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更新日付:2026年2月3日 / ページ番号:C127942
令和8年2月3日開会の令和8年さいたま市議会2月定例会において、清水勇人市長が施政方針演説を行い、令和8年度の市政運営の基本的な考え方や主要な施策等について、説明を行いました。
その全文は、以下のとおりです。
※議場に配布した施政方針(冊子)のPDF版は、こちらからご覧ください。
議員各位には、平素から市政運営に御支援を頂き、心から感謝を申し上げます。
本日ここに、新年度に臨む私の所信及び市政の基本方針を申し上げ、議員各位及び市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
令和8年度、さいたま市は一つの節目を迎えます。平成13年5月1日の「さいたま市」誕生から四半世紀、25年という月日が流れました。この記念すべき年に当たり、改めて、本市のこれまで歩んできた道のりに思いを馳せるとともに、今日の発展を支えてこられた全ての市民、企業、団体等の皆様、そして歴代の市政に携わってこられた先人たちに、深く敬意と感謝の意を表したく存じます。
25年前、浦和、大宮、そして与野の3市が合併し、人口約100万人の都市として新たなスタートを切った本市は、常に未来に挑戦し続けてまいりました。
平成15年に「政令指定都市」へ移行し、平成17年には岩槻市と合併したことで、首都圏有数の大都市として歩み、発展するための礎が築かれました。そして、平成21年の市長就任以来、16年にわたり、私は常に、「市民目線」を政治信条の根幹に置きながら、本市の「シンカ」を目指して、市民の融和と一体感の醸成を大前提とし、市民生活の質を向上させる取組に邁進してまいりました。
この間、私の脳裏から離れなかったのは、ほかならぬ、市民一人ひとりの日々の暮らしの営み、そして未来を担う子どもたちの笑顔を守り育むという使命感でした。私は、現場主義を徹底し、市民の皆様の声に耳を傾け、時には困難な課題に対しても、真正面から向き合い続けてまいりました。
まず、「待機児童ゼロ」。これを達成するため、私は、認可保育所等の定員を、市長就任当時から約3倍に拡大し、本市独自の「子育て支援型幼稚園」を延べ59園認定し、保育人材の処遇改善にも取り組んでまいりました。おかげさまで、保育施設の待機児童を4年連続でゼロにすることができましたが、その原動力は、働く子育て世代の皆様の切実な願いに応えるために何とかしたいという思いでした。
本市でも将来、急速な高齢化が見込まれております。こうした中、国の動向も踏まえつつ、地域包括ケアシステムの充実・強化に先手を打って進めてまいりました。平成23年3月には指定都市で初めてとなる「ノーマライゼーション条例」を制定し、障害のある方など様々な課題を抱える方への相談体制の強化や支援策の充実を図ることで、誰一人取り残さない地域共生社会の構築に向けて取組を推進してまいりました。
また、「強靭性」、「交通の要衝」、「環境」、「教育」、そして「健康・スポーツ」という5つの魅力「5K」を更に強化することで、プラスアルファの価値を創出し、市民や訪れる方々を惹きつける都市づくりも進めてまいりました。
まず、強靭性を高める取組は、市民の皆様の安全・安心な暮らしを守るための揺るぎない決意の証であります。
激甚化・頻発化する自然災害から市民を守る。その一心で、ハード・ソフト両面での防災対策を推し進めてまいりました。流域治水や防災機能を有する公園の整備といった基盤強化に加え、「防災アドバイザー」の育成、避難所機能の強化、民間企業との連携強化。これら全てに注力し、いかなる事態にも対応できる万全の体制の構築に向けて、不断の努力を重ねてまいりました。
都市インフラについても、この25年で本市は劇的な変貌を遂げてまいりました。2都心・4副都心を機軸に、市街地再開発と土地区画整理を戦略的に推進し、都市機能の集約と回遊性の向上に努めてまいりました。これに併せ、公共施設の再編を通じた先進的な複合施設の整備を具現化し、市民の皆様の利便性を着実に高めてきたところです。
そして令和4年4月には、市議会において、市役所本庁舎のさいたま新都心への移転整備が、3分の2以上の賛成を要する特別多数議決により可決されました。この歴史的な決定を大いなる転機とし、更なるまちの発展が期待されております。
また、都市計画道路や都市公園の拡充はもとより、消防拠点や治水機能の強化を進めるなど、市民生活の高度化と安全の確保に不可欠な都市基盤の盤石化を、全霊を挙げて推進してまいりました。
環境については、「E-KIZUNA Project」や「スマートシティさいたまモデル」の取組など、他自治体や民間企業、団体や大学といった様々な主体による連携体制を構築・強化することで、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めてまいりました。また、令和4年4月には、全国で初めてとなる「脱炭素先行地域」に選定され、事業者と協力した再生可能エネルギーの積極的な導入など、全国を牽引する先駆的な取組を実施してまいりました。
教育については、平成28年度から本市独自の「グローバル・スタディ」を全ての市立小中学校の全学年に導入するなど、子どもたちに高度な教育を提供するとともに、令和4年度からコミュニティ・スクールを全市的に展開することで、地域ぐるみで子どもたちの育ちを支える、「地域とともにある学校づくり」を進めるなど、豊かな教育環境の整備に力を入れてまいりました。
