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更新日付:2024年12月4日 / ページ番号:C003126
伝染性紅斑は、ヘルパンギーナや手足口病、咽頭結膜熱と同じく、毎年初夏から秋にかけて流行する「夏型感染症(いわゆる“夏カゼ”)」の代表的な疾患です。
伝染性紅斑は、両頬(りょうほほ)と手足の紅斑(赤い発疹)を特徴とするウイルスによる病気です。両頬の紅斑がリンゴのようなホッペということで、「リンゴ(ほっぺ)病」とも呼ばれています。中学生ぐらいまでのお子さんに多い病気ですが、乳児や大人がかかることもあります。
原因となるウイルスは、ヒトパルボウイルスB19型または、エリスロウイルスB19型とも呼ばれる1種類のウイルスです。このウイルスは、ヒトだけに感染し、分裂中の細胞に感染しないと生き残れません。そのため、骨髄や腸、胎児などに感染します。
感染経路は、飛沫感染(感染者のだ液や鼻水、たんなどに含まれているウイルスが咳などで飛び散り、吸い込むことにより感染)に加え、接触感染(患者のさわったタオルや食器を介して、汚染された手で口などをさわることにより感染)です。
ただし、ウイルスが排出されるのは、紅斑が出現する1週間ぐらい前で、「カゼを引いたかな?」という時期に限られます。従って、伝染性紅斑と診断されたときには人に感染させることはありません。
ウイルスに感染してから紅斑が出るまでの期間(潜伏期間)は4~20日です。
まず、頬に赤い発疹が現れて気づきます。続いて手足や体のほかの部分にレース状の赤い発疹が出現します。発疹は1週間程度続き、自然に回復します。大人の場合、発疹に加えて手や腕、ヒザ関節の痛み(関節炎)が出ることがあり、数週から数ヶ月で回復します。伝染性紅斑と診断されるための症状は紅斑ですが、紅斑が出現する1週間ぐらい前に、微熱など「カゼを引いたかな?」という症状が出る人もいます。
伝染性紅斑には、専用の治療方法はなく、対症療法になります。基本的には合併症もなく、経過が良好な疾患なので、診断がついても特別な対応は必要ありません。
ただし、次の場合は注意が必要です。慢性貧血症や免疫力の弱い方(がんがある人や臓器移植を受けた人など)では重い貧血を起こし、貧血の治療が必要になることがあります。また、胎児が感染すると、流・死産、胎児の浮腫(むくみ)と貧血(“胎児水腫”といいます)を起こすことがあるため、妊婦さんも注意が必要です。これらの方は、伝染性紅斑と診断された方が身近にいる場合、主治医に相談してください。
手洗いとうがいの徹底が基本です。伝染性紅斑と診断される(紅斑の症状が出る)前の時期に感染力があるため、日頃からの手洗いとうがいが最大の防御手段です。免疫力の弱い方や、妊婦さんなどは、お住まいの地域で伝染性紅斑が流行している時期は、「カゼ」の症状がある人に近づかないことが大切です。
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