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更新日付:2024年2月16日 / ページ番号:C014023
日本脳炎ウイルスの感染によって急性脳炎や脳せき髄炎などをおこす病気です。
蚊が媒介(ばいかい)して、ヒトに感染します。
国内では、日本脳炎ウイルスに感染したブタの血を吸ったコガタアカイエカという蚊が、ヒトを刺すことにより感染します。感染したヒトの血を吸った蚊が、他のヒトを刺すことにより感染が広がることはありません。
厚生労働省では、毎年、全国のブタの日本脳炎抗体検査を行い、日本脳炎に感染しているブタがどれ位いるか調査しています。その結果、九州、中国、四国地方ではブタの感染率が高く、関東地方でも、感染しているブタが見つかっています(埼玉県内で見つかることもあります)。このため、現在でも、国内で日本脳炎ウイルスに感染する可能性があります。なお、ブタは感染しても症状が出ません。
国内では1966年に年間2,000人を超える報告がありましたが、その後、ワクチン接種により患者は激減し、2008年以降は西日本を中心に全国で年間に2~9人の報告となっています。また、東アジア、南アジア、東南アジアなどの地域でも患者の発生がみられ、世界では年間3万5000~5万人の患者が報告されています。海外では、コガタアカイエカ以外の蚊も感染源になります。
感染しても、ほとんどのヒトは無症状です。脳炎など重症になるのは100~1,000人に1人位です。
感染から発病までの潜伏期間は、6~16日間です。症状は、高熱、頭痛、嘔吐(おうと)、めまいなどから始まり、意識障害、けいれんなどを起こします。
日本脳炎ウイルスそのものに有効な薬は無く、脳炎症状を起こしたときは、すでに脳細胞が傷ついていて生命にかかわることがあります。また、回復しても神経の後遺症が残ることも多く、脳炎を起こした後に完全に回復するのは3人に1人位となるため、予防が重要です。
コガタアカイエカは茶色の小型の蚊(成虫の体長は4.5ミリメートル)で、吻(ふん)と呼ばれる針の真ん中が、白色をしているのが特徴です(右写真)。
水田などで発生し、全国に生息しています。コガタアカイエカは日没後に活発になり、吸血します。
予防のため蚊が出る季節には、蚊が家に入らないよう、網戸や虫除けを使ったり、夜間に外出する際は、肌の露出・サンダル履きは避け、虫除けスプレーを使用するなどの対策をとりましょう。また、他の種類の蚊を増やさないためにも、植木鉢の水受け皿や古タイヤの水など、ちょっとした溜り水を作らないようにしましょう。なお、コガタアカイエカに刺されても、その蚊が日本脳炎ウイルスに感染したブタを吸血していなければ感染しません。
日本脳炎ワクチンが最も有効な予防対策ですが、平成17年5月30日以降の一時期に接種の積極的な勧奨の差し控えが行われていました。しかし、新しい日本脳炎ワクチン(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン)の安全性や供給状況により、積極的に勧めることとなり、平成22年4月1日から接種が再開されました。ワクチンの対象年齢など詳細は、関連情報「お子さんの予防接種のご案内」をご覧ください。
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