さらに、健康・スポーツについては、平成23年に設立した全国初の「さいたまスポーツコミッション」による活動や、「さいたまスポーツシューレ」の推進など、事業者やプロスポーツチームなどと連携した取組を展開することにより、スポーツを活用した総合的なまちづくりを進めてまいりました。昨年、野村総合研究所が発表した「スポーツ都市ランキング」では、全国106都市の中で、2位に大差をつけて第1位を獲得するなど、本市の取組は高く評価されております。
こうした弛まぬ努力と、市民、企業、団体等の皆様の温かい御支援・御協力により、本市は、現在、人口約135万人を擁する大都市へと成長を遂げました。それだけでなく、6年連続で85%以上の市民の方々から、「住みやすい」、「住み続けたい」と感じていただけるような、活力にも満ちあふれております。
こうした本市の「シンカ」は、一つひとつの施策を、私たちが共に創り上げてきたことによる成果以外の何物でもありません。私たちは、目先の利益や効率性だけを追うのではなく、「さいたま市民全体のしあわせ」という理念を共有し、手を携えてまいりました。これこそが、持続可能な発展を可能にしたと確信しております。
この25年間の歩みは、私たちに確かな手応えを感じさせてくれました。しかし、都市の歴史において四半世紀は通過点に過ぎません。私たちは、この輝かしい成果を礎に、次の25年後、 2050年における「上質な生活都市」、「東日本の中枢都市」という2つの将来都市像の実現を見据え、新たな「シンカ」のステージへと駒を進めていかなければなりません。
これまで順調に発展を遂げてきた本市ですが、将来を見据えたときに、私たちは楽観的でばかりはいられません。
令和5年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した推計人口によれば、本市の人口は2035年以降、減少に転じることが予想されています。
また、地球規模での気候変動が更に進めば、自然災害は一層激甚化・頻発化し、想定を上回る形で、私たちの安全・安心な暮らしを脅かすかもしれません。
こうした社会課題は、解決が容易でない、複合的かつ構造的な課題であります。しかしながら、私は、これらの課題こそが、本市を次のステージへと「シンカ」させるチャンスであると捉えております。私たちは、立ち止まることなく、むしろスピード感を持って、これらの課題に的確に対応していく必要があります。未来の世代に、より豊かで活力ある「さいたま市」を引き継ぐことは、現世代に課せられた重責であります。
私は、本市の「新時代」を切り拓く鍵は、「持続可能性」と「多様性」の一層の追求にあると考えております。
都市の持続可能性とは、経済的な活力はもちろんのこと、環境との調和、そして地域社会の絆の維持・強化を意味します。また、多様性とは、性別、年齢、障害等の有無にかかわらず、全ての市民がそれぞれの能力を最大限に発揮し、活躍できる社会の実現を指します。
私は、令和8年という「さいたま市25周年」の年を、次なるステージに向けた重要な一歩を刻む年としていく決意であります。これまでの取組を更に強化・加速化していくことで、市民の皆様の暮らしをこれまで以上にしっかりと支え、高めていく。さらに、行政と市民、事業者などが更に絆を強くし、叡智を結集して様々な課題に対応し、本市をより一層シンカさせていく。
このような思いから、私は、昨年の市長選挙において、本市が今後取り組むべきものとして、「4つのシンカ」をお示しいたしました。
それは、「安全で強靭な都市へのシンカ」、「誇りあふれる都市へのシンカ」、「「誰一人取り残さない」しあわせ実感都市へのシンカ」、そして「絆で支えあう都市へのシンカ」です。
(安全で強靭な都市へのシンカ)
まず、「安全で強靭な都市へのシンカ」について申し上げます。
昨年6月から7月のトカラ列島における地震や、12月の青森県東方沖の地震など、大きな地震が相次ぐ中、首都直下地震などの自然災害への対策、さらには地域の防犯対策を強化し、市民の皆様が安全・安心に暮らしていくための取組は、市民生活や経済活動など、全ての基盤となるものです。
そのため、引き続き、インフラの耐震化や治水対策、地域防災力の向上や配慮を要する方の避難体制の確保など、地域・市全体・首都圏の強靭性の視点から、ハード・ソフト一体となった防災・減災対策を進め、災害に強いまちづくりを実現してまいります。
また、データを活用した戦略的な防犯対策や地域の自主防犯活動への支援、市民の皆様との協働によるセーフコミュニティの取組などを推進し、犯罪や事故が起こりにくいまちづくりを進めてまいります。
(誇りあふれる都市へのシンカ)
次に、「誇りあふれる都市へのシンカ」について申し上げます。
先ほど振り返りましたように、本市の今日の発展は、本市が持つ強みを生かしたまちづくりを進めてきたことによるものであります。しかし、現状に甘んじていては、更なるシンカが見込めないどころか、現状を維持していくことも叶いません。
そのため、これまで培ってきた強みや本市が持っている独自の地域資源を生かし、シビックプライドを一層高めていくとともに、社会経済情勢の変化を的確に捉え、新たなニーズに柔軟に対応していくことで、市民の誰もが住んでいることに誇りを持てるまちとなるよう、市の魅力に磨きをかけていくことが必要です。
