市議会だよりさいたま(ロクマル)No.105 2025年12月1日発行(令和7年9月定例会号) ロクマル=60 60人の議員は市民の代表。さいたま市議会の動きをコンパクトに伝えます。 ■■2-3ぺージ------------------------------------------------------------------ トピックス インタビュー  レスリング選手 元木咲良(もとき さくら)さん 自分の強みを磨くことで可能性が無限大に広がります ゴールボール選手 金子和也(かねこ かずや)さん 小さな挑戦を繰り返すことで自分の道が開けると信じています パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会で金メダルを獲得した元木咲良さんと金子和也さんに、市議会の印象やさいたま市への思いなどについて語っていただきました。 元木咲良(もとき さくら)さん 2002年生まれ。埼玉県和光市出身。幼少期よりレスリングを始め、埼玉栄中学・高等学校、育英大学を経て、現在は育英大学助手。パリ2024オリンピック競技大会のレスリング女子62㎏級で金メダルを獲得。2025年レスリング世界選手権(同階級)優勝。同年、オリンピックと各世代別世界選手権をすべて制覇するグランドスラムを達成した。 金子和也(かねこ かずや)さん 2000年生まれ。さいたま市出身。小学校1年生から野球に打ち込むが、9歳の時にレーベル遺伝性視神経症を発症し、視力が低下。2014年に参加したパラスポーツ次世代選手発掘プログラムでゴールボールに出合う。パリ2024パラリンピック競技大会のゴールボール男子代表でキャプテンを務め、金メダルを獲得した。 ■住めば魅力がわかる!わたしたちのホームタウン ◆インタビュアー 本日、決算特別委員会を傍聴いただきましたが、いかがでしたか? ◆元木 子育て支援策について、議員さんや行政の方々がテキパキと真剣に議論されていたのが印象的でした。 ◆金子 子育て支援への熱量を感じましたね。税金の使い道はいろいろありますが、「人」のために生かすことが社会の豊かさにつながると思います。その思いで皆さんが頑張ってくれていると感じました。 ◆元木 本当にそうですね。初めて傍聴しましたが、もっと関心を持とうと思いました。自分にとって身近な問題が取り上げられていることがわかれば、若い世代の人たちも市議会に興味を持つのかなと思います。 ◆金子 市議会は一番身近な政治ですよね。さいたま市には、「スポーツ振興基金」を活用して小中学生からオリンピック・パラリンピック強化指定選手まで広く支援する制度があり、自分も支援を受けることができました。市議会にアンテナを張っておくと、こうした取組をいち早く知ることができますね。 ◆インタビュアー さいたま市での思い出などを教えていただけますか? ◆金子 小学生の時に住んでいた北区の「中山道みやはらまつり」は楽しかったですね。所属していたリトルリーグのチームで、お神輿(みこし)を担いでいました。 ◆元木 大宮の氷川神社の初詣によく行っていました。父と妹と、犬も一緒に、自宅から往復2時間ぐらいかけて走っていくんです。 ◆金子 それはすごい! 自分は今も市内に住んでいますが、たとえ市外に住むことになっても、ここがホームタウンであることは変わらないと思います。先日、友達が市内で結婚式を挙げたんですが、二次会は、もちろん大宮駅東口の居酒屋で。地元好きの友達は多いですね。 ◆元木 わたしは現在、群馬県前橋市に住んでいますが、どこへ行くにも車が必要で、さいたま市の便利さに改めて気づきましたね。住みやすいし、子育て支援も充実しているし。さいたま市の魅力は、住めばわかる〝帰ってきたくなるまち〞なのかもしれません。 ■「スポーツのまち さいたま」を一緒に盛り上げていきたい ◆インタビュアー それぞれの競技の魅力と、スポーツに関して市や市議会に望むことを教えてください。 ◆元木 レスリングは、いろいろな特徴がある選手が活躍しているんです。大きい選手もいれば、小さい選手もいるし、力が強い選手もいれば、スピードがある選手もいる。自分の個性を生かせば、誰でも強くなれるのが魅力です。 ◆金子 ゴールボールはアイシェード(目隠し)を着けて、鈴の入ったボールを相手ゴールに投げる競技です。