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更新日付:2024年2月21日 / ページ番号:C078449
鈴谷の妙行寺金毘羅堂前には「カヤの木金毘羅」とも呼ばれて信仰の対象になっている一本の巨大なカヤの木があります。
カヤはイチイ科の常緑針葉樹で、日本では東北地方以南で見られ、4月中旬に花が咲き、秋に楕円形の実をつけます。
その木目と色艶、弾力性などから将棋盤にはカヤが最も適しているとされています。
(与野の大カヤ)
この与野の大カヤは、昭和7年7月に「名古屋城の榧」などとともに国の天然記念物に指定されたもので、指定を前にした文部省の調査では、根元の周囲は約10.6m、地上1.5mでの幹回りは約7.1m、樹高は約22mとし、「本樹は榧の巨樹として有数のものなり」と評価されています。
指定時の官報告示(官報告示はこちら)を見ると、この時は榧が多く指定されており、他には「高倉神社の無渋榧」(三重県)、「果号寺の無渋榧」(三重県)が一緒でした。この時は、榧の巨木が特に選ばれて指定されたのかもしれません。
(与野の大カヤと同時に指定された「名古屋城の榧」)
※写真提供 名古屋城総合事務所
樹齢は明確ではありませんが、一説では平安時代の長元年間(11世紀前半)に植えられたものと伝えていることから、もしそうであれば、1000年もの永い間与野の人々を見守ってきたカヤということになります。
埼玉県では、令和2年に以下の「指定木リスト」に記載されている樹木(国・県・市町村に天然記念物として指定されている樹木。指定木リストはこちら)を対象としたSNSによる県民が選ぶ埼玉の巨木百選を実施していますが、「与野の大カヤ」は西の関脇に位置しています(番付はこちら)。
長い年月の風雪に耐えたであろう太い幹と四方に張った枝ぶりからは、与野の歴史を見守ってきた重厚さが伝わりますが、同時にかつてはこのカヤの木の周辺で、「ダルマ市」が開かれるなど、人々の集いの目印になる巨木でした。
(かつて大カヤ近くで開催されていた「だるま市」の様子)
なお、近くの妙行寺境内には、江戸に生まれ与野で作句をした俳人鈴木荘丹の句碑「蓬莱や 心に花の よし埜榧(ほうらいや こころにはなの よしのかや)」があります。
(大カヤを詠んだ鈴木荘丹句碑)
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