(「誰一人取り残さない」しあわせ実感都市へのシンカ)
次に、「「誰一人取り残さない」しあわせ実感都市へのシンカ」について申し上げます。
このような社会状況の変化の中にあっても、子ども・若者、女性、障害のある方々、高齢者など、本市に住む誰もが未来に希望(ゆめ)を描けるまちにしていくためには、「誰一人取り残さない」という理念を、具体な政策を通して追求していく必要があります。
そのため、昨今の厳しい物価高への対策も含め、子どもや子育て世帯に対する支援を強化するとともに、様々な困難に直面されている方々に寄り添った、きめ細かな支援を更に充実させていくことで、一人ひとりの多様なニーズやライフスタイルが尊重され、誰もがしあわせを実感しながら暮らせる、質の高い地域共生社会を実現してまいります。
(絆で支えあう都市へのシンカ)
最後に、「絆で支えあう都市へのシンカ」について申し上げます。
ただいま申し上げた3つのシンカを実現するためには、行政はもちろん、市民や事業者などが互いに協働し、汗を流し、新たな価値や仕組みを創り出していく「共創」の考え方を一層強化していくことが重要です。
その基盤となるのが地域の絆です。地域の担い手不足が叫ばれる中、人と人との交流や地域活動をしっかりと支えていくことで、地域の活力とその絆を更に高めていく必要があります。
そのため、自治会活動への支援や地域の移動手段の確保、市民アプリの有効活用を通じた地域コミュニティの強化などを推進してまいります。
また、行政自身も、多様化・複雑化する市民ニーズに対し、限られた人員・財源の中でも的確にお応えできるよう、行財政改革を不断に推進するとともに、市役所DXやAI・データ活用等を通じた業務の効率化と質の向上を図ることで、CS90+の実現に向け取り組んでまいります。
それでは、新時代に向けた挑戦を具体化するための、令和8年度当初予算案について、概要を御説明申し上げます。
令和8年度当初予算案は、ただいま申し上げた基本的な考え方の下、「シンカし続けるまちへ。暮らしを高め、共創で希望(ゆめ)を拓く予算」として編成いたしました。
予算編成に当たっては、「災害に強く安全・安心な都市への対策強化」、「未来のまちを拓くさいたま市らしさの深化」、「誰一人取り残さない地域共生社会の実現」、そして、「DXと共創によるまちづくりの推進」を、4本の柱に据えております。
その中でも特に、「総合的な社会保障施策」、「子ども・子育て関連施策」、「ゼロカーボンシティの実現に向けた脱炭素化の取組」、そして「DXの推進」を重視したものとしております。
また、国の補正予算とも連動しながら、令和7年度12月補正予算から令和8年度当初予算案まで、切れ目のない予算案としております。
この結果、一般会計当初予算額は対前年度比1.8%増の7,160億円、特別会計予算総額は3,461億円、企業会計予算総額は1,379億円、これらを合計した全会計予算総額は1兆2,000億円となり、一般会計予算額と全会計予算総額のいずれも過去最大の予算規模となりました。
次に、令和8年度の主な事業について、この4本の柱に沿って申し上げます。
(災害に強く安全・安心な都市への対策強化)
まず、1本目の柱「災害に強く安全・安心な都市への対策強化」です。市民の皆様の安全・安心を確保するため、激甚化・頻発化する自然災害への対策や防犯対策について、ハード・ソフト一体となった取組を強化してまいります。
大規模地震発生時の対策については、道路交通ネットワークを確保するため、緊急輸送道路となっている治水橋や羽根倉橋等の耐震補強を実施するとともに、重要な下水道管の耐震化、老朽化対策を進めます。
あわせて、広域防災拠点の要としての機能を持つ、さいたまセントラルパークの整備も進めてまいります。
豪雨災害への対策については、治水安全度の向上を図るため、新川、黒谷川等の準用河川の改修を行うほか、国と連携し、西遊馬地区河川防災ステーション内へ水防センターの整備を進めます。
あわせて、浸水被害の軽減に向けて、雨水管・雨水貯留施設等の整備、油面川流域の流域貯留浸透施設や東徳力調節池の整備も推進します。
災害時に市民の皆様を受け入れる避難所についても、災害用物資の備蓄を充実させるとともに、多様性の観点を一層取り入れることで、配慮が必要な方々も過ごしやすい避難所環境を整備します。
そして、災害時における自助・共助を高めるため、地域住民が団結して地域を守る自主防災組織の結成を促進し、防災アドバイザーと連携して、その育成の強化を図るほか、お一人で避難することが難しい方々に対する個別避難支援プランの作成を促進するため、福祉専門職が作成を支援するモデル事業を実施します。
また、消防・救急体制についても、その充実・強化を図るため、岩槻消防署城南出張所の整備や、次期消防緊急情報システムの整備を進めるとともに、災害時に市民へ必要な情報を伝達する防災行政無線の子局の更新を進めます。
また、防犯対策については、犯罪の抑止や市民の安全・安心のため、街頭防犯カメラの設置を進め、令和9年度末までに市内全駅の駅前広場等への設置を目指します。
自治会による地域防犯カメラについても、戦略的に設置されるよう、人通りや犯罪の発生状況等のデータを活用しながら、引き続き支援します。
また、安全・安心な地域社会の実現のため、市民団体、企業、警察などと協力し、「セーフコミュニティ」の取組を拡大してまいります。
