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更新日付:2026年1月29日 / ページ番号:C125894

(令和7年11月20日発表)土地売却に係る不適正な事務処理について「さいたま市土地区画整理事業における不適正事務処理に関する第三者委員会」から報告書が提出されました

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「さいたま市土地区画整理事業における不適正事務処理に関する第三者委員会」(渡邊享子会長 )から、 令和7年11月19日(水曜日)に、「さいたま市土地区画整理事業における不適正事務処理に関する第三者委員会報告書」が市長に提出されました。報告書の概要は以下のとおりです。

1 第三者委員会設置までの経緯と設置目的

令和6年度に発覚した、与野まちづくり事務所において必要な内部決裁等による意思決定が行われずに、行政財産である本市所有の土地(以下「当該土地」という。)の売却が行われた不適正な事務処理について、市の内部調査による報告内容の客観的かつ公正な検証及び再発防止策の検証等を行うため、さいたま市土地区画整理事業における不適正事務処理に関する第三者委員会(以下「委員会」という。)が設置された。

2 不適正事務処理の概要と市の取組の経緯

令和6年1月10日、与野まちづくり事務所の課長補佐級職員(以下「当該元職員」という。)が、与野駅西口土地区画整理事業地内の本市所有の当該土地を相手方に売却するため、行政財産の用途廃止及び処分に係る財政局との事前協議が調わないまま、さいたま市事務専決規程(平成15年さいたま市訓令第8号)で定められた契約締結に必要である局長の決裁を受けず、不正に同事務所で保管するさいたま市長の公印を使用して土地売買契約書を作成し、本市の行政財産である当該土地を売却した。

3 第三者委員会の役割と活動状況

1 委員会の役割
令和6年度に発覚した土地区画整理事業における不適正な事務処理について、市の内部調査の結果及び再発防止策の客観的かつ公正な検証等を行うため、附属機関として令和7年4月1日に「さいたま市土地区画整理事業における不適正事務処理に関する第三者委員会」を設置した。

2 委員会の開催結果
令和7年4月30日から令和7年11月13日までの間に、15回開催した。

4 事実経過の検証及び基本的認識

1 委員会が認定した事実
(1)当該元職員が随意契約で売却したいと考えた理由については調査検討会議報告書のとおりではあるものの、当該土地を相手方に随意契約で売却する方針は、当該元職員の個人的な意思ではなく、さいたま市都市局が組織として決定していたものであると認定した。具体的には、当該元職員は都市局による、当該土地を随意契約で売却するという組織の意思決定に基づいて業務を行っていたものである。
(2)委員会は、調査検討会議報告書の判断とは異なり、所長は、当該元職員が必要な決裁を経ないまま当該土地の売却手続を進めることを認識し、認容していた、と判断した。所長は、与野まちづくり事務所長として、当該土地を巡る一連の手続に、承認又は決裁する者としてその都度関わっている。にもかかわらず、それらの前提となるべき当該土地の売買契約についてだけは自分に伺いが来るべきことを知らなかったということは、合理的な弁解と受け取ることはできない。
(3)当該元職員は、当初から必要な決裁を経ずに当該土地を売却する意思はなかったが、必要な決裁を経ずに当該土地を売却するに際しては所長の後ろ盾がある、すなわち所長も自身と同様の認識のもと、売却手続を進めることを了解し、許可していると思っており、これにより当該元職員が公印を用いて売買契約書を作成するという行為に及んだと認定した。

2 委員会の基本的認識
当該土地を相手方に随意契約で売却することは、さいたま市都市局の意思であり、当該元職員は都市局の当該意思を実現すべく業務を遂行していた。元職員は、随時、所長に進捗を報告しており、所長は当該元職員の一連の行動を了解していた。当該元職員は、上司である所長の了解のもとに手続をすすめ、必要な決裁を経ずに当該土地を売却する売買契約書に公印を押印してしまった。所長は、必要な手続を経ずに当該土地の売却手続が進められていることを認識し、認容していた。

