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更新日付:2024年9月25日 / ページ番号:C116659
公務員は民間企業の従業員とは異なり、争議権や団体交渉権が制約されており、その代償措置として、人事院や人事委員会による給与勧告の制度が設けられています。
給与勧告は、人事院と人事委員会の調査の結果により、公務員の給与水準と民間の給与水準を均衡させることを基本に、国や人事委員会のある自治体で行われています。
令和6年9月25日、さいたま市人事委員会は、さいたま市議会及びさいたま市長に対し、職員の給与等に関する報告及び勧告を行いました。
・民間給与との較差(10,818円、2.67%)を解消するため、給料表を引上げ改定
・特別給(期末手当及び勤勉手当)を引上げ(4.50月分 → 4.60月分)
さいたま市人事委員会では、職種別民間給与実態調査を人事院(国の機関)、他の人事委員会(都道府県、政令市等の機関)と共同で実施し、民間従業員の給与を調査しました。
参考
人事院 令和6年職種別民間給与実態調査の実施について(PDF形式 156キロバイト)
具体的には、市内に所在する民間事業所のうち、企業規模50人以上で、かつ、事業所規模50人以上の500事業所を調査対象とし、その中から層化無作為抽出法により抽出された120事業所について調査を実施しました。
(注)層化無作為抽出法とは、調査対象事業所を組織(本店・支店の別)、企業規模、産業によりグループ化(層化)し、各グループの中から標本を無作為に抽出する方法。
民間給与 | 415,914円 |
職員給与 | 405,096円 |
較差 | 10,818円(2.67%) |
(注)
1.職員(保育士等を除く行政職給料表適用者)及び民間従業員ともに本年度の新卒の採用者は含まれていない
2.上記職員の平均年齢は40.8歳、平均経験年数は17.9年
参考
職員給与と民間給与の比較方法(PDF形式 204キロバイト)
民間支給割合 | 4.62月 |
職員支給月数 | 4.50月 |
差 | 0.12月 |
・長時間労働の是正は、有為な人材の採用、離職の防止、職員の健康保持、公務能率の維持向上といった多くのテーマに通じる最重要課題
・時間外勤務時間や時間外在校等時間が、年間1,000時間を超える職員・教育職員も一定数存在。所属単位では、時間外勤務時間が多い部署に偏りも見られる。まずは、職員の健康保持という観点から、危機感を持って実効性のある対策を講じていくことが必要
・職員の健康保持のためには、11時間を目安とした勤務間インターバルを「実質的に」確保するための取組みが必要。個々の職員の勤務間インターバルの状況を可視化し、その上で、「安全配慮義務」を負っていることを所属長に周知すれば、各所属における勤務間インターバルの確保に相応の効果があるものと期待
・客観的な記録による在庁時間の実績と、命令書上の時間外勤務時間等の実績との間の乖離を防ぐ取組みが大切。乖離を点検する制度的な仕組みを整備することが必要
・「育児」に係る両立支援制度を利用できるのは「子が小学校に就学するまでの間」であり、「小1の壁」に直面して、やむを得ず退職を選択するケースも発生
・「小1の壁」への対応として、一部の地方公共団体で導入している「子育て部分休暇」(部分休業と同様の無給の休暇を「子が小学校1年生から6年生までの間」取得できるというもの)は有効。子どもが小学校に入学した後も、「子育て」と仕事との両立を図ることができるよう、勤務条件・勤務環境を整備していくことは大変重要
・介護に係る両立支援制度は、介護休暇と介護時間が職員のニーズに合ったものであるかを検証し、ニーズに寄り添った支援を提供していくことが必要
・ストレスチェックの集団分析が職場環境の改善を行いやすい「課単位」で行われることになり、リスク因子の早期発見や適切な改善措置につなげるための環境は徐々に整備
・今後は、安全衛生委員会がその機能を十分に発揮し、各職場の課題に応じた適切な改善措置を講じていくことが肝要。分析から改善措置に至るまでのフローを整理し、分析結果を具体的な改善につなげるための体制整備を引き続き進めていくことを期待
・労働者数50人未満の学校においては、法令上、安全衛生委員会の設置義務や産業医の選任義務が課されていない。労働者数が「50人以上」と「50人未満」とで学校の労働安全衛生管理体制が変わってしまうことは、今後の改善が望まれる課題
