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更新日付:2025年2月25日 / ページ番号:C112838

結核の基礎知識

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3月24日は、「世界結核デー」です。

世界保健機関(WHO)では、細菌学者ロベルト・コッホが1882年に結核菌の発見を発表した日にちなみ、1997年から、毎年3月24日を「世界結核デー」としています。
世界結核デーには、世界各地で結核の予防に関する啓発活動が行われます。
 

シールぼうやとシールちゃん
結核と闘う シールぼうやとシールちゃん

結核は過去の病気ではありません。

結核は、今でも年間1万人以上の新しい患者が発生している日本の主要な感染症です。(※2023年新登録患者数:10,096人)
さいたま市保健所管内でも、令和4年に96人、令和5年に113人の方が新たに結核と診断されました。

さいたま市の結核新規登録患者数結核の早期発見のため、定期的に健康診断を受けましょう。
健康診断で異常を指摘された場合は、必ず精密検査を受けましょう。
せき、たん、微熱や倦怠感(身体のだるさ)が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
BCG接種は、特別な事情がなければ、生後5カ月から8カ月の間に接種しましょう。

結核ってどんな病気?

結核とは、「結核菌」によって主に肺に炎症が起きる病気です(肺結核)。
排菌している(菌を出している)結核患者のせきやくしゃみなどの「しぶき」と一緒に、結核菌が空気中に飛び散り、それを周囲の人が直接吸い込むことによって感染します(空気感染)。

また、結核菌がリンパや血液の流れに乗り、全身のいろいろなところ(肺以外)に病巣を作ることがあります(肺外結核)。
肺外結核として最も多いのはリンパ節で、首の脇が腫れる頸部リンパ節結核などがあります。
骨や関節にできることもあり、背骨にできるものは「脊椎カリエス」と言われます。
このように、結核は、咽頭・喉頭、腸、腎臓・膀胱、眼、耳、皮膚、生殖器など、全身のあちらこちらで発病することがあります。
菌が血液の中に入って全身にばらまかれ、たくさんの粒状の病変ができる状態を「粟粒(ぞくりゅう)結核」と言います。
いちばん怖いのは、脳を包んでいる髄膜に病巣を作る「結核性髄膜炎」で、死に至ることがあり、治療しても高い確率で脳神経障害、視力障害などの後遺症を残します。

感染するとすぐに結核になるの?

結核菌に感染しても、すべての人が結核を発病するわけではありません。
健康であれば、体の免疫の働きによって結核菌の増殖が抑えられ、発病はしません。
しかし、抑え込まれた結核菌は、休眠状態で生き続け、私たちの免疫力が弱るチャンスをひそかに狙っています。
加齢や病気などで免疫力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病することがあります。
喫煙習慣のある人、HIV感染者、糖尿病の人、人工透析を受けている人、ステロイドホルモンを長期的に内服している人、胃の手術歴がある人等は、注意が必要です。
また、抵抗力の弱い赤ちゃんは、結核に感染すると重症になりやすいと言われています。
結核を発病する可能性を低くし、重篤な髄膜炎や全身性の結核の罹患リスクを減らすために、BCG接種を受けましょう。
結核菌に弱みを見せないようにするには、日々の健康管理が大切です。

結核の初期症状は?

結核の初期の症状は、風邪によく似ているので見過ごされがちです。
以下のような風邪によく似た症状が2週間以上続く場合は、
結核の可能性も心に留めて医療機関を受診し、胸部X線撮影(レントゲン検査)等を受けましょう。

  • せき
  • たん
  • 微熱
  • 倦怠感(身体のだるさ)
  • 食欲不振

結核の検査

結核の検査には、胸部X線撮影(レントゲン検査) 、IGRA検査、ツベルクリン反応検査、喀痰検査などがあります。

胸部X線撮影(レントゲン検査) 

ほとんどの結核は、肺に病巣をつくります。(肺結核)
そのため結核の早期発見には、胸部X線撮影(レントゲン検査) が有効です。
職場健診や市の検診などを積極的に利用して、年に1回は胸部X線撮影(レントゲン検査) を受けましょう。
肺がん・結核検診についてのお問い合わせは、各区役所保健センターへ

IGRA(イグラ)検査

血液検査によって、結核の感染を調べることができます。
1回の採血で検査することができ、BCGワクチンの影響を受けないため、
ツベルクリン反応検査に代わって、多く実施されています。
(補足)この血液検査は、一般の健康診断等では行わない検査です。
感染時期の特定はできないので、過去に感染したことがある場合も陽性となります。

レントゲンを受けるシールぼうや           採血を受けるシールぼうや
レントゲンを受けるシールぼうや             採血を受けるシールぼうや

ツベルクリン反応検査

IGRA検査と同じく、結核の感染を調べる検査です。
結核に感染すると、体の中に免疫ができるので、そのアレルギー反応をみる検査です。
(補足)上記のIGRA検査で有効な結果を得られにくい、乳幼児などに行います。

喀痰検査

痰をガラス板に塗って染色したものを顕微鏡で調べ、結核菌と思われるものが含まれているかを確認します。(喀痰塗抹検査)
主に、結核発病を疑う患者さんに行う検査です。
この検査で菌がみつかると感染力が高く、入院治療が必要と考えられます。

結核の治療

結核と診断されても、複数の抗結核薬(3種類から4種類のことが多い) を6カ月から9カ月間、毎日きちんと服用すれば治すことができます。
痰の検査により、周囲への感染のリスクが低いと判断される場合は、外来での治療が可能です。
ただし、薬を飲んだり飲まなかったり、症状が良くなったからと言って自己判断で服薬をやめてしまうと、結核菌が薬に対する耐性を獲得し、薬が効かないタイプの結核(薬剤耐性結核)になってしまい、治療が難しくなる可能性があります。
 
結核の治療は、医師の指示のもと、最後まで薬を飲み切ることが大切です。
治療を最後まで継続できるよう、医療機関と保健所が協力して服薬を見守ります。これを「DOTS(ドッツ。直接服薬確認療法)」と言います。
また、結核の治療には、公費負担制度があります。申請が必要となりますので、結核と診断された場合は、最寄りの保健所にご相談ください。
 
※治療薬の種類・数量、治療期間は、患者さんの病状や合併症、既往歴により異なります。
また、抗結核薬の副作用が出現することもあります。
結核治療を完遂できるよう、心配なことは、医療機関(主治医)や保健所(担当保健師)にご相談ください。
 
結核についての詳細は、結核研究所ホームページを参照ください。
jata.or.jp/index.php(新しいウィンドウで開きます)
 

9月24日~30日は、「結核・呼吸器感染症予防週間」です。

毎年9月24日~30日は、「結核予防週間」とされ、全国で結核予防に関する普及啓発活動などが行われてきました。
この時期は、例年、呼吸器感染症が流行する秋冬前となりますので、令和6年度からは、同期間を「結核・呼吸器感染症予防週間」として、マスク着用を含む咳エチケット、手洗い、換気等の基本的感染対策や予防接種の重要性等、呼吸器感染症に関する知識の普及啓発を図ることとしています。
結核・呼吸器感染症に関する正しい知識を身につけ、予防と早期発見に努めましょう。
 

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この記事についてのお問い合わせ

保健衛生局/保健所/感染症対策課 感染症対策係
電話番号:048-840-2204 ファックス:048-840-2230

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