(未来のまちを拓くさいたま市らしさの深化)
次に、2本目の柱「未来のまちを拓くさいたま市らしさの深化」です。本市の更なる発展に向けて、これまで培ってきた強みを更に強化し、魅力を深める取組を推進してまいります。
まず、未来に向けた都市基盤整備に関する事業です。
新庁舎の整備については、本年4月に基本設計を取りまとめた後、実施設計に着手するとともに、引き続き、さいたま新都心のにぎわい創出に向けた検討を進めます。
浦和駅周辺に関しては、本庁舎移転後の現庁舎地の利活用策について、本年度中に策定する利活用計画(骨子)を基に具体化を進めるほか、旧市民会館うらわ跡地についても利活用策の検討を行います。
浦和駅西口南高砂地区についても、市街地再開発事業とともに、市民会館うらわの令和9年4月の供用開始に向けた整備を進めます。そして、この再開発事業により拡張される駅前広場を中心に、ウォーカブルな空間となるよう施設整備を行います。
大宮駅周辺に関しては、「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」の実現に向けて、更なる合意形成を図りながら、構想を具体的かつ実現可能なものにするための検討を進めます。また、旧大宮区役所跡地と大宮小学校の一体的な土地活用を図るため、実施方針に基づき、まちづくりプランの策定に向けた検討を進めてまいります。
地下鉄7号線の延伸に関しては、本年度の検討により費用便益比が1.2、収支採算性は27年となりました。この結果、都市鉄道等利便増進法の適用目安をクリアするめどが立ち、本年度末に県と市の連名で事業実施要請を行いたいと考えております。ただし、事業実施要請はゴールではなく、延伸実現に向けては、引き続きの取組が必要です。令和8年度は、都市計画決定に向けた環境影響評価等への着手や中間駅周辺のまちづくりの推進を実施するとともに、鉄道事業者や国への働きかけを行ってまいります。
中央区役所周辺の公共施設の再編については、昨年、入札が中止となったことを踏まえ、再公募に向けた補正予算案を今定例会に提出させていただきました。令和8年度は、事業者の選定に向けた準備を進めます。
また、再編に伴い解体される与野体育館については、与野中央公園への移転再整備に向けて、基本計画を作成します。
武蔵浦和駅周辺に関しては、義務教育学校の整備に向けて入札を実施していくほか、「(仮称)武蔵浦和地区新設スポーツ施設」の整備も進めます。沼影公園屋外プールの代替となるレジャープールについても、基本計画の検討を行います。
次に、緑の核となる公園の整備に関する事業です。
多くの方々が訪れ、交流できる大規模公園として、与野中央公園の整備を進めるなど、魅力的で多様な楽しみ方のできる安全・安心な都市公園の整備を推進します。
また、さぎ山記念公園と(仮称)岩槻南部新和西地区近隣公園についても、Park-PFIを活用することにより、公園のにぎわい創出と魅力の向上を図ります。
また、グリーンインフラにより都市空間の質を向上させるため、まちなかに緑を設置し、居心地の良い空間を創出する取組について、実施エリアの拡大に向けた検討を行うとともに、樹木の持つ機能を可視化するための樹木調査等を行います。
次に、「ゼロカーボンシティ」の実現に関する事業です。
地域循環共生圏を構築し、市内における温室効果ガス排出量を削減するため、市民・事業者に対する省エネルギー設備等への補助や、太陽光発電設備等の共同購入など、脱炭素化に資する支援や啓発活動を行います。
あわせて、エネルギーの地産地消の推進体制の構築や、公共施設を始めとした脱炭素先行地域における再生可能エネルギーの導入拡大等に取り組むとともに、市役所の事務事業における省エネルギー化を推進します。
さらに、先進技術の導入・拡大に向け、国内で初めてのフィルム型ペロブスカイト太陽電池を小学校体育館に実装します。
また、生物多様性の損失を食い止め、回復させる「ネイチャーポジティブ」の実現に向けて、本市においても30by30の国際目標の達成に貢献するため、「生物多様性活動支援センター」を開設し、市民や団体、企業との協働を促進するための体制を構築します。
あわせて、生物多様性の維持・回復・創出のための活動を行う団体等に対し、自然共生サイトの認定・管理に向けた取組を支援します。
次に、文化芸術・スポーツに関する事業です。
大宮盆栽については、大宮盆栽振興ビジョンの実現に向け、その魅力を広く発信するとともに、これからの100年に向けた継承・発展を目指し、地域連携推進体制の検討や、盆栽ビジネスコンテストで提案された有望なビジネスプランの事業化に向けた伴走支援を実施します。
スポーツについても、スポーツ人材の育成や持続可能なスポーツ環境の整備等の更なる拡充を目指し、「(仮称)さいたまスポーツシューレ推進施設」を整備するため、事業者の公募に向けた準備等を進めます。
また、「みる」スポーツを核とした次世代型の交流拠点として、「(仮称)次世代型スポーツ施設」の誘致・整備の検討を進めるなど、スポーツ先進都市づくりを推進してまいります。
このほか、本市の産業発展に向けた取組として、市内産農産物の直売機能や観光農園等の情報発信機能等を備えた農業交流施設を含む「(仮称)さいたま市農業交流公園」について、令和9年4月の供用開始を目指し、Park-PFIによる整備を進めるとともに、AI・IoT等の先進技術を活用した農業に取り組む生産者を支援するなど、農業DXを推進します。