5 本事案の発生原因と課題の検証

委員会は、本事案の発生原因は、1.漫然と継続した事前協議、2.組織内の適切なマネジメントの欠如及び3.適切とはいえない人事であると考えた。

1 漫然と継続した事前協議
本件土地を随意契約で売却することは、与野まちづくり事務所が最善と考え、都市局長もこれを認めてその方針を決定し、資産経営課との事前協議を始めた。与野まちづくり事務所側からは、随意契約が最善と考える根拠について、売却価格についての鑑定も添えて繰り返し説明をしたが、資産経営課は市有地を随意契約で売却することはありえないという前提から出発して、事前協議は進展せず、話のかみ合わないまま時間が経過してしまった。
仮に、随意契約が認められないとしても、事業の進捗状況や経緯、都市局が随意契約を最善と考える理由を真摯に検討し、適正適法な財産管理、事業の推進、売却による効果等を踏まえて市の事業の推進という大局的な観点をもって、資産経営課の立場から助言をするべきであり、漫然と事前協議を長期化させるべきではなかった。
また、他方で、都市局においては、事前協議が進んでいないという状況が明確に認識されておらず、局として資産経営課と協議することも、あるいは次善の方策として競争入札等を含む他の処分方法を試みることについての検討もなされていなかった。
もし、事前協議の早い段階で、都市局ないし与野まちづくり事務所と資産経営課との間で、市の利益にかなう実質的な協議がなされ、必要であれば方針を変更するなどされていれば、相手方に対しても市としての対応を適切に説明して理解を得るなどして、本件のような違法な契約という事態に至ることはなかった。従って、漫然と長期化した事前協議が、現場である与野まちづくり事務所の勇み足ともいえる契約手続を助長したものであったと考える。

2 組織内の適切なマネジメントの欠如
与野まちづくり事務所においては、人員不足であったこともあり、周囲の職員もそれぞれの業務で忙しいうえ、当該元職員は所長から他の係の仕事も任されて多忙を極めていた。また、当該元職員が経験値もあるいわばベテランの職員であることから、周囲の職員は、本件において適切な手続が不足しているのではないかという懸念を抱きつつも、これを当該元職員や所長に指摘することも、所外に相談することもなかった。
確かに、本件土地について随意契約により売却することが最善であるという認識は職員間で共有されていたものの、率直に疑問を呈することも外部に相談することもなかったのは、忙しさからの無関心や立場による遠慮によるものであったと考えられる。もし、事務所内における各手続の過程で、他の職員が声をあげることができたならば、一旦立ち止まって対応を検討するなりして、最終的に不正な売却にまでは至らなかったものと考えられる。
また他の所内の職員も本件についての不安を所長に伝えることもなかったのは、そのような所長の無関心な姿勢から相談できるような関係性が築かれていなかったからと思われる。こうした当時の所長の態度は、職務違反にも値する不相当なものであり、この所長の不適切な対応が本件の最大の要因であったといっても過言ではない。
さらに前述のとおり、資産経営課との事前協議が長期化しているという事態について、都市局では把握されておらず、与野まちづくり事務所に対する助言や支援もなされなかった。

以上の事態は、都市局及び与野まちづくり事務所が、組織として適切にマネジメントされていなかったことを示しているといえる。現場の職員は疑問や不信を上司や適切な窓口に相談することが必要であるし、管理職は職員の勤務状況及び業務進行状況や課題を把握して必要な指導や助言をし、他の部署と連携をはかるべきであるところ、これらが実現されるような仕組みを組織として構築し、適切なマネジメントがなされることが必要である。これらが不十分であったことが、本件の発生を防ぐことができなかった要因であると考えた。

3 適切とはいえない人事
(ア)人員配置
現場の人員が不足しており、その結果、当該元職員を含めた与野まちづくり事務所の職員それぞれが業務過多になっていたことも本件発生の要因の一つであった。
(イ)適切な管理職の配置
本件においては、すでに認定したとおり、所長は本件土地の売却について必要な手続を欠いており、契約をすることは違法であることを認識していたにもかかわらず、当該元職員に契約を進めることを中止させず、結果、当該元職員が刑事処分を受けるような違法行為に及んでしまったのである。50年にもわたって継続している困難な事業を担う与野まちづくり事務所の所長についての市の人事にも問題があったことを指摘せざるを得ない。

6 再発防止策の検証

市は(1)組織体制、(2)財産管理、(3)公印の管理の各分野において、17項目の再発防止策を策定した。委員会として、それぞれの再発防止策に関して検証を行った。

【再発防止策の効果検証】
本件後に市において導入された17項目の再発防止策は、調査検討会議報告書の指摘を踏まえて市全体で取り組んだものであり、内容及び効果において評価できる。

