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更新日付:2025年10月14日 / ページ番号:C125117
(仮称)次世代型スポーツ施設整備事業の見直し等に関する要望書
令和7年9月9日
2025年(令和7) 6月13日、さいたま市は、(仮称)次世代型スポーツ施設整備事業(以降、本事業)の入札手続き中止を全文次のように発表しました。
令和7年1月6日に公告しました(仮称)次世代型スポーツ施設整備事業について、入札参加者から入札辞退届が出されたため、入札手続きを中止します。不調の原因究明を進め、今後の対応について検討してまいります。翌日埼玉新聞は、「参画意向のあった事業者から、建設資材や人件費の高騰で、事業者側の積算と市の提示した事業費131億円とに乖離があり、入札手続きが中止(不調)となった」と報道しました。この新聞報道と主に次の3つの文書を読み直すと、なぜ、事業者が今回の入札手続きを辞退したのか、その主な理由が浮かび上がってきます。
1. 本事業実施方針・要求水準書(案)の事業者説明後、154項目におよぶ事業者からの質問等及び市の回答(1回目R6年4月26日、2回目8月30日、3回目11月18日)(以降、「質問と回答」)
2. 要求水準書(案)に関して市と19社の事業者との個別対話(R6年4月17日~4月26日)(以降、「個別対話」)後の「個別対話」の結果概要(R6年6月28日)
3. 大半黒塗りの膨大な「個別対話」の議事録(R6年秋、開示請求により市から入手)
入札手続き辞退の理由として、次の4点が考えられます。
1. 52億円から2. 5倍化した上限の131億円の事業費でも建設費としては不足(建設資材・人件費の高騰)。
2. 維持管理・運営面で、とうてい黒字が見込めない(5000人規模では収益を回収できない等々)。
3. 軟弱地盤による工事中におけるリスクが想定(地盤沈下、騒音振動対策、杭等のコストの懸念等々)。
4. 地元住民の反対運動の3年継続と、新聞・テレビ等のマスコミ報道。(施設設備スタートまでに住民の反対運動が落ち着くようにしてほしい等々)
さいたま市は事業者に、PFI方式を使い、5000人アリーナで建設でも運営でも収益をあげられるからと計画を立ち上げました。しかし、応募事業者が精査したところ、予算は足らず、運営・維持管理でも黒字は見込めない、住民の反対運動は強い、リスクは大きいことが判明。しかも軟弱地盤に巨大なアリーナを建てて大丈夫か等々、疑問・懸念は尽きなかったと思われます。
事業者として、儲かるだけで仕事を請け負うとは思えません。仕事を引き受けるからには、地元住民からも喜ばれ、建築物完成が待ち望まれ、期待されることが欠かせない条件の一つでしょう。社会的信用を第一と考える事業者にとって、反対運動の盛んなところの事業を請け負って、評判を落とし、自社の社会的信用が低下したら、それこそ大変です。本事業は、事業者にとって、決して誇れる仕事、いい仕事ではありません。入札公募に何社応募したか分かりませんが、結果は入札手続き辞退なわけですから、事業者は、154項目の「質問と回答」での市の回答や「個別対話」での市の見解に納得したとは思えません。以上の点を踏まえると、市は、本事業の再検討ないしは見直しを迫られていることになるでしよう。入札公募に応じた企業ですら、入札手続き辞退。これが決定的で、本事業の見直しは避けられません。市にとって思わぬ入札手続き中止は、地域の経済効果や企業利益誘導ばかりに目を奪われ、5000人興行用アリーナに固執するあまり、約束された「緑と水辺の豊かで、居心地のよい空間」創出が絵空事になり、本来事業の中心である与野中央公園の整備事業自体が大幅に遅れるという深刻な事態を招いてしまいました。気候変動による今夏の異常高温対策の上からも、市内で緑の一番少ないここ中央区においては、緑を増やすことは急務です。緑は涼しさを提供してくれます。それだけに、与野中央公園の自然豊力ゝな整備として、涼しさをもたらす緑と水辺豊かな緑地整備は、とりわけ大切で、急いで取りくむべきでしよう。こうした状況等を踏まえ、市におかれましては、本事業の見直し等をされ、自然環境の整った住み続けたい街中央区のまちづくりの一環として、緑と水辺の豊かな与野中央公園の整備を、地域住民・区民とぜひ協働して進めていただきたいと思います。なお、下記要望事項に関して、9月末日までに文書回答をお願いいたします。
要望事項
1. 市は、入札手続き中止の原因究明と今後の対応策を早急に公表してください。
2. 市は、入札手続き中止に関し、早急に原因や今後の対応策を地元住民に説明してください。
3. (仮称)次世代型スポーツ施設整備事業に関して、その再検討や見直しが事業者からも求められている状況のもとで、上限額131億円超過を伴う再度の入札公募は、実施しないでください。
4. (仮称)次世代型スポーツ施設整備事業(以降、本事業)計画を抜本的に見直してください。本事業の見直しに当たっては、地域住民参加型で、5000人興行用アリーナ発案以前に計画された緑と水辺の豊かな与野中央公園整備として、緑を増やし、水辺を設け、猛暑対策を取り入れた公園にしてください。また、与野中央公園と合わせて、鴻沼川・高沼用水路東西縁一帯にも緑を大幅に増やし、貴重な生物の生息条件を整え、とりわけカワセミの生息、ホタルの復活など、魅力があふれ、自然豊かでゆったりとした空間を創出してください。
5. 築58年で老朽化の著しい与野体育館の代替え施設設置は、市の方針でもあります。従いまして、より利用しやすい体育館に向けて、利用者や地域住民の参加型で、英知を集め、設置場所・設置仕様・概略図面・設置期日等、全体計画を早急に作成し、できるだけ早く着工してください。
7. 9月定例市議会終了後、本事業計画も含め、与野中央公園整備事業に関して市長出席のもと、地元住民の要望等を聞くなど、話し合いの場をぜひ設けてください。
以上、よろしくお願いします。
要望事項1、2、3、5、7について回答いたします。
現在、事業者からのヒアリング内容を精査しているところですが、今後もヒアリングを行いながら、施設の規模等も含め、整備に向けて様々な観点から検討を進め、対応方法を決めてまいりたいと考えております。その上で、状況に応じた周知等の方法を検討してまいります。
要望事項4について回答いたします。
(仮称)次世代型スポーツ施設の整備につきましては、「さいたま市総合振興計画」、「与野本町駅周辺地区まちづくりマスタープラン」において位置付けられており、「みどりと水辺が豊かな居心地の良い空間を創造するとともに、スポーツ・レクリエーション機能の維持・充実を図るため、広場及び複合スポーツ施設等を配置し、地区内外から多くの人が訪れ交流できる場となる公園」を踏まえて、市民の皆様に「みる」スポーツや「する」スポーツの拠点として、多様な世代の方々にスポーツに親しんでいただくとともに、地域経済の活性化や地域の交流を生み出す“次世代の交流拠点”として役割を果たすことを目指すものです。
このたび、入札不調となったことを受け、整備に向けて様々な観点から検討を進め、対応方法を決めてまいりたいと考えております。
また、その検討結果を踏まえた上での与野中央公園におけるスポーツ施設の整備に当たっては、当該施設を公園施設の一つとして整備することを踏まえ、与野中央公園が大切にするコンセプトや公園内の緑地との調和を図ってまいります
スポーツ文化局/スポーツ部/スポーツ政策室
電話番号:048-829-1737 ファックス:048-829-1996
スポーツ文化局/スポーツ部/スポーツ政策室
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