
災害は、突然起こります。人だけでなくペットも被災します。
家族がペットと安心して避難するためには、日頃から災害に対する備えが重要です。避難所におけるペットの飼養管理は、飼い主自らが行うため、平時からの対策をペットのためにもしてあげましょう。
同行避難
「同行避難」とは、災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難することです。避難所において人とペットが同一の空間で居住できることを意味するものではなく、原則として屋外飼養となります。
被災動物を放置することで、その後の保護・給餌活動が困難となったり、また飼い主が世話のために自宅に戻り、そこで二次災害に出会う危険性があります。それらを防止するため、原則としてペットを同行して避難することが重要となります。
さいたま市の指定避難所(小・中学校など)では、全ての避難所でペットの同行避難を受け入れます。避難所では人とペットは別の区画で生活します。

令和元(2019)年東日本台風(台風第19号)の際のさいたま市公式Twitter(X)ポスト
避難所での生活は人だけでなくペットにも大きな負担がかかります。自宅が安全で生活できる状況であれば、自宅で家族やペットと過ごす「在宅避難」も選択肢となります。
在宅避難を可能にするためには、家具の転倒防止など日頃の防災対策が重要です。また、危険な場合にはいつでもペットと同行避難ができるように準備をしておきましょう。
同行避難できる動物
同行避難できる動物は、犬や猫等の愛玩動物です。大型の動物や危険な動物、特別な管理が必要となる動物については、避難所での受け入れが困難です。緊急避難措置として一時的に受け入れるものの、速やかに移動する必要があるため、飼い主は平時から受け入れ先を決めておきましょう。
身体障害者補助犬法で定められた補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)については、公共施設等での同伴が認められています。
災害が発生したら、まずは安全な避難を
避難する際は、ペットに応じた同行避難をします。(避難所や避難経路は、あらかじめ確認しましょう。)
・犬 ▶ケージとリード
・猫や小動物 ▶ケージやキャリーバッグ
なお、公民館は、
要配慮者優先避難所と位置づけ、高齢者、障害者や妊産婦等が優先して使用できる施設としています。
避難所についたら
ペット同行避難者用受付窓口で受付をし、飼養スペースへ移動します。
受け入れが不可能なペットについては、一時的な受け入れの後、安全が確認でき次第、受け入れ可能な場所やあらかじめ飼い主が決めていた避難先に移動します。
避難所での飼い主の役割
ペットの飼養は原則として飼い主自らが行います。「飼い主の会」を立ち上げ、飼い主全員で支え合い、協力して管理を行います。避難所運営委員会の指示や決められた避難所のルールに従い、他の避難者等の理解が得られるようにしましょう。
災害の発生に備えて
1. 所有者の明示
突然の災害に驚いてペットが逃げ出してしまい、離ればなれになってしまうことがあります。いちど離れると、迷子札などに飼い主の情報がしっかり明示されていなければ戻ることが難しくなります。
大切なペットのために、鑑札や注射済票、迷子札、マイクロチップ等を装着し、飼い主の明示を徹底しましょう。
犬は、狂犬病予防法において鑑札及び注射済票の装着が義務付けられています。

