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更新日付:2025年3月31日 / ページ番号:C119910
(仮称)次世代型スポーツ施設整備事業における住民の生活環境保全及び現与野体育館と同等以上のサブアリーナに関する要望書
令和 7年 2月 3日
日頃より、市民の生活環境保全や市民のスポーツ活動の発展等に尽力されていることに敬意を表します。
さて、(仮称)次世代型スポーツ施設整備事業(以降、本事業)は、本年1月「入札公告」に始まって、6月「入札及び提案者の受付・開札」、8月「落札者の決定・落札者との基本協定の締結」、10月「事業者との仮契約の締結」を経て、12月には「事業契約に係る議会議決(事業契約の締結)」というスケジュールで事業者選定の作業が進められようとしていますが、「今、なぜ、この与野中央公園に5000人アリーナなのか」といった地元住民の根本的な問いへのさいたま市の明快な回答は未だありません。しかも大きな問題をいくつも抱えています。
大きな問題点の一つは、自然環境の保全再生により、自然の宝庫となりうるエリアの中心である与野中央公園に巨大な新アリーナ建設に起因する問題です。具体的には、軟弱地盤という立地条件の悪い所で大規模な本事業の工事を3年余も続けるため、最優先されるべき周辺住民の日常生活における生活環境の阻害が想定され、自然環境の保全再生という喫緊の課題がなおざりにされることです。
一昨年の11月与野中央公園の付替え道路工事中に近隣家屋のブロック塀の亀裂、エアコンの室外機の傾き等の住宅被害や23年前の2002年、県の鴻沼川改修工事こよる地盤沈下で、800様で、建物や塀力巧頃いたりなど、大規模な住宅被害が発生したという記憶に新しい前例があるので、周辺住民の不安は募るばかりです。
中央区は、緑の現況がすこぶる悪く、緑被率が市内で最も低いため、潤いのある生活環境の形成として魅力ある緑化の促進が急がれます。とリわけ、緑と水辺の豊かな与野中央公園の整備は、中央区の緑化促進を牽引し、公園周辺一帯を自然の宝庫とするうえで大いに期待されています。
二つ目の問題点は、サブアリーナが与野体育館の代替施設(市民利用中心の公共施設)というより、実態はメインアリーナの付属的施設として扱われるため、半ば興行用施設に変容することです。
本事業の要求水準書によると、メインアリーナでのスポーツ大会・コンサート等のイベント時、サブアリーナは練習場等として使用されるため、与野体育館の代替施設というより、メインアリーナの付属的な施設の面が強くなっています。又、優先予約もあり、サブアリーナは、現与野体育館より予約が取りづらく、利用日数もかなり減るのではといった新たな疑問や懸念等が多々生じています。これら新たな疑問や懸念等を知らされた現与野体育館利用者からも「それは困る。」「サークル活動ができなくなる」「どこで屋内スポーツやるの?」との声が上がっています。
さいたま市は、「すべての市民等がいつでも、どこでも、いつまでも、スポーツにかかわることができる機会を増やすとともに云々」(スポーツ施設の整備方針令和4年3月)といった市民のするスポーツの振興を標榜しています。
しかし、同整備方針の指摘の通り、市立体育館の不足により、市立体育館の平均稼働率は平日で85.4%. 土日・祝日は97%と非常に高く、抽選倍率は5倍となっています。また、競技場面積は狭く、20政令指定都市の中で14位など、利用しづらい状況が続いています。公共の体育施設の拡充・増設が早急に求められています。
老朽化している与野体育館については、建替え再整備・拡充が喫緊の課題となっており、閉館後、移転先での新規の与野体育館(サブアリーナ)の全容や予測される利用状況等に関心が高まっています。
こうした状況の下、サブアリーナ建設に関しては、するスポーツの拠点として現与野体育館の施設及び付帯施設・設備の水準以上のものが求められています。
さらに、サブアリーナは、メインアリーナのイベントに左右されず、現与野体育館を継承する市民利用中心の公共の体育施設として、構造上も独立性を保てるように設置されることが強く求められています。
問題点の三つめは、自然環境保全再生、近隣住民の生活環境保全、サブアリーナの在り方等々、本事業への行方に大変関心が高まっているだけに、本事業の事業者選定において、透明性をいかに高めるかという問題です。
どんな施設整備計画(設計図など)や運営計画・資金計画等が提案され、評価され、決定されるのかは、本事業の最大の節目の一つと言えるでしょう。市は、常に「地元住民に広く理解を求める」ことを標榜しているわけですから、有言実行の最善策として、落札者の決定過程を市民に一般公開することが求められます。
以上、三つの大きな問題点を踏まえ、下記の点について要望いたします。
なお、2月末までに文書回答提示の上、懇談会の形で、市の見解をお聞かせください。
要望事項
1.近隣住民の日常生活の環境保全を最優先し、(仮称)次世代型スポーツ施設整備工事及び関連工事に関して、次の点を確実に実施することを求めます。
(1) 工事開始前に、市と事業者は共同で地元住民への事前説明会を開き、事業の全容・日程等の説明と想定される騒音・振動・地盤沈下・住宅被害等への具体策の提示。
