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アナザーストーリー

皆さんの未来を描いてみる上での参考として、
人生の少し先を歩く先輩たちからヒントとなるメッセージをいただきました。

私らしい「幸せのバランス」

価値観を軸につかむ、私らしい「幸せのバランス」

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齋藤 良恵(さいとう よしえ)さん

さいたま市出身。大学卒業後、株式会社日さくに入社。地質調査部で技術職として勤務し、まちの土台となる地盤調査(ボーリング調査)を担当。社内では女性技術職として初の育児制度を利用し、仕事と育児を両立中。

おぼろげな未来図を描き始めた学生時代

20歳の頃は、さいたま市にある実家から大学に通っていました。専攻は地球環境科学で、地形や環境にまつわる勉強をしていました。高校時代から明確にこの分野に興味があったわけではなく、受験の時に興味のある環境系の学問と、実家から通える距離を軸に大学を選択しました。学生生活は、講義やアルバイト中心の一般的な生活でしたが、「社会人になったら日々が忙しくなる」と周りの大人から聞いていたので、『自分の時間を大切にすること』を重視し、当時は行きたい場所にたくさん行くようにしました。

そのころの私は、「25歳くらいで結婚、その後、子どもを一人出産する」というライフイベントを、ぼんやりと考え始めていました。そしてその未来図の通り、概ね現在の自分の人生が進んでいると感じています。

いざ就職活動になると、有利な資格を持っていなかったこともあり、「就職できるのか」という漠然とした不安に駆られましたが、「何とかなるだろう」というポジティブな気持ちで臨みました。現在の勤務先「日さく」との出会いは、大学の就職説明会でした。そこで、大学で学んだ知識を活かせる地質調査という仕事内容に魅力を感じ、「ここの会社に就職したい」という強い気持ちが生まれ、この道へ導いてくれたのだと思っています。

現場での成長。仕事のやりがいを実感

私の仕事は、地面に穴を掘って土や岩石を採取し、地盤の硬さを調べるボーリング調査がメインです。これは、建物はもちろん、道路や橋など、まちの土台を支える重要な調査です。地質調査の現場は、業界全体で見れば女性技術者がめずらしい環境ですが、当社の地質調査部では女性が半分近くを占めて活躍しており、私自身もその一員としてこの仕事に就きました。

現場に出てみると調査の業務は覚えることが多く、先輩からの教えをもとに経験を積み、3年目頃からは、ようやく自分で物事を考えて仕事を回せるようになり、成長を実感し始めました。

仕事では、なかなか物事がうまく進まなかったり、調査中に物を壊してしまったりといった失敗もたくさん経験しましたが、これらから得た教訓を、確かなノウハウとして確立するように日々努めています。この経験を、今は後輩指導にも活かしています。後輩には、いつまでに何をすべきか「先が見えるイメージ」を持たせ、自身の失敗談も包み隠さず伝えながらアドバイスをして、技術を継承するように心がけています。

そして、担当業務が無事に終了し、発注者に成果品を納品できた時が、技術者としての大きな達成感です。特に、自分が調査した土地に小学校などが建った時は、何よりも大きなやりがいを感じますね。

周りのサポートで得た、新しい私のライフワークバランス

私にとって最大の分岐点は出産です。出産前は自分の時間を優先できましたが、今は娘が最優先の生活となり、仕事への向き合い方も大きく変わりました。社内に育児制度を利用している人は多くいますが、女性技術職としては育児休業や時短勤務は初めての活用です。

でも、戸惑うことなく働けているのは、会社が復帰前面談などを実施し、私の状況に合わせて働きやすいサポート体制を整えてくれたおかげだと感じています。働き方について困っていることはありません。また、家庭では夫が家事や育児を積極的に担って支えてくれています。休日には自分の時間を持つことで心身のバランスを取り、リフレッシュできています。

この公私両面での支援のおかげで、時間的な制約がある中でも、「限られた時間で成果を出す」という意識が高まり、以前より効率的に立ち回れるようになりました。これは、出産によって得た大きなスキルです。結果として、娘の成長を日々見守りながら 、ライフワークバランスをきちんと保てている実感があります。

そうした充実感の中で、働けていることは喜びであり、また地質調査の仕事は全国が対象ですが、特に生まれ育ったさいたま市の公共施設の建設や、インフラの維持に携わっているときは、地元へ貢献ができているなと感じます。

これから選択や就職を控えた方へのメッセージ

まず簡単なことに挑戦し、小さな成功体験を積み重ねることをおすすめします。例えば、「あの人と仲良くなりたい」と思った時に、いきなり連絡先を聞くのではなく、まずは挨拶から始めてみるなど、徐々に関係を深めていく感じです。失敗は恐れず、失敗をしても何度でもやり直せるので、時には勢いに身を任せてみるなど、行動をしてみてください。

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