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更新日付:2026年3月15日 / ページ番号:C121136
皆さんは、日常生活で「除染」という言葉を意識したことはありますか?
「除染」とは、有害な物質によって汚染された人や物、場所などから、原因となる物質を取り除き、安全な状態に戻すことを指します。
中央消防署特殊災害対応部隊として、市民の皆さんに最もお伝えしたい内容がこの「除染」の重要性です。あなた自身が化学テロ災害に巻き込まれたとき、「除染」の知識を持っているか否かで、化学剤による症状の重症度に大きく影響します。これから説明する内容を、有事の際の準備として、ぜひご記憶いただきたいと思います。
除染の重要ポイントは3つあります。初めに「脱衣」、次に「洗い流し」そして「拭き取り」です。
1に、「脱衣」について説明します。これが除染の中で最も重要だと言えます。化学剤の性状が、液体であっても、噴霧状であっても、衣服に付着し、揮発して有毒なガスとして被害を拡大させます。そのため、衣服の表面がなるべく顔などの皮膚に付かないように意識しながら脱衣し、汚染された衣服は可能であれば袋に入れて密閉することが望ましいです。しかし、化学テロのような深刻な事件の場合、通行人やメディア関係者等、多くの目にさらされることが想定され、当然「脱衣」に抵抗がある方がほとんどだと思います。そのような場合は、上着、手袋、マフラー等可能な範囲で構いません。外気にさらされている衣服には、特に原因物質が付着している可能性も有りますので、出来る範囲で薄着になることが除染の効果を上げるカギとなります。
2に、「洗い流し」です。サリン等の化学剤が、皮膚に付着すると体内に浸透し、全身に影響を及ぼします。万が一、原因物質が皮膚に付着してしまった場合に必要なのが、流水で洗い流すことです。ペットボトルの水でも水道の水でも良いので、すぐに洗い流すことで重症化を防ぐことができます。
3に、「拭き取り」です。ハンカチ、タオル、マスク、 紙おむつ、おしり拭き等何でも構いません。擦らずにぬぐい取るように汚染箇所を拭き取ってください。拭き取りに使用した使用済みのタオル等は、可能であれば袋に入れて密閉しましょう。
これら3つの行動による「除染」の効果は、汚染状態を100%とすると、「脱衣」で汚染の9割が除染され、残り10%の汚染に対して 「洗い流し」と「ふき取り」でさらに9割が除染され、合計99%の汚染がこの3つの「脱衣」「洗い流し」「拭き取り」をすることで除染されることになります。この効果については、PRISM(プリズム)という科学的根拠に基づいた国際的な化学テロ・化学災害対策のガイドラインで証明されており、日本の消防においても今年度からこのガイドラインに基づいた活動マニュアルが導入されました。
TIME IS LIFE、一刻も早い「除染」が生死を分けます。消防が到着するまでの間、迷わず行動に移せるかどうか、知っていれば助かる命があります。あなた自身、大切な人の命を守りましょう。
ここで中央消防署特殊災害対応部隊からのお願いです。消防が現場到着後は、プライバシー保護のための脱衣場として多数のワンタッチテントと、脱衣後の衣服等を保管するためのビニール袋、そして脱衣後の衣服の代替えとして被除染者用簡易服のポンチョを用意します。一刻も早い「除染」を行い、一人でも多くの命を助けるためにも、消防隊員の指示に速やかにご対応いただくようご協力よろしくお願い致します。
今後も、特殊災害に関わる情報を随時更新していきますので、引き続きご覧ください!
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※答えは画像の下に書いてあります

脱衣等を補助する除染隊員

状況を説示する除染隊員

除染効果図
ヌゥを探せ
答え↓
1枚目 ポンチョの中
2枚目 テントの右側
3枚目 不在
もしもあなたが化学テロ現場に居合わせてしまった時、あなた自身の命、大切な人の命を守ることができますか?
化学テロは、ある日突然、静かに始まり、何が起こっているのか分からないまま、短時間で多数の被害者が発生するような大規模な騒動に発展します。ここで命を守るために大事なのが、まず街で異変に気付いた時、「何かがおかしい」と気付き、自分の中で化学テロ対応の「スイッチ」を入れることができるかどうかです。そのために知っておくべき、化学テロを見極める重要なポイントがあります。
それは、火災や事故など物理的要因が無いのに、同一場所で複数の人が同時に倒れている、同一の症状を訴えている場合です。このような場合は、何らかの有毒ガス等の影響により、その周辺一帯の空間は汚染が進行している恐れがありますので、ただちにハンカチ等で口と鼻を塞ぎ、なるべくガスを吸わないようにしながら、屋外であれば風上へ、屋内であれば別空間まで、できるだけ遠くへ避難してください。前回の記事で紹介した化学剤「サリン」のように、目に見えず、無臭の化学剤も存在しますので、決して油断しないようにしてください。そして安全な場所まで避難した後、早急に119番通報、110番通報してください。
このように、日常モードから災害モードへの「スイッチ」を切り替えることがとても重要で、平時から知識を持ち、イメージをして心構えしておくことが、有事の際、適切な判断と迅速な行動をとるためには欠かせません。
そしてこの後、現場であなた自身を「除染」する必要が生じる場合も想定されます。サリン等の化学剤は衣服に付着し、時間を置くとガスとして揮発、拡散する可能性が有り、実際に地下鉄サリン事件の際は、被害者の衣服から出たガスにより搬送された病院内においても二次被害が出てしまったという記録もあります。あなた自身の命、大切な人の命を共に守るためにも、ぜひ「除染」の知識を身につけましょう!
次回は、生死を左右する「除染」という行動に関して詳しく解説しますので、ぜひご覧になってください!
中央消防署特殊災害対応部隊は、日々様々な化学テロ災害を想定して、最も危険なエリアでの要救助者の救出、汚染拡大防止、原因物質の分析活動等、多岐にわたる訓練を行い、安心、安全の街づくりに努めています。
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検知結果をもとに原因物質を分析中