万が一、住宅被害が発生した場合、原因究明と責任の所在(市、事業者、市と事業者)を明確にし、損害補償等など、迅速な解決策の提示。
(2) 工事中、小・中学生の安全な登下校や通行人の安全等に十分配慮し、騒音・振動など、極力起きないようにするとともに、大型車両の運行の速度や時間帯など安全面での具体策の提示。
(3) 原則として、土曜日・日曜日・祝祭日、12月29日~1月3日、8月のお盆の時期は、工事をしないこと。また、工事時間は午前9時から午後5時までにすること。
(4) 市と事業者は苦情等の相談窓口を開設し、工事に関する住民の苦情等への迅速な対応。
(5) 工事開始後、適宜、工事の進涉状況を地元住民に文書で知らせることを求めます。
(6) 外部からも見えるように騒音・振動測定器を工事現場に複数の設置及び測定値の記録保存と必要に応じて開示。
2.市民の日常的なスポーツ活動の向上発展をめざし、サブアリーナは、現与野体育館を継承しつつ、それと同等以上の水準の体育施設とする。そのために、次の点を求めます。
(1) 市民利用中心の多目的体育施設とじて位置づけ、建築に当たっては、独立性を保つ構造。
(2) 与野体育館概要をもとに、競技場などの施設・付帯設備等々の再整備・拡充。
(3) 一般市民やサークルが利用できる日数は、現与野体育館の利用日数以上を確保。そのため、優先予約による市民利用日数削減は行わない。
(4) 利用料金は、現与野体育館利用料金なみ。
(5) メインアリーナのイベント時におけるサブアリーナの一体的使用は原則行わない。
(6) 与野体育館の「建替再整備」との基本方針に基づき、計画の全容及びサブアリーナとの関係について、与野体育館利用者や利用希望者等への説明会を与野体育館において早期に実施。
3. 落札者決定過程を市民に一般公開することを求めます。
4.市長は、先の12月定例議会における「議案第162号に対する附帯決議」を尊重され、本事業に関し、地元住民と対話してください。具体的には次の点をお願いします。
1.本事業の概要と事業費に関してお話しください。
2.住民の本事業に対する懸念や要望等を聞いたうえで、市長の見解をお聞かせください。
以上
要望事項1について回答いたします。
(1)
要求水準書において、「周辺住民に対する建設工事関係の事前説明については、事業者が実施すること。市は、これに協力する」こととしており、周辺住民の方に対し事業者と市で協力して事前説明をしてまいります。 また「工事に起因する破損等が認められた場合は市に報告の上、現況復旧に努める等適切に対応すること」等を求めています。報告や対応が不十分である場合は、事業者に是正勧告や契約の解除を行ってまいります。
(2)、(6)
要求水準書において、「工事に伴う影響を最小限に抑えるための工夫(特に車両の交通障害・騒音・振動対策)を行うこと」や「工事内容について、近隣へ周知徹底し、理解を得るように努めること」等を求めています。
(3)
要求水準書において、「原則として日曜日及び12月29日から1月3日までの年末年始期間中は行わないこと」や、「騒音、振動、悪臭、公害、粉塵発生、交通渋滞その他、建設工事が近隣の生活環境に与える影響を勘案し、合理的に要求される範囲の近隣対応を実施すること」等を求めております。
(4)、(5)
要求水準書において、「工事内容について、近隣へ周知徹底し、理解を得るよう努めること」や「万一発生した苦情については、事業者を窓口として工程に支障を来さないように対応すること」等を求めています。
要望事項2について回答いたします。
(1)(2)
サブアリーナは与野体育館の機能を継承し、市民の方が「するスポーツ」の拠点としてご利用いただく市民利用中心の施設と位置付け、現在の与野体育館においても人気の高い教室等をはじめとした多彩なプログラムを提供できる機能及び、観客席を設けるなどの機能の拡充を図ってまいります。その他、施設全体として2次避難所としての機能も備えていきます。
(3)(5)
サブアリーナについては、与野体育館の利用形態を踏襲することを求めており、メインアリーナとサブアリーナを興行目的で一体利用する場合は、その分、メインアリーナで市民の一般利用枠を確保することとしています。ただし、一体利用等が過度にならないよう利用調整会議で調整してまいります。また、メインアリーナは、市民の大規模スポーツ大会等興行以外でも市民にご利用いただくことを想定しています。
(4)
サブアリーナの利用料金については適正な利用者負担の範囲において事業者が提案し、市が承諾することとしています。市民の方が利用しやすいように設定してまいります。
(6)
与野体育館の利用者を含む市民の方へ説明しながら進めてまいります。
要望事項3について回答いたします。
事業者との個別対話の結果や、落札者の公表等を適切に行ってまいります。
要望事項4について回答いたします。
中央区役所におけるオープンハウス形式の説明会などに市長が出席するなど説明に努めております。今後も丁寧な説明に努めてまいりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
スポーツ文化局 スポーツ部 スポーツ政策室
電話番号:048-829-1737 ファックス:048-829-1996
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