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更新日付:2023年11月1日 / ページ番号:C100095
与野中央公園における大型アリーナ建設中止の市長決断を求める要請書
令和5年10月4日
私どもが6月23日付けで提出した「与野中央公園におけるアリーナ建設見直しを求める要望書」への回答書を、さいたま市スポーツ文化局スポーツ部より7月10日付けでいただきましたが、その主要内容は、「市民の皆様から寄せられたパブリック・コメント等でのご意見を踏まえ、施設のコンセプトや役割を果たしつつ、可能な限りコンパクトな施設整備を目指すことや、公園内の緑地等との調和を目指すことを基本計画に明記しました」とあり、私どもが要望した大型アリーナ建設の中止とはかけ離れたものです。
1.大型アリーナ建設は、与野中央公園整備計画の全面変更に等しい
与野中央公園は、旧与野市時代に緑と水辺が豊かな憩える総合公園として、1993年に基本計画が策定され、事業が開始された経過があり、2001年5月に発足したさいたま市に公園の基本計画を含めて事業が引き継がれています。
しかし、2022年5月11日に発表された、さいたま市の次世代型スポーツ施設の建設計画は、与野中央公園の緑地の主要部分をつぶして、イベント業者しか使えない5000人収容のメインアリーナと与野体育館の代替え施設としてのサブアリーナをつくるというもので、与野中央公園の水辺とみどりが豊かな憩える公園という基本計画を根底からくつがえす、公園整備計画の全面変更に等しいものです。
また、このアリーナ建設計画は、旧与野市時代から、みどりと水辺豊かな憩える公園ができることを楽しみにしてきた市民の願いを押しつぶし、みどりと水辺豊かな公園実現のために土地を提供された元地権者のみなさんの思いを裏切るものにほかなりません。公園の周辺住民や元地権者を中心に、署名活動、集会開催など大型アリーナ建設反対の運動が広がっています。
現在、中央区には、大きな公園は与野公園しかなく、中央区の人口10万3000人に対しては、決して十分な広さではではありません。緑地豊かな与野中央公園の実現は、旧与野市時代から続く長年の中央区民の願いです。
スポーツ文化局の回答では、「公園内の緑地等との調和を目指す」とありますが、これは、大型アリーナ建設を前提にした回答であり、大型アリーナ優先、緑地はその付属物という考え方がにじみ出ており、与野中央公園の元々の基本計画を180度変えるものだという認識がありません。清水さいたま市長は、市民の願い、反対の声を無視して、与野中央公園の本来の整備計画を180度変える大型アリーナ建設計画について、どのようにお考えでしょうか.
2、航空地図上でさいたま市の計画を確認するとアリーナと緑地の両立には無理がある
与野中央公園に計画されている大型アリーナは、5000人収容を多少コンパクト化するとしても、高さが18~20m、敷地面積は9000平方メートル程度になると想定されます。建物のおよそのイメージが示されていませんが、建物のおよその規模は、80m~90mx90m~100m、高さが18~20mになるものと考えられます。いずれにしても、巨大な建物になることは間違いありません。
話を分かりやすくするために、次のページに与野中央公園の航空地図を掲載しました。そのなかにメインアリーナを赤色枠で、サブアリーナを黄色枠で記載してみました。コンパクト化するということばを受けて、赤枠は、およそ90m✕90mの大きさにしました。
この図を見て分かるように、与野中央公園の仮に「くさはら広場」と呼ばれる区画の主要部分が失われ、くさはら広場は大型アリーナの付属庭園の形にならざるを得ません。スポーツ文化局は、公園内の緑地等との調和を目指すと回答しておりますが、地図上で確認すると、公園緑地にこれだけ巨大な施設を建設すれば、アリーナ優先の公園となることは、一目際然です。
この事実を清水さいたま市長は、どのように考えますか。
与野中央公園の航空写真
メインアリーナとサブアリーナの位置は、確定した場所が示されていないので、2022年12にスポーツ政策室から発表された基本計画(案)を参考に仮に作図しました。アリーナの位置はとしては、メインアリーナを鴻沼川に寄せ、サブアリーナをその北側に持って行くなどの案も考えられるでしょうが、緑地の相当部分が失われることには違いがありません。
3、周辺住民の日照被害、騒音被害について
航空地図を見て、分かるように、与野中央公園の西側(地図の左側)に公園と埼京線の高架に挟まれる形で細長い住宅地があります。もし、赤枠の位置にメインアリーナが建てば、この住宅地はメインアリーナと高架との谷間になり、午前中の日照が遮られるなど居住環境が大きく損なわれます。また、アリーナの防音対策を十分に行ったとしても、場外の案内放送や混雑の騒音被害も避けられません。居住する家屋・土地の資産価値も大きく失われることも間違いありません。さいたま市の行政の汚点としないために、アリーナ建設計画の中止を求めます。
さいたま市の公共施設をつくるにあたって、近隣の住民に犠牲を強いるようなことがあってよいのでしょうか。多少の犠牲はやむを得ないとお考えなのでしょうか。清水さいたま市長の見解を求めます。
4.与野体育館は移設するより、区役所周辺の複合施設に組みこんだ方が安上がりでは?