また、地域経済の活性化とともに、災害時の防災拠点としても機能することが期待される「道の駅」について、引き続き整備に向けた取組を進めます。
(誰一人取り残さない地域共生社会の実現)
次に、3本目の柱「誰一人取り残さない地域共生社会の実現」です。社会経済情勢が大きく変化し続ける中、本市に住む誰もが未来に希望(ゆめ)を描けるよう、「誰一人取り残さない」という理念の下で、誰もが安心して暮らすことのできる地域共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
まず、子ども・子育てに関する事業です。
「子育て楽しいさいたま市」を実現するため、本市のこども計画である「第3期さいたま子ども・青少年のびのび希望(ゆめ)プラン」に沿って、「こどもまんなか社会の実現」や「少子化対策・子育て支援の推進」に必要な取組を更に強化します。
こどもまんなか社会の実現に向けては、子どもを権利の主体として位置付け、権利の保障を図る「(仮称)子どもの権利条例」の制定に向けて、広く子どもから意見を取り入れるためのワークショップやアンケート調査を実施するとともに、子どもが主体となる検討会議を立ち上げます。
あわせて、いじめ問題に対して早期に介入し、解決を図る仕組みを導入するため、学校や教育委員会から独立した第三者機関として、「いじめ問題救済委員会」を設置します。
また、生活困窮世帯の小中学生や高校生等を対象に、学習支援や居場所を引き続き提供するとともに、養育環境に課題を抱える児童を対象とした常設型の居場所に対する支援を拡大します。
子ども食堂やフードパントリー等に対する支援も進め、官民が連携して、身近な地域で安全・安心に過ごせる子どもの居場所づくりに取り組みます。
また、不登校児童生徒の学びの機会を確保するため、本年4月に学びの多様化学校「さいたま市立いろどり学園小学部・中学部」を開校するなど、不登校支援の充実を図ります。
本市の知的障害のある児童生徒に対しては、良好な教育環境を提供するため、市立特別支援学校の設置に向けて、基本計画を策定します。
このほか、良好な教育環境の確保と避難所機能の強化を図るため、小学校の体育館への空調設備の設置を進めます。洋式トイレの整備については、令和10年度の完了を目指して取り組みます。
少子化対策・子育て支援の推進に向けては、若者に対するライフデザイン形成支援や結婚支援に取り組むとともに、妊娠・出産期から青年期まで、各ライフステージに応じた、きめ細かな支援を実施します。
産後ケア事業についても、必要性の高い方々が一層利用しやすくなるよう、提供体制を拡充するほか、新たに5歳児健康診査を実施することで、出生後から学童期への切れ目のない健康診査体制の強化を図ります。
家計負担を軽減する観点からは、小学校給食費について、国の財政措置に併せて本市も独自の支援を実施することにより、食材費の価格が上昇する中でも質と量を保ちながら、無償化を実施します。中学校給食費についても、引き続き、食材費の価格上昇分に対して支援を実施します。
また、社会全体で子育てを支える環境を整備するため、現在試行的に実施している「こども誰でも通園制度」を、本年4月から、新たな給付制度として本格的に実施します。
放課後や朝の児童の居場所を確保することも重要です。
令和10年4月に放課後の待機児童を解消するため、放課後子ども居場所事業を市内25校に拡大して実施するとともに、早期に実施ができない学区については、民設放課後児童クラブの整備を促進してまいります。
小学校始業前の時間帯においても、児童が安心して過ごすことができる居場所を提供するため、学校施設を活用し、朝の見守り事業を試行的に実施します。
また、私立認可保育所等において、障害や心身の発達に遅れのある児童の受入れを促進するため、新たに受入れ体制を整備した保育所等への補助を行うとともに、私立幼稚園等についても、受入れの拡大を促進します。
市立特別支援学校に在籍し、登下校時に医療的ケアを必要とする児童生徒についても、教育環境の充実と保護者負担の軽減を図るため、通学時に看護師を派遣する支援を開始します。
こうした保育園や幼稚園、放課後児童クラブ等で働く人材をしっかりと確保するため、保育士や幼稚園教諭、放課後児童支援員等の処遇改善のための支援を拡充します。
次に、様々な課題を抱える方々への支援に関する事業です。
まず、地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の整備を推進するため、孤独・孤立に関する実態調査や関係団体とのネットワークの構築に取り組むほか、コミュニティソーシャルワーカーの配置を7区に拡大し、直接出向くアウトリーチ等を通じ、制度の狭間にある生活課題を抱えた方々への伴走型支援を行います。
また、セーフティネットの充実を図るため、生活困窮者等に食料提供を行うフードバンク実施団体の活動を支援します。
また、誰もが生き生きと長生きできるまちづくりに向けて、認知症の方々が住み慣れた地域で暮らしを継続できるよう、認知症と共生するまちづくりの拠点である「認知症フレンドリーまちづくりセンター」の運営を通じて、「新しい認知症観」の普及啓発を行います。
認知症の早期発見に向けても、新たなセルフチェックツールを導入し、もの忘れ検診の受診を促進します。
