を防ぐ方法
www.unicef.or.jp/campaign/051025/column1.html(日本ユニセフ協会)
梅毒
感染すると全身に発疹が現れ、治療せず放置し続けると心臓、血管、脳など複数の臓器に病変が生じます。母子感染すると、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります。(先天梅毒)
妊婦健康診査での梅毒検査が陽性である場合には治療を受け、母子感染対策について医師に相談しましょう。
・さいたま市の梅毒報告状況
GBS(B群溶血性連鎖球菌)
母子感染すると肺炎、髄膜炎、敗血症などの重症感染症を起こすことがあります。お母さんに抗菌薬を投与することによって母子感染する可能性を低くすることができます。
性器クラミジア
女性の多くは症状が軽く気づきにくいですが、子宮外妊娠、不妊、流早産の誘因になります。母子感染すると赤ちゃんが結膜炎や肺炎を起こすことがあります。
子ども未来局/子ども育成部/母子保健課 母子保健係
電話番号:048-829-1586 ファックス:048-829-1960