犬鑑札

注射済票

マイクロチップには、15桁の数字(個体識別番号)が記録されており、マイクロチップリーダー(読取器)をあてると、その数字が表示されます。直径2mm程度、長さ8~12mm程度の円筒型で、犬や猫では首の後ろ(背側頚部)の皮下に専用注射器で埋め込むのが一般的です。
この番号とデータベースに登録されている飼い主の情報と照合することで、飼い主が判明する為、逸走して保護された際にも飼い主の元に戻ってくる可能性が高くなります。一度装着すれば、首輪や迷子札のように外れて落ちたりする心配が少なく、より確実な身元証明になります。
マイクロチップは動物病院で装着することができます。また、動物愛護管理法により令和4年6月以降にペットショップやブリーダーから購入した犬と猫にはマイクロチップが装着されています。
ただ、飼い主や連絡先の変更の手続きがされていないケースが少なくありません。マイクロチップの登録情報は、飼い主が「登録証明書」を元に環境省のホームページから確認することができます。
犬と猫のマイクロチップ登録情報(環境省)
2. 健康管理の実施
被災時のストレスからの体調変化を少しでも発見できるようにするために、日頃からかかりつけの動物病院で健康管理を行いましょう。
また、他の動物との集団生活での感染症の蔓延防止のために、狂犬病予防注射、ワクチン接種、ダニ・ノミの駆除を実施しましょう。狂犬病予防注射が未接種の動物については避難所での受け入れが困難となる可能性があります。
3. 基本的なしつけ
避難所ではキャリーバッグ、ケージでの飼養となり、飼養状況によっては首輪も必要です。いざという時に嫌がらないように、慣れさせる訓練(クレートトレーニング)等をしましょう。
また、避難所では周囲に迷惑をかけないことも重要です。決められた場所での排泄、「待て、伏せ、おいで」、無駄吠えをしない等、人とのふれあいに慣らす社会性を身につけることも必要です。普段から基本的なしつけをしておきましょう。
4. 不妊・去勢手術の実施
飼い主と離ればなれになった場合、不必要な繁殖を防止するためにも手術を実施しておくことが大切です。発情によるトラブルをなくし、感染症も防げます。
避難所での集団生活において他の避難者からの苦情になりえる無駄吠え等の問題行動の抑制にも効果があるといわれています。
5. 防災用品の備蓄
ペットに応じた防災用品はすぐに避難所では用意できません。必要なものは飼い主が避難所に持参します。
日頃からペット用持ち出し袋を準備し、食べなれたペットフード、水、リード、シーツ、キャリーバッグやケージ、食器等を最低でも5日分は用意しましょう。また、常用している薬はすぐに持ち出せるようにしましょう。
<必要なものの例>
・ごはん、水 ・お気に入りのおやつ ・器(ごはん、水用) ・ペットシーツ等(排泄処理に必要なもの) ・ケージ類
・首輪、ハーネス、リード ・ケア用品 ・寒さ、暑さ対策 ・鑑札、狂犬病予防注射済票 ・最新のワクチン証明書
・普段飲んでいる薬 ・自分のにおいがついたもの ・お気に入りのおもちゃ ・ペット保険証 ・ペットの写真(アップ、全身、家族と)
6. 協力し合える仲間づくり
避難所の状況によっては、ペットとの長期避難生活が難しいことがあります。また、避難所での飼養が可能でも、必ずしもペットに適した環境とは限りません。
いざという時に協力し合えるように、日頃から近隣の方や散歩仲間等とコミュニケーションを取りましょう。また、親戚や友人等緊急時のペットの一時預け先を確保しておきましょう。
7. 猫の屋内飼養
猫を放し飼いにすると、飼い主と一緒に避難することが難しくなります。日常でも近所の庭を荒らしたり、車を傷つけたりと結果的に近所の人たちに迷惑をかけることにもなります。
感染症から守るためにも、猫は屋内で飼い、日頃から猫の隠れ場所をチェックしましょう。また、避難所でのケージ飼養に備えて、隠れ場所にキャリーバッグやケージを置いて、安心できる場所であると認識させましょう。
8. ペットの情報
ペットの写真は迷子になったときに役立ちます。はぐれたときには大事なペットが戻れるための飼い主の証明になります。
また、健康の記録は、現在のペットの健康情報を的確に伝えることができます。「
ペットの災害対策リーフレット」のペットのプロフィールページを印刷して切り離して、ペット用持ち出し袋に入れましょう。
市販や動物関係団体が作成している「ペット防災手帳」などを利用するのもよいでしょう。
ペットの健康の記録を携帯電話やスマートフォンのカメラ機能で撮影し、保存しておくことも役に立ちます。
■資料(ダウンロード PDF版)
ペットの災害対策リーフレット