新型コロナウイルスワクチンの接種については、重症化リスクの高い高齢者等が接種を受けやすくなるよう、現在実施している公費負担を更に拡大し、個人の負担額を軽減します。
さらに、本年11月の「ねんりんピック彩の国さいたま2026」を機に健康づくりへの関心をより高めていただけるよう、埼玉県と連携して、大会を盛り上げてまいります。
障害のある方々に対しては、地域で自立した生活を営めるよう、生活における不便を解消するための日常生活用具の給付や、地域での生活や社会参加のために必要な外出を行うための移動支援を引き続き実施します。また、発達障害のある方に対する地域支援体制を強化するため、地域支援マネジャーの配置を拡充します。
さらに、心身障害のある方々の医療費負担の軽減を図るため、心身障害者医療費の支給対象者について、精神障害者保健福祉手帳2級をお持ちの方々にまで拡大します。
こうした地域での生活を安心して送るためには、訪問介護等サービスの事業者による安定した支援提供体制を確立することが不可欠です。このため、ホームヘルパーの常勤化や人材確保・経営改善に向けた事業者同士の連携による取組を支援するとともに、介護福祉士や介護支援専門員、障害福祉サービスに従事するための資格取得に必要となる研修費用や受験料等に対し、新たに補助を実施します。
(DXと共創によるまちづくりの推進)
最後は、4本目の柱「DXと共創によるまちづくりの推進」です。DXの推進と、行政、市民、事業者等の連携・協働による「共創」により、地域の活力と絆を更に高め、暮らしやすく活気のあるまちづくりを推進してまいります。
まず、地域コミュニティへの支援に関する取組としては、自治会活動の活性化・事務効率化を図るため、電子回覧板機能を含む自治会支援アプリの導入を支援するとともに、自治会向けのデジタル技術活用講座を実施します。
また、デジタル地域通貨機能を搭載した「さいたま市みんなのアプリ」については、デジタル地域通貨により、市民生活への支援を実施するとともに、地域活動の担い手に対し、ポイントを付与すること等を通じて、地域経済や地域コミュニティの活性化に取り組んでまいります。
あわせて、市民生活の利便性の向上と行政コストの削減を図るため、アプリとの連携による学校集金サービスの導入を拡大するなど、アプリ機能と行政サービス等との連携を強化します。
また、人々の交流を支える移動手段の確保に向けては、高齢化が進む中、地域における身近な移動を支えていくため、 地域の方々の共助によって運営するグリーンスローモビリティについて、本格運行を見据えた実証実験を行います。
公共交通の補完としては、交通事業者との連携を強化し、シェア型マルチモビリティの拡充・展開を図っていくほか、次世代モビリティとして、自動運転バスの実装化を目指し実証実験を実施します。
次に、様々な主体との協働に関する取組としては、「公民+学」の連携・協力の下、民間事業者による新しい技術を活用した生活支援サービスの実装の支援等を行うことにより、「スマートシティさいたまモデル」を推進します。
また、市民や企業との協働による取組を強化するため、イノベーションの創出に向けた市内企業の産学連携及び研究開発等の取組への支援や、市民活動団体が実施する公益的な事業への支援を実施します。
また、公共事業における適正な労働環境の整備や品質の確保を図る公契約条例について、学識経験者等で構成された検討会議を設置するなど、制定に向けた取組を進めてまいります。
このほか、行政DXの推進として、本年1月に全区へ導入した「書かない窓口」について、住民サービスの向上と業務の効率化を一層進めるため、関連する業務システムとのデータ連携を強化します。
また、eLTAXを活用した納付について、税以外でも利用できるよう環境整備を進めるほか、電子申請・届出サービスを利用した手続における手数料等の納付について、決済方法を拡充します。
また、引き続きクラウドシステムやRPA等のシステムを積極的に活用することで、一層の業務効率化を図るとともに、データに基づく質の高い施策展開を推進するため、シティスタット基盤の環境整備を行うほか、統計や政策判断に関する職員の能力強化を進めてまいります。
次に、総合振興計画の重点戦略の柱に沿って、関連事業も含めて申し上げます。
1 ゼロカーボンシティの実現と豊かで多様な自然環境の未来への継承
「ゼロカーボンシティの実現と豊かで多様な自然環境の未来への継承」については、電動車等の普及を促進するため、「E-KIZUNA Project」に引き続き取り組み、市民・事業者への支援策やEV教室等の啓発活動を実施します。
また、見沼田圃の保全・活用・創造に向け、見沼田圃の多様なグリーンインフラを活用した取組や情報発信を強化するとともに、自然環境に配慮した「(仮称)加田屋公園」の整備を進めます。
また、令和9年3月から横浜市で開催される2027年国際園芸博覧会において、本市の特性や魅力を発信するため、屋外庭園を会場内に整備します。
2 一人ひとりが“健幸”を実感できるスマートウエルネスシティの創造
「一人ひとりが“健幸”を実感できるスマートウエルネスシティの創造」については、楽しみながら歩くことを中心とした市民の継続的な健康づくりを支援するため、さいたま市健康マイレージ事業を実施します。
また、生活習慣病の重症化やフレイルの効果的な予防のため、医療・介護のデータを活用して高齢者の健康状態を把握し、保健指導や「通いの場」等での健康教育等を実施します。