誰でも楽しめるし、障がいの理解にもつながる、インクルーシブ(包括的な)スポーツでもあるんです。 ◆元木 わたしもできるんですか? ◆金子 もちろん! ゴールボールでは1.25㎏の球が豪速球で飛んできます。それを打ち返すには、床を使って俊敏に動く瞬発力とフィジカルの強さが必要なんです。そこがレスリングに少し似ているので、元木さんなら有力選手になれると思います。 ◆元木 確かに、レスリングでも、タックルに入る時は床を強く蹴ることが大切です。やってみたいですが、気軽にできる環境がまだ少ないですよね。 ◆金子 ゴールボールは、バレーボールコート一つ分の場所が確保できれば、プレーできます。学校や市営の体育館にバスケットやバレーのボールがあるように、ゴールボールも置いてあれば、もっと多くの人が楽しめるようになると思います。普及のために、僕らもあちこちで体験会を開催しています。 ◆元木 レスリングも、専用マットがあれば対戦できます。女子レスリングは、競技人口は少ないのですが、埼玉県内には世界のトップ選手が多いんです。競技人口が増えれば、もっと強くなれる可能性を秘めているので、市には多くの人が挑戦できる環境や機会を充実していただき、「スポーツのまち さいたま」を盛り上げていきたいですね。 ■夢をあきらめない その先に新しい世界が待っている ◆インタビュアー スポーツに取り組む子どもや市民に向けてトップをつかむ秘訣を教えてください。 ◆元木 わたしは小さい頃からずっと勝ち続けているわけではありません。ケガを繰り返して、「レスリングを続ける意味があるのかな」と思った時期もありました。でも、いろいろな方に支えられ、練習できない期間は動画をたくさん見たり、レスリングを研究する時間に費やしたところ、復帰後は以前よりレスリングが大好きになり、競技力がすごく伸びていることに気づきました。ケガがなかったら、オリンピックに出られていなかったし、金メダルも夢のまた夢で終わっていたかもしれません。 ◆金子 ケガですごく苦しくても、その間にたくさん研究して競技力向上につなげたのがすごいです! 技を磨くには、まず自分の目を養うことも大事ですよね。 僕は2021年から始めたウエイトトレーニングが、勝因の一つでした。とはいえ、すぐに結果に結びついたわけではなく、東京2020パラリンピックは5位、続く世界選手権も6位で「これが自分の限界か……」と考えてしまったこともありました。でもその時、トレーナーさんが「ウエイトトレーニングの効果が出るのは3年後からだ!」と教えてくれたんです。その言葉が現実になったのが、パリ2024パラリンピックでした。 ◆元木 絶対あきらめない、その先に新しい世界が待っているんですね。わたしは、運動神経は良くないし、不器用なタイプで。ただ、自分の強みを見つけて、磨き抜けたことで道が開けました。これはスポーツに限らず、すべてに共通すると感じています。 ◆金子 僕も9歳の時に目が見えにくくなってから「できることを見つけて挑戦していこう!」と決めました。挑戦を続けて、できることを一つずつ増やしていけば、自分の道が必ず開けると信じています。今、何かに打ち込んでいる皆さんも、あきらめずひたむきに頑張ってほしいですね。 ■■4ページ------------------------------------------------------------------ クローズアップ 令和7年9月定例会(9月3日~10月17日/会期45日間) ■令和6年度の決算を認定 議案第137号 令和6年度さいたま市一般会計及び特別会計歳入歳出決算の認定について ほか3議案 令和6年度の一般会計決算額は、歳入7,258億7,000万円、歳出7,167億5,400万円となり、決算規模は過去最大となりました。議案は、10日間にわたり審査が行われた後、本会議での採決の結果、すべての決算議案が認定されました。また、審査の過程で指摘した改善点や要望などを提言書として13項目にまとめ、市長に提出しました。 <令和8年度の予算編成に向けた主な提言内容> ●入札不調件数低減のため発生原因の分析と適切な対応 ●学校施設の管理における不具合の発生など不測の事態に対応できる体制の構築 ●管理不全のマンション及び空き家等の利活用の促進や改善措置の強化に向けた取組 ●路線バスやコミュニティバスへの必要な支援と多様な移動手段の確保 ●市立病院の財政支援の強化や人材育成など経営改善に向けたあらゆる措置 ■令和7年度の補正予算議案を可決 議案第129号 令和7年度さいたま市一般会計補正予算(第4号) ほか7議案 子ども・子育てを支える都市の実現、ゼロカーボンシティの実現に向けた脱炭素の加速化などに要する経費について、市長から令和7年度の補正予算議案が提出され、可決されました。 <主な事業> ●令和8年度からの放課後子ども居場所事業の本格実施 ●国の要綱改正に伴う放課後児童クラブ委託料の基本額等の増額 ●ごみ焼却施設で発電された余剰電力を市内公共施設に供給・利活用するエネルギーマネジメントシステムを導入することにより電力の地産地消を推進 ■副市長を選任する議案に同意 議案第170号 副市長の選任について 髙橋 篤(たかはし あつし)副市長の任期満了に伴い、新たに佐野篤資(さの あつし)氏を選任する人事議案が同意されました。 ■市議会から国へ意見書を提出 議員提出議案第5号 地方の福祉人材確保の取組に向けた財政措置を求める意見書 国において、今後の地方における福祉人材確保の取組に支障が生じないよう、必要な財政措置を講じることを求める意見書案が議員から提出され、可決されました。 9月定例会で審議された議案 市長提出議案42件、議員提出議案1件/合計43件 このほかの議案などの審議結果は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 ■■5-10ページ------------------------------------------------------------------ 議員のQ&市のA 9月定例会「代表質問・一般質問」ダイジェスト すべての質問の様子は、インターネット議会中継(録画配信)でご覧になれます。 代表質問 7会派8人の議員が、市政に対する代表質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 質問者 西山幸代(にしやま さちよ)/吉田一志(よしだ ひとし)/上三信 彰(うえさんのぶ あきら)/井原 隆(いはら ゆたか)/都築龍太(つづき りょうた)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/吉村豪介(よしむら ごうすけ)/中山欽哉(なかやま きんや) ■立憲 ◆手話への理解促進と普及 「手話の日」の取組などは Q.法律で定められた9月23日「手話の日」における市の取組は。また、手話言語条例の制定に伴う手話に対する理解の促進、手話の普及に向けての庁内での取組を伺う。 A.「手話の日」の取組として、市報に、手話は言語として認められていることなどを掲載した。また、手話言語の国際デーでもある9月23日には、本庁舎東側において啓発のためのブルーライトアップを実施する。庁内では、障害福祉部の職員が手話の挨拶を習得し、窓口などで活用できるよう講習会を実施しているほか、職員の業務用パソコン起動時に簡単な手話画像が表示されるよう設定し、手話の挨拶を学べるよう工夫している。 ◆妊産婦・乳児のための避難所 設置に向けた進捗状況は Q.災害時における「妊産婦・乳幼児福祉避難所」設置の進捗状況は。また、専門的知見を有する助産師会が避難所設置に係る関係機関との協議に出席することへの見解は。 A.本市では、一般の避難所における要配慮者スペースの優先確保や授乳スペースの確保などを基本としているが、さらに安心して避難生活を送れる環境の確保は重要な課題と認識しており、妊産婦・乳児のための福祉避難所の設置に向け検討している。現在、民間施設も含めた避難所候補地の選定など庁内で整理を進めている。今後は、助産師会とも協議を行っていきたいと考えており、早期設置に向けて取り組んでいく。 ■公明党 ◆子どもがいつでも遊べる場 全天候型遊び場の設置を望む Q.近年、子どもが安全・安心に遊べる場所が減少していることから、「全天候型の子どもの遊び場」を併設した第二の子育て拠点施設の設置を提案するが、見解を伺う。 A.全天候型の子どもの遊び場を含む子育て拠点施設については、子どもや子育て家庭のニーズに合致するものと認識している。