7 第三者委員会からの提言

(1)再発防止策の継続的検討の必要性
「6 再発防止策の検証」で述べたとおり、市において導入された17項目の再発防止策は、市全体で取り組んだものであり、内容及び効果において評価できるものである。特に、公印の管理が適切に行われてさえいれば、最後の段階で当該元職員による有印公文書偽造・同行使を食い止めることが出来ていた可能性があり、今般公印の管理方法の見直しがなされたことは、市の行政事務の適正化に資するものである。また、本件では与野まちづくり事務所が抱えていた課題が都市局において十分把握されておらず、大局的な視点からの助言等がなされていなかったことや、事前協議において「随意契約に適さない。」という資産経営課の回答が漫然と繰り返されたことにより本件土地の処分が行き詰まり、相手方とのやりとりの現場にいる当該元職員らが本来の手続を飛び越えて相手方との契約の実現に踏み出してしまった要因となったことから、都市局内部の情報共有や資産経営課との事前協議のあり方の見直しは、まちづくり事業を含む市の事業の適法な実施に有益であると思われる。
その一方で、これらの再発防止策の実施が日々の業務の現場において過度な負担となっていないかとの懸念も抱いた。引き続き再発防止のための各種事務の必要性を検証し、現場職員の意見も聴きつつ、改善をはかっていくことが必要と考える。

(2)内部通報や相談窓口について周知徹底
さいたま市においては、法務・コンプライアンス課において内部通報を受け付ける仕組みがあり、適宜周知が図られている。しかし、いまだ内部通報制度について知らないと回答する職員も一部いるという現状を踏まえ、制度の意義及び仕組みだけでなく、匿名での通報も可能であることなど具体的な利用方法を含め、なお一層の周知が求められる。なお、調査検討会議報告書で提案されていた、市の外部における通報・相談窓口の設置については、引き続き検討をされたい。
市の職員のメンタルヘルスに対する市のサポート体制についても確認し、本事案を含め適切な対応がなされたことが確認された。この点も、上記と同様、周知のみならず、職員が必要な時に適切に利用することができる運用が大切である。

(3)事業の推進に適した人事配置及び人材の育成
まちづくりは、数多くのハードルがあり、地域住民との調整がときに難しく、担当する職員には高度なスキルが要求される一方で、その地域をどのように開発し、よりよい環境を整備していくのかというビジョンを持つことが必要な困難な事業である。こうした事業を推進していくためには、これに適した人材を育て、適切に配置をしていくことが重要である。本事案の発生については、与野まちづくり事務所における人員不足の影響も認められ、人員の配置についてもより現場の実情を踏まえる必要がある。
こうした特殊な事業に現場で携わり、能力を発揮していくには、ある程度長期にわたって一つの業務に関わることも必要であると思われ、職員の異動や配置においても人材育成の観点をもつことが必要である。また、市の内部での研修のみならず、まちづくりのような特殊な分野においては、他の自治体や専門家との交流や研修・研究などが有益であると思われ、そうしたスキルアップにも時間を割けるような環境を整えることも重要と考える。
さらに、専門家への諮問や外部へのアウトソーシングの活用などは、単に目の前の事業の推進に資するというだけでなく、前記のスキルアップや人材育成にも有益である。

8 おわりに

今回の事件において、当該元職員の行為はたしかに違法であったが、そのような事態に至ったのは、当該元職員一人の責任よりも、組織としての市、同僚としての他の職員と監督すべき責任者らのあり方や対応にこそ問題があったのではないかとの結論に至った。
本事案の発生原因は、当該元職員個人のみの問題ではなく、市の組織及び人事の問題でもあった事情を鑑みると、委員会は処分の妥当性を問うところではないが、当該元職員の処分に係る市の対応がいささか拙速に過ぎたのではないかと思われることも指摘したい。
委員会として、二度とこのような事態が生じないよう、今回の教訓をいかし、適切公正な行政の実施とともに、市職員一人一人が意欲をもって、能力を発揮しながら業務を行い、市民の信頼を得る行政が実現されることを期待する。

9 問い合わせ先

法務・コンプライアンス課
課長:佐伯
担当:米川、笹久保、後藤、須田
電話:048-829-1856
内線:2342

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