また、歯科診療や歯科保健サービスを受けることが困難な方々への支援体制を充実させるため、「(仮称)さいたま市口腔保健センター」の整備に向け、建設工事に着手します。
3 笑顔あふれる日本一のスポーツ先進都市の創造
「笑顔あふれる日本一のスポーツ先進都市の創造」については、あらゆるスポーツを楽しむ機会を提供するため、各関係団体と連携してアーバンスポーツの体験イベントを実施します。
また、JCHOさいたま北部医療センター跡地について、昨年締結した基本協定に基づき、公民館、児童センター等の公共施設と、屋内スポーツ施設等の民間施設の一体的な整備を進めます。
また、多くの市民の皆様が楽しめる「さいたまマラソン」を引き続き開催するほか、「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」について、引き続き公費負担の抑制に留意しながら、開催に向けて支援します。
4 子どもたちの未来を拓く日本一の教育都市の創造
「子どもたちの未来を拓く日本一の教育都市の創造」については、市立中学校の35人学級を推進するため、教室確保に向けた教室の改修や仮設校舎の設置を行います。
また、過大規模校の解消を図るため、本年4月に大和田小学校を開校するとともに、学校施設の有効利用のため、開校後に屋内温水プールの市民開放を行います。
小中学校における水泳授業については、質の向上と持続可能で機能性・合理性を高めた教育環境を整備する観点から、民間委託による実施を拡大します。
また、中学校の休日部活動の地域展開に向け、引き続きモデル校における検証を行い、受け皿となる運営団体と地域、行政の連携体制について更に検討を進めるなど、全校実施に向けた取組を推進してまいります。
5 ヒト・モノ・情報を呼び込み、東日本の未来を創る対流拠点都市の創造
「ヒト・モノ・情報を呼び込み、東日本の未来を創る対流拠点都市の創造」については、広域道路ネットワーク構築のため、新大宮上尾道路等の整備を促進するほか、核都市広域幹線道路の概略計画の取りまとめに向けて、国や県と連携して検討を進めます。その他の幹線道路についても、引き続き整備を推進します。
また、東日本の対流拠点という本市の優位性を生かして企業立地を促進するため、企業誘致活動を推進するとともに、産業集積拠点の創出に向けた官民連携による取組を進めます。
また、国内外からの観光誘客の促進や関係人口の増加のため、昨年多くの方に御来場いただいた氷川神社のライトアップ事業を引き続き実施するなど、地域資源を生かした観光振興に取り組みます。
6 子どもから高齢者まで、あらゆる世代が輝けるまちづくり
「子どもから高齢者まで、あらゆる世代が輝けるまちづくり」については、子育て世帯の様々なニーズに応えるため、認可保育所等の整備を進めるなど、多様な保育の受け皿を確保するほか、子育て世帯の負担軽減のため、子育てヘルパー派遣事業やファミリー・サポート・センター事業について、より多くの方々が利用できるよう、力を入れて取り組んでまいります。
また、ケアラーやヤングケアラーを支えるため、社会的な認知度や理解の向上を図るとともに、ケアラー等からの電話などによる相談や、ヤングケアラーのいる家庭への訪問支援等を実施します。
また、地域における介護予防の取組を強化するため、介護予防の普及・啓発やボランティアの育成を行うほか、高齢者等の外出を支援するため、地域住民等が主体となり実施する移動支援事業に対して、補助を拡大します。
このほか、子どもから高齢者まで誰もが安心して利用できる身近な公園の整備のため、新規整備や改修を行うとともに、夏場の暑さ対策など多様化するニーズへの対応を図ります。
7 激動する新時代に「未来技術」で躍動する地域産業づくり
「激動する新時代に「未来技術」で躍動する地域産業づくり」については、市内中小企業のDX推進やブランディングなど、生産性や付加価値の向上に向けた取組を支援します。
また、就労と企業の人材確保を支援するため、仕事を探している方々を対象とする講座や市内企業とのマッチングを実施するほか、企業による女性活躍・両立支援の取組を促進します。
また、オーガニックビレッジ宣言を行った本市として、地場産農産物の流通や消費拡大に向けて、環境と調和がとれた持続性の高い農業生産活動への支援、情報発信や販売促進イベントを実施します。
8 災害に強く、市民と共につくる安全・安心なまちづくり
「災害に強く、市民と共につくる安全・安心なまちづくり」については、地域防災の中核的存在である消防団の充実強化のため、消防団員の確保に取り組むとともに、植竹地区、宮原地区への消防分団車庫の新設等を進めます。
また、市民の安全・安心を確保するため、地域の自主防犯活動を支援します。自転車の安全な利用も推進し、高齢者を対象とした自転車交通安全教室をより多くの方々に受講していただけるよう、参加者に対し、ヘルメットの購入費用を引き続き補助するとともに、開催場所等の見直しにも取り組みます。
また、宅地造成や特定盛土等に伴う崖崩れや土砂の流出による災害を防止するため、必要な調査と規制を実施します。
9 環境に配慮したサステナブルで快適な暮らしの実現
「環境に配慮したサステナブルで快適な暮らしの実現」については、循環型社会を実現するため、市民、事業者、行政が連携して、食品ロス削減を始めとする一般廃棄物の3Rに向けた取組を拡大していく必要があります。
