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更新日付:2025年9月3日 / ページ番号:C112838
結核は過去の病気ではありません。結核を正しく理解し予防しましょう。
・結核ってどんな病気?
・結核菌に感染するとすぐ結核になるの?
・結核を予防するためには?
・結核の初期症状は?
・結核の検査は?
・結核の治療は?
・結核についてもっと知りたい
・9月24日から30日は「結核予防週間」です
・3月24日は「世界結核デー」です
結核とは、「結核菌」によって主に肺に炎症が起きる病気です(肺結核)。
排菌している(菌を出している)結核患者のせきやくしゃみなどの「しぶき」と一緒に、結核菌が空気中に飛び散り、それを周囲の人が直接吸い込むことによって感染します(空気感染)。
また、結核菌がリンパや血液の流れに乗り、全身のいろいろなところ(肺以外)に病巣を作ることがあります(肺外結核)。
肺外結核として最も多いのはリンパ節で、首の脇が腫れる頸部リンパ節結核などがあります。
骨や関節にできることもあり、背骨にできるものは「脊椎カリエス」と言われます。
このように、結核は、咽頭・喉頭、腸、腎臓・膀胱、眼、耳、皮膚、生殖器など、全身のあちらこちらで発病することがあります。
菌が血液の中に入って全身にばらまかれ、たくさんの粒状の病変ができる状態を「粟粒(ぞくりゅう)結核」と言います。
いちばん怖いのは、脳を包んでいる髄膜に病巣を作る「結核性髄膜炎」で、死に至ることがあり、治療しても高い確率で脳神経障害、視力障害などの後遺症を残します。
結核菌に感染しても、すべての人が結核を発病するわけではありません。
健康であれば、体の免疫の働きによって結核菌の増殖が抑えられ、発病はしません。
しかし、抑え込まれた結核菌は、休眠状態で生き続け、私たちの免疫力が弱るチャンスをひそかに狙っています。
加齢や病気などで免疫力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病することがあります。
喫煙習慣のある人、HIV感染者、糖尿病の人、人工透析を受けている人、ステロイドホルモンを長期的に内服している人、胃の手術歴がある人等は、注意が必要です。
また、抵抗力の弱い乳児は、結核に感染すると重症になりやすいといわれています。
結核は早期発見が大切です。そのために、定期的に健康診断を受けましょう。
もし、健康診断で異常を指摘された場合は、必ず精密検査を受けましょう。
せき、たん、微熱や倦怠感(身体のだるさ)が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
BCG接種は、特別な事情がなければ、生後5カ月から8カ月の間に接種しましょう。結核を発病する可能性を低くし、重篤な髄膜炎や全身性の結核の罹患リスクを減らすことができます。
結核菌に負けないように、免疫力を高める生活習慣も大切です。バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動、たばこは吸わないなどを心がけましょう。
結核菌に弱みを見せないようにするには、日々の健康管理が大切です。
結核の初期の症状は、風邪によく似ているので見過ごされがちです。
以下のような風邪によく似た症状が2週間以上続く場合は、結核の可能性も心に留めて医療機関を受診し、胸部X線撮影(レントゲン検査)等を受けましょう。
せき
たん
微熱
倦怠感(身体のだるさ)
食欲不振
結核の検査には、胸部X線撮影(レントゲン検査) 、IGRA検査、ツベルクリン反応検査、喀痰検査などがあります。
ほとんどの結核は、肺に病巣をつくります。(肺結核)
そのため結核の早期発見には、胸部X線撮影(レントゲン検査) が有効です。
学校や職場の健診、市の検診などを積極的に利用して、年に1回は胸部X線撮影(レントゲン検査) を受けましょう。
肺がん・結核検診についてのお問い合わせは、各区役所保健センターへ
レントゲンを受けるシールぼうや
血液検査によって、結核の感染を調べることができます。
1回の採血で検査することができ、BCGワクチンの影響を受けないため、
ツベルクリン反応検査に代わって、多く実施されています。
(補足)この血液検査は、一般の健康診断等では行わない検査です。
感染時期の特定はできないので、過去に感染したことがある場合も陽性となります。
IGRA検査と同じく、結核の感染を調べる検査です。
結核に感染すると、体の中に免疫ができるので、そのアレルギー反応をみる検査です。
(補足)上記のIGRA検査で有効な結果を得られにくい、乳幼児などに行います。
痰をガラス板に塗って染色したものを顕微鏡で調べ、結核菌と思われるものが含まれているかを確認します。(喀痰塗抹検査)
主に、結核発病を疑う患者さんに行う検査です。
この検査で菌がみつかると感染力が高く、入院治療が必要と考えられます。
結核と診断されても、複数の抗結核薬(3種類から4種類のことが多い) を6カ月から9カ月間、毎日きちんと服用すれば治すことができます。
痰の検査により、周囲への感染のリスクが低いと判断される場合は、外来での治療が可能です。
ただし、薬を飲んだり飲まなかったり、症状が良くなったからといって自己判断で服薬をやめてしまうと、結核菌が薬に対する耐性を獲得し、薬が効かないタイプの結核(薬剤耐性結核)になってしまい、治療が難しくなる可能性があります。
結核の治療は、医師の指示のもと、最後まで薬を飲みきることが大切です。
治療を最後まで継続できるよう、医療機関と保健所が協力して服薬を見守ります。これを「DOTS(ドッツ。直接服薬確認療法)」といいます。
また、結核の治療には、公費負担制度があります。申請が必要となりますので、結核と診断された場合は、最寄りの保健所にご相談ください。
※治療薬の種類・数量、治療期間は、患者さんの病状や合併症、既往歴により異なります。
また、抗結核薬の副作用が出現することもあります。
結核治療を完遂できるよう、心配なことは、医療機関(主治医)や保健所(担当保健師)にご相談ください。
結核についての詳細は、公益財団法人結核予防会結核研究所のホームページをご覧ください。
結核の基礎知識 公益財団法人結核予防会結核研究所 (新しいウィンドウで開きます)
厚生労働省は、毎年9月24日から30日を「結核予防週間」と定め、この期間には全国で結核予防に関する普及啓発活動などが行われています。
さいたま市でも、市内さまざまなところで、結核の予防に関する啓発活動を行っています。
世界保健機関(WHO)では、細菌学者ロベルト・コッホが1882年に結核菌の発見を発表した日にちなみ、1997年から、毎年3月24日を「世界結核デー」としています。
世界結核デーには、世界各地で結核の予防に関する啓発活動が行われます。
保健衛生局/保健所/感染症対策課 感染症対策係
電話番号:048-840-2204 ファックス:048-840-2230