現時点では、第二の子ども家庭総合センターの設置は考えていないが、引き続き既存の公共施設などを活用して、幅広い年代の子ども・若者が年間を通じて安心して遊び、過ごせる場所の確保に努めるとともに、他自治体の事例なども参考に多機能型の子育て拠点施設についても研究していく。 ◆身近に頼る人がいない高齢者 老後を安心して過ごすために Q.身寄りのない高齢者が老後を安心して暮らせるよう、身元保証や終活支援、日常生活支援などの総合的な支援体制を構築すべきと考えるが、市の見解を伺う。 A.本市では、「高齢者くらしあんしん事業」を実施しており、今年4月からは「成年後見・終活関連窓口一覧」を作成し、適切な相談先につなげる支援を行っている。また、身寄りのない高齢者が直面する困りごとに備えるために、終活をテーマとしたセミナーの開催などを予定している。さらに今年7月には、高齢者福祉施策の在り方を審議会に諮問し、検討を進めることとしている。 ◆国が給食費無償化の方針 詳細不明確の中どう進める Q.近年の物価高騰は家計に大きな負担を与えており、給食費の負担軽減は市民の強い関心事となっている。給食費無償化に向け、どのように準備を進めるのか見解を伺う。 A.現段階では、国から詳細が示されていないため、他政令指定都市の制度と実施状況を確認し、実施に当たり想定される共通の課題などについて整理を行っている。国から交付される金額が給食食材料費に対してどの程度充足するのか、具体的な運用方法について様々な角度から検討を行っている。今後、国の制度が示され次第、速やかに実現できるよう、引き続き準備を進めていく。 ◆加齢による聴力の低下 予防や対処に支援が必要 Q.聴覚の状態を気軽に確認できるようアプリやチェックシートを活用することや、国の交付金を活用して補助器購入費補助を実施すべきと考えるが、市の見解は。 A.11月開催の講座でチェックシートの活用を予定しており、今年3月には新たなホームページを公開するなど普及啓発を強めている。アプリの活用は、効果的な方法を研究したい。交付金を活用した補助器購入費補助は、本市では当該交付金を介護保険料の上昇抑制に使っている。全国一律の公的助成制度の創設が最善と考えるが、高齢者の孤独・孤立の観点での助成制度も研究していく。 ◆直撃する物価高騰 物価上昇を上回る賃上げへ Q.生産性向上支援を土台に、価格転嫁の促進、人材確保、官公需改革を一体的に推進することが、中小企業の賃上げにつながるものと確信するが、市の見解を伺う。 A.中小企業の賃上げに向け、本市では生産性向上の支援や適正な価格転嫁の推進の支援など、企業の経営基盤の強化に取り組んでいる。人材確保については、求職者とのマッチング支援などにより企業の人材力の強化を支援している。官公需については、受注しやすい環境整備を進めており、これらの取組が勤労者の賃上げや消費拡大、地域経済の持続的な成長につながるものと考えている。 ■さいたま自民党 ◆大宮GCS化構想 一部事業を先行着手しては Q.大宮GCS化構想はすでに10年以上検討が続いている。都市計画決定を早期に進め、利便性向上のため東武線ホーム移設と東西連絡通路東入口の整備に先行的に着手しては。 A.GCSはいろいろな計画が相互に関連しているため、全体像が見えないまま一つの事業だけ都市計画決定して、地権者に権利制限をかけることはできない。骨格となる部分について、しっかりと全体計画を立て都市計画決定し、骨格の決定ができたら可能なところから順次事業に入る構造となっている。関係機関や地権者との協議を鋭意進めており、一刻も早く取組を進めていきたい。 ◆中央区役所周辺公共施設 再編事業の早期再公募を Q.本市では大型事業の入札不調が続いているが、中央区役所周辺の公共施設再編は複数の公共サービスを提供する大事な事業であるため、早期の再公募を実施すべきでは。 A.中央区役所周辺の公共施設再編事業については、令和7年6月5日に参加意向を示していた事業者から辞退届が提出され、入札手続きの中止を公表した。現在、実勢価格との乖離(かいり)解消に向け、物価高騰などの補正に使用する指標や最新の他自治体の事例を確認し、必要な事業費を算出している。今後、既存施設の要求水準を維持したうえで令和8年3月末の再公告を目指して取り組んでいきたい。 ■自民党市議団 ◆順天堂大学附属病院予定地 民間の活力も取り入れるべき Q.