ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎は1年を通じて発生しますが、特に、冬場に多い傾向があります。
また、保育所(園)、学校、福祉施設などで発生した場合は、集団発生につながることがあるので注意が必要です。
ノロウイルスについて
- 食品中では増殖せず、人の腸管内でのみ増殖します。
- ウイルスに感染した人の糞便や嘔吐物が、手指や食品などに付いて、人の口から入り感染します。
- ウイルスが少量でも(10~100個程度)、人に感染することがあります。
- 個人差があり、感染した人に必ず症状が出るわけではありません。しかし、症状のない感染者でもウイルスは排泄しますので、他の人に感染が広がることは、あり得ます。
症状について
- 感染して1日から2日後に、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・発熱などの症状が出ます。
- 一般的に症状は軽いことが多く、ほとんどの場合2~3日で回復します。
- 高齢者や幼児などの抵抗力の弱い方は、重症になることもあります。
- 初期症状は、風邪と間違えやすいので注意が必要です。
- 感染者の便には、回復後2~3週間ほど、ウイルスが排泄されます。
(この期間は、症状の有無にかかわらず、二次感染に注意が必要です。)
- ノロウイルス感染症については、こちらも参照してください。
感染経路について
感染経路としては、以下の場合が考えられます。
- パターン1:ウイルスに汚染されたカキ、シジミなどの二枚貝を加熱不十分のまま食べて感染。
- パターン2:感染者の嘔吐物や糞便の消毒が不十分なことによる感染。
- パターン3:感染者が、調理の際に食品を汚染し、その食品を食べた人が感染。
予防するための注意事項
ノロウイルスは、食品を十分に加熱すれば死滅します。
また、手指や調理器具を介して食品がウイルスに汚染されることがあるので、手洗いの励行や調理器具の洗浄消毒が重要です。
患者の便や嘔吐物の不適切な処理などにより、人から人へ感染が広がることもあります。感染者のいる家庭や共同生活をしている施設などでは、注意が必要です。
1.手指や調理器具は、十分に洗浄消毒しましょう。
- トイレの後は、十分に手を洗います。
- まな板、包丁などを利用したときの洗浄消毒方法に注意します。(包丁の柄の部分にも注意)
- 生で食べる食品(野菜・果実など)は、二枚貝などに触れないよう注意します。(ハネ水にも注意)
2.体調を崩している調理者、又は家族が体調を崩している調理者は、調理しないようにしましょう。
- やむを得ず調理に従事する場合には、マスクや使い捨て手袋を使用します。
- 食品取扱者は、感染経路や消毒方法をよく理解し、日頃からノロウイルスに感染しないような自覚を持つことが重要です。
3.食品は、中心部まで加熱しましょう。
- 中心部までよく加熱します。(中心温度85~90度で90秒以上)
- 生で食べる食品(野菜・果実など)は、十分に洗います。
4.患者の便や嘔吐物の処理には十分に注意しましょう。
- 患者の便や嘔吐物は素手では処理せず、使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着用し、ペーパータオルなどを用いて処理します。使用したペーパータオルなどは、0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムとともに、ビニール袋に入れて廃棄します。床も0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、同様に処理、廃棄します。(関連ダウンロードファイル「ウイルス消毒液の作り方」、「嘔吐物の処理」もご覧ください。)
- オムツ交換後及び便や嘔吐物処理後は、必ず、洗浄剤を用いて手洗いをします。
5.下痢をしている人は、シャワーのみにするか、1番最後に入浴するようにしましょう。
- タオルの共用は避け、風呂のお湯は毎日交換します。
- お年寄りや乳幼児は、患者との混浴を控えさせます。
嘔吐物の処理方法・正しい手洗い(動画)
(2分ちょっとで分かる!ノロウイルス感染拡大を防ぐ!嘔吐物の処理方法)
参考資料
手洗いでノロウイルス予防(PDF形式 516キロバイト)
関連ダウンロードファイル
関連リンク