自力歩行不可の要救助者搬送

汚染拡大防止
ヌゥを探せの答え↓
1枚目 2台のパソコンの間/2枚目 隊員間の足元/3枚目 右側隊員の足元
皆さんは、化学テロという言葉をご存じでしょうか。これは毒性の化学物質を使用して、人を傷つけたり、混乱させたりする意図的なテロ行為であると定義されています。例えば、人が集まるイベント会場やショッピングモールなどで、何者かが毒性のある液体やガスを散布するような事案が化学テロにあたります。
実際にあった事例では、1995年の地下鉄サリン事件があります。この事件は、都内の地下鉄丸の内線、日比谷線、千代田線車両内で同時に神経ガスのサリンが散布され、被害者は、死者14名、負傷者約6000名以上にものぼる未曽有のテロ事件です。負傷者は乗客だけでなく、鉄道、消防、警察、病院関係者までも二次被害を受けており、事件後、消防機関にとって大きな教訓となり、特殊災害に対する消防活動のあり方を見直し、現在もその教訓は活かされています。
サリンとは、第二次世界大戦中に軍事利用を目的として開発された化学兵器です。性状は無色透明の液体で、臭いは無臭であり、揮発性が高いため拡散しやすい性質があります。少量の吸引でも人を殺傷する能力を持つ非常に危険な神経剤であり、国際的な化学兵器禁止条約(CWC)でも、開発、生産、保有、使用などを禁止するとともに、既存の化学兵器の破棄が義務付けられています。
サリンを含む神経剤による症状としては、軽度の場合は、目の痛み、縮瞳(瞳孔が小さくなる)により光がまぶしく感じる、視界がぼやけたり暗くなる、鼻水、頭痛、よだれが増える、発汗、吐き気などがあり、重度の場合は呼吸困難、意識障害、全身の痙攣などがあり、最悪の場合、死に至ります。
中央消防署特殊災害対応部隊は、このような化学テロを想定して、原因物質の早期検知・同定をするために日々訓練し、いかなる非常事態においても市民の皆さんの命と安全を守る体制の強化に努めています。
次回は、あなた自身、そして大切な人の命を守るために化学テロ現場に居合わせてしまった場合はどうしたら良いか、消防隊到着までの間、市民の皆さん自身がするべき行動について発信予定ですので、是非チェックしてくださいね!
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※答えは画像の下に書いてあります

原因物質へ向かう検知隊

検知活動1

検知活動2
ヌゥを探せ
答え↓
1枚目 液体の左上部分/2、3枚目 左側隊員の左手部分
中央消防署には特殊災害対応自動車、通称HAZMAT車が配備されております。HAZMATを直訳すると「危険物」という意味ですが、決して危険物を積載している訳ではありませんので、安心してください。ちなみに海外でもNBC災害やテロ等に対応するチームがHAZMATチームと呼ばれています。
HAZMATには、NBC災害へ対応するために車内へ有毒なガスの流入を防ぐため、車内を陽圧にする装置や、車外に出なくても車両周囲を的確に確認できる4方向カメラ等を搭載し、高度な分析資機材、防護服等も積載されており、中央消防署特別救助隊が運用しています。そしてNBC災害時は特別救助隊員が、「検知隊」として活動します。
検知とは、機械等を使って検査し、知る事という意味があります。検知隊は、特殊災害現場における最も危険度が高いエリア内において、要救助者の救出、原因危険物質の特定、漏洩防止及び拡散防止活動などの活動をしています。検知隊が危険物質を早期に特定することで、危険物質の種類や特徴が分かり、汚染されている傷病者に対してどのような応急処置が必要なのか知ることができ、また、物質の特徴に応じた適切な拡散防止措置をすることで、汚染被害の拡大を防ぐことができます。
今後も特殊災害に関する情報を発信していきますので、是非チェックしてくださいね!
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