計画が中止された順天堂大学附属病院の整備予定地の利活用については、民間事業者による利用も含めた幅広い検討をすべきと考えるが、市の見解を伺う。 A.当該市有地は、本市の副都心である美園地区に位置しており、まちづくりを行ううえで大変重要な土地であると認識している。そのため、当該市有地の在り方については、より効果的な土地利用の検討を進めていきたいと考えており、その一環として、民間事業者による利活用のニーズ把握も行っていきたい。そのうえで、地域とのコミュニケーションをしっかりと図りながら利活用を検討していく。 ◆今後の地下鉄7号線延伸 組織を強化して市民に安心を Q.地下鉄7号線延伸は、市民に方向性を示すため、関連事業の統括権限の強化、国や県からの人材派遣、わかりやすい名称変更など抜本的な組織強化を図るべきでは。 A.地下鉄7号線の延伸については、関連事業との緊密な連携や国、県などの関連機関との関係強化などが重要になってくることは十分認識しており、市民へのわかりやすい発信もさらに重要になるものと認識している。今後の組織強化などについては、地下鉄7号線延伸事業、関連事業が効果的、円滑に進められるよう検討し、事業の進捗状況などを踏まえつつ必要な組織・体制をつくり、しっかりと推進していきたい。 ■日本共産党 ◆戦後80年の平和推進事業 今後も事業の継続・拡大を Q.戦後80年の今年、市長が加盟後初めて平和首長会議に出席。周年事業で終わらせず、広島中学生平和学習派遣の継続や、新規平和推進事業の拡大を要望するが、見解は。 A.今年は戦後80年、そして本市の平和都市宣言の制定から20年の節目の年であることから、平和祈念講演会や子ども平和フォトコンテスト、平和祈念写真展、広島への中学生平和学習派遣事業など、例年より平和推進事業を拡大して実施してきた。広島への中学生平和学習派遣事業などの継続や新たな事業展開については、今年度実施した平和推進事業の成果、課題などを勘案し、検討していきたい。 ■維新 ◆円滑に道路を通行するため 縁石を撤去しては Q.市内には車道、歩道ともにギリギリの幅しかない道路が散見される。歩行者、自転車、自動車が円滑に通行するには、縁石を撤去して空間を確保する必要があるのでは。 A.既設道路の自転車通行空間を確保するには、限られた道路幅員の中で、歩行者、自転車、自動車が、それぞれ安全かつ円滑な通行ができるように道路空間の再配分が必要と考えている。その際は、歩車の分離により安全性が確保される一方で、縁石を撤去すれば円滑性が向上するなど、相反する観点の比較考慮や社会情勢の変化などを勘案して、望ましい整備手法を総合的に検討する必要があると考えている。 ■無所属みらい ◆冷却グッズ再冷却のため 学校に冷凍庫を設置しては Q.猛暑期に使用頻度の高い冷却グッズも下校時はぬるくなり役に立たず、保護者は真っ赤な顔で帰る子どもの体調が心配である。学校に再冷却用冷凍庫を設置しては。 A.本市は、学校数や児童生徒数が多く、財源の確保など、様々な課題があるため、まずは児童生徒が安心安全に登下校できるよう熱中症対策に関する取組を徹底することが重要と考える。そこで、現在行っている「下校前の十分な水分補給」などの指導の徹底を、改めて各学校に周知していく。現在の熱中症対策の確実な実施を図りつつ、先進自治体の動向を注視し、冷凍庫設置の実現の可能性を探っていく。 一般質問 11人の議員が、市政に対する一般質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 質問者 川村 準(かわむら じゅん)/浜口健司(はまぐち けんじ)/佐藤征治郎(さとう せいじろう)/竹腰 連(たけこし れん)/堀川友良(ほりかわ ともよし)/吉田一郎(よしだ いちろう)/中山淳一(なかやま じゅんいち)/三神尊志(みかみ たかし)/堤 日出喜(つつみ ひでき)/津和野眞佐子(つわの まさこ)/川崎照正(かわさき てるまさ) ■市の政策・行財政 ◆いじめは教育委員会だけでなく 学校の枠を超えた支援体制を Q.全国のいじめ認知件数が過去最多を更新し、本市も令和5年度に2162件が認知されている。市長部局でもいじめ防止対策に本格的に取り組むべきと考えるが、見解は。 A.いじめは人権侵害であり、早期に問題解決を図らなければならないと考えている。