・任命権者において、パワー・ハラスメントをした場合の処分の標準例が懲戒処分の指針に明記され、併せてパワー・ハラスメントの言動例が明示されたことで、ハラスメントの根絶に向けた取組みに一定の進展が見られたことは評価
・ハラスメントをした職員に対しては厳正に対処していくという姿勢を明確に示していくことが肝要。ハラスメントをしたというマイナス要素を人事評価に的確に反映させる仕組み作りも必要
・いわゆるカスタマー・ハラスメントへの対応においては、「職員を孤立させない取組み」が重要。1人の職員に任せるのではなく、類型に応じて組織として対応できる体制の整備が急務
・窓口対応等を記録するカメラを設置するなど、ハード面からの環境整備も重要。引き続き「職員を孤立させない」という強い信念の下、必要な制度設計等を検討することを期待
・本委員会としては、採用試験の見直し、業務内容説明会の充実といった取組みを継続。また、職員採用で競合する団体の状況を踏まえ、初任給基準等について継続して検討
・任命権者においては、働きやすい魅力的な職場環境の整備に着実に取り組むとともに、民間企業等の先進事例も参考に、人材確保に資する新たな取組みを検討されることを期待
・定年を待たずに退職する職員が増加傾向にあり、令和4年度から5年度にかけて急増。速やかな実態把握と原因究明を期待
・社会人経験者の採用を拡大している中、これにより採用した職員がスムーズに市役所組織に順応し、定着するよう、オンボーディング(職場への円滑な適応支援)の充実も必要
・働くことに対する人々の意識が変化し、特に若い世代においては、自分の能力、適性、関心等を踏まえ、将来の転職も視野に入れた自律的なキャリア形成を志向する者が増加。こうした働き手のニーズの変化にも十分に配慮することが必要
・女性活躍推進の観点から、出産・育児に伴うキャリアロスによって将来的なキャリアが限定されてしまうという、いわゆるマミートラックに対し、どのような対応策を講ずるかも切実な課題
・こうした課題に対応するために人材育成のあり方を抜本的に見直した民間企業の先行事例等も参考に、時流に即した人材育成のあり方を検討されることを期待
・令和6年度から、役職定年により降任したスタッフ職の職員が定数内職員として配置され、今後、定年の段階的な引上げに伴って配置数が逓増。役職定年職員のマンパワーを十分に活かすことができるか否かは、今後の組織パフォーマンスを左右する重要な問題
・役職定年制のあり方を丁寧に検証し、定年引上げが制度完成を迎える令和13年4月までに最適化が図られることを期待
・1.の各項で述べた「働きやすい魅力的な職場環境」を実現するための取組みを円滑にかつ推進力を持って実施していくため、原動力として役職定年職員を活用することも検討が必要
・市役所が組織として最大限のパフォーマンスを安定的に発揮していくためには、人事面と給与面の双方において「メリハリのある処遇」を推進することが必要
・昇給及び勤勉手当への人事評価結果の反映をより一層推進していくことが求められるが、これを推進するに当たっては、一部の成績優秀者のみならず、着実に本市の事務事業に貢献している多くの職員が報われる仕組みとされることを期待
・「メリハリのある処遇」を推進していくに当たっては、職(ポスト)に係る人事・給与上の位置付けである「職制上の段階」と「給料表の級構成」(給与水準の設定)が、それぞれの職務の実態に即した適正なものとなっていることが前提
・「係長」については、係の統括的責任者であるとともに事務事業の遂行単位責任者でもあるという職責を十分に踏まえた、具体的な改善措置が必要
・職務の内容や職に求められる期待役割を今一度点検する等、「職制上の段階」と「給料表の級構成」の最適化に向けた検討を進められることを期待
・「メリハリのある処遇」をより一層推進していくためには、基礎となる人事評価制度の公平・公正性、客観性、透明性がしっかりと担保され、職員に納得感を持って受け入れられていることが不可欠
・人事評価の実施に当たっては、評価のばらつき等が当然想定されるため、これをいかに調整し、評価の公平性や客観性を担保していくかが課題。最終的に評価を確定する「調整者」の機能が十分に発揮されることが極めて重要
・引き続き人事評価制度のあり方を定期的に検証し、組織の持続的な成長を促進する制度として適切かつ効果的に運用されることを期待