与野体育館の移設については、埼玉県の当初の計画が調節池を地下化するということに付随して、体育館の移設が決まった経過があったと思いますが、調節池地下化の計画がなくなったいま、わざわざ、与野中央公園に体育館を移設する積極的な理由は消滅したのではないでしょうか。体育館の移設がなければ、その分だけ、緑地として使える面積が増えることになります。
現在、中央区役所周辺は、公共施設の再編、再開発が間もなく始まろうとしています。消防署も移転して、区役所周辺は十分な広さの市有地があり、さいたま市の公共施設マネジメントに従って、体育館も含めた機合施設として再開発した方が経費的にも安上がりになると思われますが、清水さいたま市長は、どう考えますか。
5. 与野中央公園のアリーナ建設は、PFI事業を成功させることを優先していませんか
さいたま市が無理を承知に大型のアリーナ建設を推進する理由を考えると、PFI事業を成功させることを優先した結果ではありませんか。大型アリーナ建設は、BTO方式で公園の整備とアリーナ建設を進めるとされていますが、BTO方式は、建物完成後に事業者から、さいたま市が建物を買い取るわけですから、建設当初は確かに、税金の支出が抑えられても、最終的には、建設費はさいたま市が出すことになり、経費の総額は変わりません。むしろ、複雑な手続きを経て、支払いが行われるので、事務手数料や利息相当分の支払いなど、むしろ、支払額が増える懸念があります。さいたま市は何から何まで、PFI事業で公共施設の整備を行おうとしていますが、他市の例を見ても、PFI事業の成功例は余りありません。
与野中央公園のメインアリーナの経営では、毎年、赤字になるという市の試算もあります。黒字化に向けての市の説明も誰もが納得できる内容は示されておりません。黒字化のめどが立たず、民間事業者が撤退したら、メインアリーナの維持は、税金でまかなうことになり、さいたま市の負の遺産となる危険性があります。
清水さいたま市長は、さいたま市のPFI事業推進の考えを修正する考えはありませんか。
以上をふまえて、清水さいたま市長に以下の通り、要請します。
【要請事項】
清水さいたま市長は、下記の要請項目に対してどのように考えられるのか、文書にて10月15日までにご回答ください。担当部局の回答ではなく、市長自身の考えをお示しください。
1、市民の願い、反対の声を無視して、与野中央公園の本来の整備計画を180度変える大型アリーナ建設計画について、どのように考えますか。
2、航空地図を見ると、アリーナと与野中央公園緑地との両立には無理があることは一目際然です。この事実をどのように考えますか。
3、アリーナ建設による、周辺住民の日照彼害、騒音被害について、どのように考えますか、
4、与野体育館の移設より、区役所周辺の再開発で、複合施設に体育館を組み込んだ方が安上がりになると思われますが、この点をどのように考えますか。
5、近い将来、負の遺産を産み出す結果になりかねないPFI事業の推進の見直しを行う考えはありませんか。
6、与野中央公園のアリーナ建設について、中止の決定を出せるのは、清水さいたま市長しかおりません。このまま計画を強行すれば、行政上の汚点にもなりかねません。与野中央公園のアリーナ建設を中止する考えはありませんか。明確な回答を求めます。
7、この要請内容についての市長との懇談の場を10月31日までに設けてください。
以上要請します。
このたびは、与野中央公園における大型アリーナ建設中止の市長決断を求める要請書により、貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございました。
令和5年10月4日付け文書でいただきました「要請事項」に対する回答つきましては、令和5年9月22日付けススス政第1184号「与野中央公園における大型アリーナ建設中止の市長決断を求める要請書について(回答)」にてお答えしたとおりです。お手数ですが、前回の回答内容を御高覧いただき、御理解賜りますようお願いします。
スポーツ文化局/スポーツ部/スポーツ政策室
電話番号:048-829-1737 ファックス:048-829-1996
都市局みどり公園推進部/都市公園課
電話番号:048-829-1420 ファックス:048-829-7979
スポーツ文化局/スポーツ部/スポーツ政策室
電話番号:048-829-1737 ファックス:048-829-1996