現在、弁護士などの専門家で構成する第三者機関を設置する検討を進めている。第三者機関では、いじめの被害者などから相談を受け助言や支援を行い、当事者同士で解決が難しい場合、関係者間の調整や必要に応じて勧告を行うことも想定している。設置によりいじめの長期化や重大化を防止する体制を構築し、子どもたちが安心して生活できる環境を整えていく。 ◆消防団充実強化計画 今後の消防団増強の具体策は Q.消防団充実強化計画では、消防分団を新たに増強していく計画であると承知しているが、今後の消防団設置の具体的な方針について、市の見解を伺う。 A.消防団充実強化計画では、現在の市内66分団から69分団に増強する計画としており、西区に1分団、北区に2分団、計3分団を増強する計画となっている。西区の1分団については、分団車庫の建設用地を選定中である。北区の植竹地区の増強については、分団車庫の建設工事および車両整備の事務を進めており、令和8年10月の新分団の発足を目標としている。宮原地区の増強については、用地取得を経て、分団車庫の設計業務を開始した。 ■福祉・保健・医療 ◆障がい者とともに生きる社会 難聴・中途失聴者に向けた支援 Q.外見から障がいの有無がわかりにくい難聴者や中途失聴者にとって、文字は「言語」である。公共施設に字幕支援システムの導入が必要と考えるが、市の見解を伺う。 A.字幕支援システム導入については、他自治体の取組状況を参考に、関係部局と連携しながら、調査研究を進めていきたい。また、通話相手の声をリアルタイムで文字化する電話アプリ「ヨメテル」が昨年度から公共のインフラとして提供されるようになっており、正確な情報伝達が求められる場面でも活用が期待できることから、利用促進のための周知を図っていく。 ◆民生委員・児童委員の改選 なり手確保に向けた対策を Q.今年の民生委員・児童委員の一斉改選に当たり、民生委員・児童委員のなり手確保に向けた取組は大変重要な課題である。今回、新たに行っている確保策について伺う。 A.今回の一斉改選に当たり、民生委員制度の周知広報に向けた新たな取組として、公民館の館報への記事の掲載、シルバー人材センターヘのポスターの掲示、SNSを活用した情報の発信などを行った。また、民生委員の負担軽減を目的に設置している民生委員協力員について、民生委員を退任した方が、新任の民生委員をサポートできる体制を整えるために、要件の見直しを行った。 ■教育・文化 ◆「いろどり学園」での昼食 仕出し弁当の提供を検討しては Q.来年度開校予定の学びの多様化学校(旧不登校特例校)である「いろどり学園」について、給食の提供予定がないとのことだが、仕出し弁当の提供は検討できないか。 A.プレ開校では、各自持参した弁当を好きな場所、タイミングでとることにしていた。子どもと保護者へのアンケートでは、「自分のペースで食べることができて良かった。」などの肯定的な意見が多かった一方、「お弁当の注文ができると助かる。」との保護者の声もあった。このような声も踏まえ、昼食の在り方を、開校後の子どもたちの実態を把握したうえで引き続き検討していく。 ◆教職員に多大な負担 保護者対応の支援体制構築を Q.学校での保護者対応は重要だが、過剰な苦情などで教職員が多大な負担を抱えるケースもある。保護者対応専門窓口の設置など支援体制を構築する必要があるのでは。 A.本市では、教育委員会各所管が窓口となり、保護者の相談を直接伺い、校長経験などを有する職員が学校と保護者をつなぎ、学校とともに対応する体制に加え、困難化した際は「緊急支援チーム」を編成し、部局横断的に迅速な支援を行う体制を構築している。しかし、対応が複雑化、長期化している現状もあり、新たな支援体制の構築が喫緊の課題である。今後も他自治体などの先進事例を情報収集し、実現の可能性を模索していく。 ◆見沼通船堀の保存と活用 川口市との連携は Q.見沼通船堀のさらなる情報発信や活用の強化が必要と考えるが、川口市にもまたがる見沼通船堀を、川口市と今後どのように連携して保存・活用を進めていくのか伺う。 A.今後の保存・活用に関する方針については、令和6年12月に文化庁の認定を受けた「文化財保存活用地域計画」の下位計画として、「見沼通船堀保存活用計画」を策定する。