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更新日付:2020年4月1日 / ページ番号:C014617
初めは「子どもを育てたい」という自分中心の発想でした。しかし、子どもと触れ合うようになり、施設で生活している子の置かれている状況が分かると、「大人が保護してあげなければ。18歳で施設を出たらこの子たちには誰も守ってくれる人がいなくなってしまう。一人でもいいから自分の家族にしてあげたい」と思うようになりました。
しかし、施設で生活している子と交流を始めた頃は、子どもを育てられるかという不安が大きく、世間の目や偏見も気になって、悩んだこともありました。しかし、子どもは夫婦だけで育てるわけではないと考え、周囲の支えもあって乗り切ることができました。
「大人の気持ちを押し付けず、子どものペースを感じること」を念頭に置き、子どもが安心して帰ることができる家庭を築きたい。無理に親になろうとせず、一緒に過ごせば自然に家族になれるのではと思います。
里親に興味を持った方は、なってみようかなと思うだけではなく、少し勇気を出して、行動に移してほしいと思います。
(2010年市報8月号より)
里親家庭で生活し始めた頃は、皆には実親がいて、温かい家庭もあるので、嫌だなと思っていたが、今は本当の親よりも大切にしてくれているのかなと感じている。
多くの子どもは、本当の親でなくても、親や家族が欲しいものだと思う。施設での暮らしは、一時的には楽しく、施設の先生も優しく親切にしてくれるが、長くなると辛くなってくる。里親ともめる事はもちろんあったが、里親は自分のことを親身になって考えてくれるから、ありがたかった。家庭には施設にはない“ぬくもり”がある。施設にいるより家庭にいる方が断然いい。
また、実親と里親の二つの名字があるのが嫌だったが、中学時代に親友から名前のことなんか気にするなと言われ、その後意識することはなくなった。
自分を育ててくれなかった親にはいろいろと事情があったのだと思う。今はそう思える。
(2010年市報8月号より)
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