・公務員が直面する行政課題は高度に多様化・複雑化。一方で、公務における人材確保は、採用と離職防止の両面でかつてない困難な状況。公務員の人事・給与制度は今、社会的なパラダイムシフトに対応するための大きな変革が求められる、重大な局面
・人事院は本年、国家公務員の人材確保の状況を改善させるため、「多様で有為な人材の確保」、「職員の成長支援と組織パフォーマンスの向上」、「Well-beingの実現に向けた環境整備」を重点課題とした上で、課題横断的に対応するための「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」(給与制度のアップデート)等の具体的な措置事項を提示
・人事院が掲げた重点課題は本市にも共通。人事・給与制度の抜本的な改革が急務であるということも共通。本市においても、人事・給与制度を、時代の変化に対応し、真に組織力の向上を支える基盤となるよう、適時・的確にアップデートしていくことが急務
・本委員会は、これからの時代にふさわしい公務員人事管理の実現に向けて、令和7年に「さいたま市版人事・給与制度のアップデート」として報告できるよう、鋭意検討
現行 | 6,475,000円 |
改定後 | 6,691,000円 |
増減 |
216,000円 |
(職員の平均年齢は39.7歳、平均経験年数は17.0年)
約33.7億円(職員数 15,568人)
年 |
給与月額 |
期末手当・勤勉手当 |
平均年間 |
||
---|---|---|---|---|---|
公民較差額 |
較差率 |
年間支給月数 |
対前年比増減 |
||
平成15年 |
-4,898円 |
-1.13% |
4.40月 |
-0.25月 |
-18.3万円 |
平成16年 |
据置き19円 |
0.00% |
4.40月 |
増減なし |
- |
平成17年 |
-1,921円 |
-0.45% |
4.45月 |
0.05月 |
-1.0万円 |
平成18年 |
-459円 |
-0.11% |
4.45月 |
増減なし |
-0.8万円 |
平成19年 |
259円 |
0.06% |
4.50月 |
0.05月 |
2.6万円 |
平成20年 |
据置き46円 |
0.01% |
4.50月 |
増減なし |
- |
平成21年 |
-791円 |
-0.19% |
4.15月 |
-0.35月 |
-15.6万円 |
平成22年 |
-1,179円 |
-0.28% |
3.95月 |
-0.20月 |
-10.2万円 |
平成23年 |
-1,213円 |
-0.30% |
3.95月 |
増減なし |
-1.9万円 |
平成24年 |
据置き190円 |
0.05% |
3.95月 |
増減なし |
- |
平成25年 |
据置き-87円 |
-0.02% |
3.95月 |
増減なし |
- |
平成26年 |
1,785円 |
0.45% |
4.10月 |
0.15月 |
8.5万円 |
平成27年 |
798円 |
0.20% |
4.20月 |
0.10月 |
5.2万円 |
平成28年 |
1,362円 |
0.35% |
4.30月 |
0.10月 |
5.9万円 |
平成29年 |
882円 |
0.22% |
4.40月 |
0.10月 |
5.2万円 |
平成30年 |
据置き-64円 |
-0.02% |
4.45月 |
0.05月 |
2.0万円 |
令和元年 |
据置き83円 |
0.02% |
4.50月 |
0.05月 |
2.0万円 |
令和2年 |
据置き-103円 |
-0.03% |
4.45月 |
-0.05月 |
-2.0万円 |
令和3年 |
据置き-82円 |
-0.02% |
4.30月 |
-0.15月 |
-5.9万円 |
令和4年 |
911円 |
0.23% |
4.40月 |
0.10月 |
5.4万円 |
令和5年 |
3,684円 |
0.92% |
4.50月 |
0.10月 |
9.8万円 |
令和6年 |
10,818円 |
2.67% |
4.60月 |
0.10月 |
21.6万円 |
人事委員会事務局/任用調査課
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