本計画は、通船堀の保存・活用の基本方針を定めるもので、現在、学識経験者などによる協議会や地域住民の方々を対象としたワークショップなど、策定に向けた取組を、川口市と合同で進めている。 ■まちづくり・環境 ◆工事中の与野中央公園 一部区域の暫定利用を望む Q.与野中央公園の暫定的な利用を求める要望が、地元のグラウンドゴルフ団体や周辺の住民から出されているが、早期に公園として一部を利用することはできないか。 A.公園内の一部区域の暫定利用については、工事期間の長期化の可能性を勘案すると、公園の早期利用実現に向けた有効な方策と認識している。公園全体の工事完成までの期間、市民が利用できない状況とならないよう、工事の進捗の中で、部分的な公園の供用の可能性についても検討するとともに、与野中央公園全体の早期供用開始に向けて、鋭意、事業を進めていく。 ◆自治会集会所の整備費用 補助額の見直しが必要 Q.物価高騰で自治会集会所建替え費用が増加し、現行補助額では足りない状況。地域運営に不可欠な自治会集会所整備に対する補助額の見直しが必要と考えるが、見解は。 A.本市では、自治会館の建替え補助として「自治会集会所整備事業補助金」がある。近年の物価高騰は、自治会集会所の新設・改修に影響を及ぼしているが、そのなかでも、地域コミュニティの拠点である自治会集会所を計画的に整備できるよう支援することが肝要だと認識している。今後も物価高騰が見込まれる中で、自治会活動の支援となる補助の在り方について検討していく。 ◆自転車の交通反則通告制度 導入を踏まえた市の取組は Q.道路交通法施行規則の改正により、来年4月から、交通反則通告制度、いわゆる「青切符制度」が導入される。制度導入を踏まえた、市の取組を伺う。 A.本市としては、広く市民に交通安全や本制度に係る周知に取り組んでいくことが重要であることから、警察、庁内関係課などが連携し子どもから高齢者まで幅広い世代に、サイクルフェスタでの埼玉県警と連携したステージイベント、自治会回覧を活用した交通ルールリーフレットの回覧、交通安全教室、SNS、市報への掲載など、多様な場を活用して、交通安全や交通反則通告制度の周知啓発に取り組んでいく。 ■■11ページ------------------------------------------------------------------ さいたま市議会からのお知らせ ■会派の構成が変わりました 令和7年7月7日付で、小柳嘉文(こやなぎ よしふみ)議員の所属会派が、無所属みらいから立憲民主・無所属の会さいたま市議団に変更になりました。また、8月12日付で、立憲民主・無所属の会さいたま市議団の永井里菜(ながい りな)議員から辞職願が提出され、議長が辞職を許可しました。これにより、会派構成が次のとおりになりました。 令和7年8月15日現在の会派構成 立憲民主・無所属の会さいたま市議団 12人 公明党さいたま市議会議員団 11人 さいたま市議会自由民主党議員団 10人 自由民主党さいたま市議会議員団 9人 日本共産党さいたま市議会議員団 6人 日本維新の会さいたま市議団 4人 無所属みらい 2人 無所属(会派に所属していない議員) 5人 合計59人 ■政務活動費に係る研修会を実施しました 政務活動費の適正支出と透明性確保の観点から、本市議会が定める「政務活動費の使途運用指針」の理解促進などを目的に、議員などを対象とした研修会を行いました。支出時の注意点について具体例を交えた講義が行われ、政務活動費の適正執行へのさらなる理解を深める機会となりました。 ■議場に大阪・関西万博出展記念の岩槻の雛人形を飾りました 本市議会では、本市伝統産業の振興に向けた機運醸成を図ることを目的に、大阪・関西万博に合わせて制作された岩槻の雛人形「万彩雛(ばんさいびな)」を、9月定例会最終日の10月17日に議場に飾りました。雛人形の優美なたたずまいにより、議場は上品で温かな雰囲気に包まれました。 ■請願・陳情を市議会に届けるには? 市政などについての意見や要望がある時は、どなたでも「請願」「陳情」を文書のほか、電子申請で市議会に提出することができます。 ◆請願 請願書の提出には、市議会議員の紹介が必要です。審査のうえ、本会議で「採択」「不採択」などが決められます。「採択」された請願は市長などに送り、実現するよう要請します。 ◆陳情 陳情書の提出には、市議会議員の紹介は必要ありません。陳情内容が記載された陳情文書表を議員に配付します。 ◆提出先など ●提出先 さいたま市議会 議会局  ●提出方法 持参、郵送または電子申請・届出サービスによる提出(FAXや電子メールは不可)。 詳しくは議事課(Tel.829-1753)までお問い合わせください。 ■■12ページ------------------------------------------------------------------ ■ロクマルキーワード 9月定例会の中から気になる言葉を取り上げ、解説します。 『プレコンセプションケア』 ◆若いうちから、自身の生活や健康に向き合うこと プレコンセプションケアとは、性別を問わず若い世代のうちから、妊娠・出産の知識を持ち、自身のライフプランや健康に対する意識を高めることを目的としたものです。リスクのある妊娠や将来の不妊のリスクを減らすとともに、子どもを持つ選択をするかしないかにかかわらず、自分らしく生きるためのヘルスケアとして近年注目されています。国立成育医療研究センターでは、ホームページ上に「プレコンノート」などを掲載し、健康に関する気付きや学びの機会を提供しています。 ◆さいたま市でも啓発活動や相談事業を実施 本市でも、プレコンセプションケアに関する内容を市ホームページに掲載しているほか、大学コンソーシアムを活用したブースの出展やパンフレットなどの配布、市立小・中学校および高等学校の児童生徒を対象に健康づくりや性の正しい知識の啓発を行う「思春期保健教室」を実施しています。また、「妊娠・出産」および「不妊・不育」の電話相談などの相談事業も行っています。そのほか、学校教育においては、健康的な生活習慣について学ぶ授業を実施しています。 ■編集後記 今号では、レスリングの元木咲良(もとき さくら)選手、ゴールボールの金子和也(かねこ かずや)選手のお二人に決算特別委員会を傍聴いただき、その後インタビューを行いました。オリンピック・パラリンピックの金メダリストお二人から市議会の印象や、さいたま市への思いをお伺いできる大変貴重な機会となりました。さて、年末も間近です。どうぞお身体を大切にしていただき、良いお年をお迎えください。 ◆議会広報編集委員会 [委員長]議長 伊藤 仕(いとう まなぶ) [副委員長]副議長 谷中信人(やなか のぶと) [ 委 員 ]堤 日出喜(つつみ ひでき)/ 佐々木郷美(ささき さとみ)/ 秋山朋彦(あきやま ともひこ)/井原 隆(いはら ゆたか)/ 佐藤真実(さとう まなみ)/ 照喜納弘志(てるきな ひろし)/金子昭代(かねこ あきよ)/ 新藤信夫(しんどう のぶお)/ 萩原章弘(はぎわら あきひろ)(議席順) ■さいたまアルファベット 今号の表紙は[見沼区] 表紙では、さいたま市10区の様々な魅力を紹介しています。それぞれの名産品や名所などを組み合わせて、各区の名前を表現しています。今号は、クマガイソウ、見沼代用水、大宮武道館などを取り上げました。 ■12月定例会を開催しています 会期日程は、ホームページをご覧ください。くわしくは議事課までお問合わせください(Tel.829-1753)。 ■インターネット中継 会議を生中継・録画配信しています。パソコンやスマートフォンなどからご覧ください。※現在、区役所ロビーでの放映は行っておりません。 ■本会議・委員会の傍聴 開催日当日、議会棟3階で受付しています。※手話通訳・要約筆記をご希望の方は、7日前までに議事課にご連絡ください(Fax.829-1984)。 ■テレビ番組「ようこそさいたま市議会へ」テレビ埼玉 令和8年1月11日(日)午前10時~ 放送予定 過去に放送した番組も市議会ホームページやYouTubeで視聴できます。 市議会のくわしい情報は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。 「さいたま市議会」で検索 この議会広報紙は656,600部作成し、1部当たりの作成経費は13円です(企画編集の経費を含みます)。 No.105 2025.12.1  市議会だよりさいたま 編集・発行>>さいたま市議会 〒330-9588 さいたま市浦和区常盤6丁目4番4号 Tel.048ー829ー1748 Fax.048ー829ー1984