このため、本年10月から、製品プラスチックの一括回収を開始し、プラスチックリサイクルを拡大します。これにより、限りある資源の有効活用を一層推進するとともに、焼却量や最終処分量の削減を進めます。
10 絆で支え合い、誰もが自分らしく暮らせるまちづくり
「絆で支え合い、誰もが自分らしく暮らせるまちづくり」については、地域の自治会活動の活性化に向けた支援を行うほか、差別やインターネット上の誹謗中傷のない社会を実現するため、様々な人権施策を推進するとともに、ネットリテラシーの向上や誹謗中傷等に関する相談窓口の運営を通じて、被害者支援を実施します。
また、文化芸術都市の創造に向け、市民が主体となった文化芸術活動を持続・発展させていくため、アーツカウンシルさいたまを運営し、芸術活動支援や文化発信プロジェクトを実施するとともに、令和9年度のさいたま国際芸術祭の開催に向けた準備を進めます。
11 質の高い都市経営の実現
最後に、「質の高い都市経営の実現」については、多様化・複雑化する行政課題に柔軟に対応するため、多様な公民連携手法を活用し、行政コストの削減を図りながら、質の高い公共サービスの提供を実現します。
多様化する市民ニーズや新しいライフスタイルに対応するため、手続のオンライン申請の利用率を向上させるなど、市役所のDXを推進します。
また、自主財源確保のため、個人版ふるさと納税や企業版ふるさと納税の受入れ拡大に向けた取組を推進します。
また、職員等への不当な要求等を無くし、業務の公正かつ適正な執行を確保するため、今定例会中にカスタマーハラスメント対策基本方針を公表し、環境整備を進めてまいります。
また、本市のSDGsを更に推進するとともに、国際社会に発信することでポスト2030に向けた世界的な議論に貢献するため、市内高校生と協働で、本市のSDGsの取組を評価する「自発的自治体レビュー」の作成に取り組みます。
さいたま市誕生25周年の節目に当たり、私たちは、過去を振り返るのみならず、先人たちの根底にある精神から多くを学び、彼らが遺した叡智を深く理解して、本市の未来を形作るための確かな羅針盤にしていかなければなりません。
埼玉県出身であり、本市の鉄道や人形などの歴史・文化、そして近代日本の発展に大きな功績を残した渋沢栄一翁は、その著書『論語と算盤』の中で、次のような言葉を遺しています。
「事を行うには、まずその理を明らかにせざるべからず。」
渋沢翁は、農家に生まれ、家業の手伝いを通じて商売の基本を身に付ける傍ら、幼少期から学んできた「論語」の影響も受けて、道徳に適う経済活動の必要性を提唱しました。幕臣に登用され、パリ万博や欧州各国を訪問した際にも、我が国の発展に向けて近代国家としての基礎を構築するためには、あらゆる主体が一丸となって社会公益を追求していく必要があることを痛感するに至ります。帰国後、渋沢翁は、この「公益」を第一とする信念の下、約500もの企業の設立・育成に尽力しましたが、その根底にあったのが、今御紹介した言葉です。
これは、「事業を行う際には、必ず道徳的・倫理的な大義名分や目的を明確にしなければならない。社会全体の利益に資する事業こそが、長期的かつ永続的に成功する」という教訓です。
先ほど、令和8年度に本市が実施する事業について御紹介しましたが、それぞれが本市の利益や全体最適にどう繋がるのかということを常に問い質し、市民の皆様に丁寧に御説明していく姿勢こそ、本市が、皆様と共にシンカし続ける上で必要不可欠な要素であると言えます。
また、渋沢翁のお考えを表す言葉として、次の「夢七訓」も語り継がれています。
「夢なき者は理想なし。理想なき者は信念なし。信念なき者は計画なし。計画なき者は実行なし。実行なき者は成果なし。成果なき者は幸福なし。ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。」
これは、夢を持つことが幸福に辿り着く、最初にして最も重要な一歩であることを強調した言葉です。
まさに、市民一人ひとりが未来に向けて「希望(ゆめ)」を描き、それを実現し、しあわせを実感していただけるまちづくりこそ、私が市長就任以来追求してきた、私の「希望(ゆめ)」そのものです。
令和8年度からは、次の5年後を見据えて明確な目標を掲げた、新たな「総合振興計画実施計画」も始動いたします。四半世紀のさいたま市政を支えた先人たちの思いを胸に刻み、市民、企業、団体等の皆様とも協働しながら、この計画を一丸となって着実に実行し、成果をしっかりと生み出すことで、本市の輝かしい未来へ向けて、歩を確実に進めていくことを改めてここに誓います。
さあ、次の25年先へ。シンカする大都市さいたまの未来を、共に創ってまいりましょう。
以上、令和8年度の市政に臨む私の所信及び市政の基本方針を申し上げました。市民の皆様及び議員各位の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、今定例会に提出いたしました議案は104件でございます。
専決処分報告議案が1件、予算議案といたしまして、補正予算が17件、新年度予算が17件、また、条例議案が31件、一般議案が38件でございます。
何とぞ慎重なる御審議の上、各議案につきまして、御承認を頂きますようお願いを申し上げます。
令和8年2月3日
さいたま市長 清 水 勇 人
都市戦略本部/都市経営戦略部 企画・広域行政・SDGs推進担当
電話番号:048-829-1033 ファックス:048-829-1997