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更新日付:2024年7月23日 / ページ番号:C070984
さいたま市は、「市内河川におけるマイクロプラスチックの実態把握」と「プラスチックごみの削減に向けた対策」に取り組むため、令和元年10月より、公民学連携による調査等を開始し、その調査が令和3年9月30日をもって終了となりました。
このたび、本取組に係る調査結果とプラスチックごみ削減の取組についてとりまとめましたので、その結果を公表します。
1 目的及び経緯
海洋中のマイクロプラスチックは、内陸部から河川を経て海洋に流出するマイクロプラスチックの寄与が少なくないと言われています。さいたま市内を流れる主要河川はすべて東京湾へ流下していることから、市内の河川におけるマイクロプラスチックの実態を把握するため、市と埼玉大学、分析事業者4社による「さいたま市内の河川におけるマイクロプラスチック調査研究」に関する共同研究契約を、令和元年10月21日に締結し調査を実施しました。
2 調査結果等
(1)令和2年10月までの河川マイクロプラスチック調査結果
市内5河川7地点で調査を実施しました。採取した試料に含まれるマイクロプラスチックの分析にはフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を使用し、1立方メートルあたりの個数を算出しました。河川水中におけるマイクロプラスチックの数密度(個/m3)は、各調査地点の平均値で最大7.0個/m3、最小0.9個/m3となりました。
以下に各地点の調査結果を示します。
河川名 | 調査位置 | 区 |
マイクロプラスチック(個/m3) |
||
鴨川 | 加茂川橋 | 西区 | 7.0 | ||
中土手橋 | 桜区 | 4.2 | |||
笹目川 | 市立浦和南高校脇 | 南区 | 0.9 | ||
藤右衛門川 | 柳橋 | 南区 | 2.9 | ||
芝川 | 境橋 | 見沼区 | 2.1 | ||
八丁橋 | 緑区 | 2.2 | |||
綾瀬川 | 畷橋 | 緑区 | 1.6 |
※マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下のプラスチックのこと。
調査の結果、いずれの採取地点でも2 mm以下の微小なサイズのマイクロプラスチックが50パーセント以上を占めており、自然環境の中で劣化が進んだと考えられます。
割合は、ポリエチレン(PE)が60%と最も多く、次いでポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)の順でした。
採取されたマイクロプラスチック
(2)令和2年7月~令和3年6月までの調査について
(1)の結果を受け、令和2年7月より、安定的な流量がとれる3地点(中土手橋、八丁橋、畷橋)に絞り調査を継続しました。
その結果、住宅地を流れる鴨川で検出数が多くなりましたが、季節変動についてはほとんどみられませんでした。
また、粒径や材質の割合は昨年度とほぼ同様の結果が得られました。
河川名 | 調査地点 | 区 |
平均値(個/m3) |
鴨川 | 中土手橋 | 桜区 | 3.2 |
芝川 | 八丁橋 | 緑区 | 2.4 |
綾瀬川 | 畷橋 | 緑区 | 0.8 |
各地点の経時変化
これらの調査結果より、検出されたマイクロプラスチックは大きさが2ミリ以下のものが半数以上を占めており、日常生活でよく使用されているプラスチック製品に由来するものが多いと考えられました。しかし、具体的にどんなプラスチック製品から発生したものか判別することはできませんでした。
3 プラスチックごみ削減の取組
(1) 河川での調査は、上記3地点について、定期的な調査(1年に1回程度)を継続します。
(2) 新しい生活様式に対応し、個人や団体などがオンラインでプラスチックごみ回収・削減の発信、共有できるゴミ拾いアプリ
「pirika(ピリカ)」を利用し、さいたま市内のごみ拾い活動を見える化する、「さいたまごみゼロ365」SNSを開設しました。
https://saitama.city.pirika.org/
(3) プラスチックごみ問題に積極的な企業との公民連携により、小学校への出前講座をはじめとする環境啓発事業を展開します。
環境局/環境共生部/環境対策課 水質土壌係
電話番号:048-829-1331 ファックス:048-829-1991