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更新日付:2025年11月5日 / ページ番号:C117030

里地里山維持管理ガイドラインを作成しました。

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里地里山維持管理ガイドラインとは

 見沼田圃のような人の手が加わって維持管理されてきた二次的自然環境(里山)に生息・生育する生きものを保全するためには、継続的な
維持管理が必要です。
 しかし近年、農業従事者の減少・高齢化や後継者不足などによる荒地化した農地の増加や、見沼田圃の環境保全活動に精力的に取り組んで
いる関係者の高齢化による後継者や協働者の不足が大きな課題となっています。
 そのため、より少ない労力で効果的に環境を維持し、生物多様性を高めることを目的とした里地里山維持管理ガイドラインを作成しました。

○ガイドラインのコンセプト
 見沼田圃本来の生物多様性保全を目指した草地・湿地の低コスト管理

 なお、ガイドライン作成に当たって令和5年度、令和6年度に実証試験を実施しました。

○実証試験の目的
 見沼田圃地域の生物相の多様化が図れるような維持管理手法を検討し、草地・湿地の低コスト管理手法に係るガイドラインを作成するため
に協同実施団体と実証試験を行いました。

○協同実施団体
 NPO法人エコ.エコ
 東京パワーテクノロジー株式会社

○実証試験の内容
  見沼田圃地域内から生物多様性向上のポテンシャルを持つ里山(湿地)の代表地点として NPO法人エコ.エコが管理する湿地(以下、「
マルコ」と呼ぶこととします。)の一部を実証試験の対象地として選定し、開放水面などの環境整備(プレ整備)を実施しました。
 プレ整備による環境の変化や草刈回数に変化をつけることで、生物の生息・生育状況にどのような変化が生まれるのかを明らかにし、その
成果を里地里山維持管理ガイドラインに取り入れました。

○実施期間
 令和5年5月~令和7年3月

※生物相とは、特定の地域に生息・生育する生物の種類組成のことです。
※マルコとは、NPO法人エコ.エコが管理している湿地のことであり、エスペラント語で「湿地」を意味します。


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図1 実証試験場(マルコ)

実証試験結果

<令和5年度>
 令和5年度は、現況調査(地形、動植物)の実施と、湿性林と解放水面を創出し、環境の多様性を高めるためのプレ整備を実施しました。
 
○実施内容
(1) 現況調査(地形)
 マルコ全域の現況地形を把握するため、縦横断測量を行いました。その結果を試験計画に活用しました。

(2) 動植物調査
 マルコ全域において昆虫類・水生生物・鳥類・その他小動物の調査を実施し、現在の動物生息状況を把握しました。なお、指標対象とする
トンボ類(生体・幼体)についてはマルコ全域に加え、周辺地域においても実施しました。また、植生調査はマルコ内の試験地内において実
施しました。調査の結果は、表1  動植物調査結果の通りです。

(3)プレ整備
 トンボ類の種数や個体数を増やすために開放水面を整備しました(写真1)。また、埋土種子等による低茎湿生草本の発芽と発育を目的とし
て、開放水面を囲むように浅めに掘削し、底床へ日光が当たるようにした湿生草本エリアを整備しました(図2)。

(4)里地里山維持管理手法の試験計画策定
 草地管理の効率化や湿地環境を多様化するための具体的な手法を明らかにするために試験計画(図3)を検討しました。また、実証試験で実
施した内容は次の2つです。
 
 1.草地管理の効率化
  ・河畔林の林床で草刈りを行わないことで、多様性のある林床植生が保てるかどうかを明らかにしました(A1区)。
  ・年の草刈り回数を0回(A0区)、1回(A2区)、2~3回(A3区)、6回(A4区)とした場合、景観や多様性にどのような違いが出るのか明らか
   にしました。
 2.湿地環境を多様化するための具体的な手法
  ・プレ整備を実施した結果、植生や動物相が変化し、多様性に変化があったのかをモニタリング調査を実施しました(B0、B1、B2、B3
   区)。
 
※植生とは、ある地域を覆っている植物体の総称のことです。
※動物相とは、特定の地域に生息する動物の種類組成のことです。
 

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表1 動植物調査結果

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図2 整備計画断面図

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図3 実証試験計画
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写真1 (左:B1開放水面整備状況、右:開放水面整備完了)

<令和6年度>
 令和6年度は、令和5年度に策定した試験計画を基に試験区の管理やモニタリング調査を実施し、その結果からガイドラインを作成しました。

○結果
(1)草地管理の効率化
 試験区(草地)における草刈り回数を0回(A0区)、1回(A2区)、2~3回(A3区)、6回(A4区)とそれぞれ変え実証試験をしたところ、植物の
種類が年0回の草刈りでは14種、年1回では18種、年3回では26種、年6回では30種と増える結果となりました。
 草刈り回数が多いほど種数が増し、植物の多様性が向上したといえるが構成種も変化するため、それぞれの環境がバランスよく存在すること
がさらに植物の多様性に影響することが確認できました。また、河畔林を想定した試験区を設置した結果、年間を通して草高が低く、耐陰性が
ある林床植生に変わっていくことが確認できました。つまり、河畔林の環境を創出することで省管理かつ植物の多様性のある林床を創出するこ
とが確認できました。

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写真2(左:草刈り状況、右:刈り取り後)  
 
(2)湿地環境の多様化(植生や動物相の変化について)
 水辺の多年草草本の内、遷移により優占することが予想される高茎植物ヨシを対象とした刈込とその後の動植物調査を行いました。
結果は、表2の通りです。令和5年度に調査した指標種の種数を基準に、令和6年度の種数が前年度の1.2倍となるように目標値を設定していまし
たが湿生植物1.5倍、トンボ類1.2倍、それぞれ目標値を達成しました。

※遷移とは、ある場所に生息する生物種が時間とともに変化していく過程のことです。

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写真3(左:ヨシ刈り取り後、右:ギンヤンマ)

表2 指標種調査結果
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今後の取組について

 実証試験の結果を踏まえ、「低コスト管理」と「生物多様性の向上」の両方を達成する目的で作成した「里地里山維持管理ガイドライン」を
様々な方にご活用いただき、効果を確かめていただきたいと思います。皆様のご協力で、より効果的なガイドラインにしていくことができます。
皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

○里地里山維持管理ガイドラインの利用方法
 実証試験の結果を踏まえて、湿地環境の要素区分の整理を行いました。コンセプトに沿って、区分ごとに管理内容を決定し、添付ファイルの
とおりに作成しました。
 このガイドラインを活用する際は、将来的にどのような環境にしたいか、どんな植物を維持したいか等の目的・目標を設定し、環境区分に当
てはめ、「草地管理の方針」に沿った管理を行います。管理を行った結果、動植物の種類にどのような変化が起きたか記録することで、その土
地にふさわしい管理手法を見つけることができます。
  
里地里山維持管理ガイドライン(PDF形式 3,806キロバイト)

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この記事についてのお問い合わせ

都市局/みどり公園推進部/見沼田圃政策推進課 
電話番号:048-829-1413 ファックス:048-829-1979

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