市議会だよりさいたま(ロクマル)No.104 2025年8月1日発行(令和7年6月定例会号) ロクマル=60 60人の議員は市民の代表。さいたま市議会の動きをコンパクトに伝えます。 ■■2-3ぺージ------------------------------------------------------------------ ■議長・副議長 就任あいさつ 私たちは、このたびの6月定例会におきまして、第22代議長並びに第22代副議長に就任いたしました。改めてその職責の重さを痛感し、身の引き締まる思いであります。 本市は135万人の人口を有する大都市として成長・発展を続けております。さらなる発展と未来に向け歩みを進めていくため、市議会といたしましても、様々な地域社会における課題を解決するべく、議員60人の力を結集し、積極的に取り組んでまいります。 とりわけ、物価高による市民生活の圧迫や超高齢社会などの社会情勢を踏まえ、市民の皆様が安心して暮らせるまちの実現に向け、全力を尽くしてまいります。 これからも、住民自治の根幹を担う存在として、市民の皆様のご期待に応えられるよう、議会の使命と役割の重要性を踏まえ、たゆまぬ議会改革を推進するとともに、市の施策をしっかりと監視・評価し、議会機能の充実・強化、公正かつ円滑な議会運営に努めてまいります。 市民の皆様におかれましては、市議会に対する一層のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。 議長 伊藤 仕(いとう まなぶ)/副議長 谷中信人(やなか のぶと) ■トピックス さいたま市議会の1年ってどんな感じ? さいたま市議会では、年4回、「定例会」という会議を開催し、市政について話し合っています。 今回は、市議会の1年の活動をわかりやすくご紹介します。 ◆議員の任期は4年! 現在の市議会議員は任期3年目です。 さいたま市議会では、2月定例会、6月定例会、9月定例会、12月定例会の年4回、定例会を開催しています。 ◆市議会って何をするところ? 市民を代表して話し合い、地域のルールや予算などを決めます。 さいたま市議会では、選挙で選ばれた60人の議員が活動しています。 市議会は、市民の声を代表し、条例や予算を審議・決定する役割を担い、また、市が適正に仕事を行っているかチェックします。 市議会と市長は対等の立場で、お互いに協力・けん制し合い、より良いさいたま市の実現を目指しています。 ◆定例会では何をするの? 「議案の審議」「議決」「代表質問/一般質問」などを行います。 ◎議案の審議 ・議案とは、議会の意思決定(議決)を必要とする案件のことをいいます。 ・定例会で提出された議案は、分野別の委員会でくわしく審査が行われます。 ・議員自身が提案した議案も審議されます。 ◎議決 ・委員会での審査の経過と結果が報告されます。 ・最後に多数決による採決を行い、議会としての意思が決定されます。 ◎代表質問/一般質問 ・議員が市長や職員へ市政に対する質問をします。 ●2月定例会では予算委員会を開催 来年度の予算案を審査し、施策の妥当性などをチェックします。 ●9月定例会では決算特別委員会を開催 前年度の決算をしっかりチェックします。 ◆閉会中は何をしている? 閉会中の継続審査や調査・研究を行っています。 ◆市議会の情報はどこにある? 様々な情報公開、広報を行っています。 ◎定例会は、どなたでも傍聴できます。 ◎会議の様子はインターネットでも中継しています。 ◎議事録は後日公開され、どなたでも内容を確認できるようになっています。 ■■4ページ------------------------------------------------------------------ クローズアップ 令和7年6月定例会(6月11日~7月4日/会期24日間) ■令和7年度補正予算議案を可決 議案第93号 令和7年度さいたま市一般会計補正予算(第2号) ほか4議案 市長から令和7年度補正予算議案が提出され、可決されました。 <主な事業> ●子育て世帯の家計負担軽減のため、18歳以下の児童を養育する世帯へ児童1人1万円の給付金を支給 ●幅広い世代の家計負担軽減のため、デジタル地域通貨を活用したポイント還元キャンペーンの実施 ■議会による政策立案 手話の理解と広がりを 議員提出議案第2号 さいたま市手話言語条例の制定について 政策条例検討プロジェクトチームで検討した手話言語条例を制定する議案が、議員から提出され、可決されました。この条例は、手話は言語であるという認識に基づき、手話の理解と広がりをもって地域で支え合い、全ての人が心を通わせ、相互の人格と個性を尊重し合う社会の実現を目指しています。 ■市議会から国へ意見書を提出 議員提出議案第3号 終戦80年を契機に戦争や核兵器のない恒久平和の実現に向けて主導的役割を果たすことを求める意見書 ほか1議案 議員から以下の意見書案が提出され、可決されました。 ●終戦80年を契機に戦争や核兵器のない恒久平和の実現に向けて主導的役割を果たすことを求める意見書 ●米国の関税措置に対応した中小企業等支援策の拡充を求める意見書 ■常任委員会の所管・名称を変更 委員会提出議案第2号 さいたま市議会委員会条例の一部を改正する条例の制定について 子どもや若者などへの切れ目のない施策を充実させるため、効果的・効率的な審査および調査が可能となるよう、常任委員会の所管の変更のほか、文教委員会から子ども文教委員会への名称変更を行うための議案が提出され、可決されました。 ■特別委員会が市長に提言書を提出 大宮駅グランドセントラルステーション化構想特別委員会と超高齢社会に向けた公共交通の在り方検討特別委員会は、市長その他の執行機関に対して要望する取組をまとめた提言書を市長に提出しました。 6月定例会で審議された議案 市長提出議案38件、議員提出議案3件、委員会提出議案1件/合計42件 このほかの議案などの審議結果は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 ■■5-10ページ------------------------------------------------------------------ 議員のQ&市のA 6月定例会「代表質問・一般質問」ダイジェスト すべての質問の様子は、インターネット議会中継(録画配信)でご覧になれます。 代表質問 5会派6人の議員が、市政に対する代表質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 阪本克己(さかもと かつみ)/新藤信夫(しんどう のぶお)/土橋勇司(どばし ゆうじ)/萩原章弘(はぎわら あきひろ)/松村敏夫(まつむら としお)/秋山朋彦(あきやま ともひこ) ■立憲 ◆続く公共施設の入札不調 要因の分析と今後の対策は Q.深刻化している公共施設の入札不調の問題について、要因をどのように分析し、持続可能な整備体制の構築に向けてどのような対応策を講じていくのか、見解を伺う。 A.建築資材や労務費の高騰などの課題がある中で、都市部では建設需要は高いなどの状況のもと、先般の入札不調については、事務費や工期設定、人員の確保といった個別の課題があったものと認識しているが、大手建設事業者への聞き取りなども行いながら対応策を検討していく。引き続き、入札参加者が受注しやすい環境づくりに取り組む必要があり、併せて、大規模事業については、計画段階から案件の規模などに応じて、サウンディング(*1)を今まで以上に入念に実施するなど、対応策や仕組みを幅広に検討していきたい。 *1 サウンディング 事業内容や事業スキームなどについて、直接の対話により民間事業者の意見や新たな事業提案の把握などを行い、事業の検討を進展させるための情報収集を目的とした手法。 ◆子どもや若者の性の悩みなど 安心して相談できる場を Q.ユース世代が安心して利用できる相談窓口が十分でないため、若者に寄り添う相談窓口(ユースクリニック)の開催に向けた取組を進めるべきと考えるが、見解を伺う。 A.ユースクリニックは子どもたちや若者が性に関する正しい知識や情報を得たり、からだやこころ、性の悩みを専門家に相談できる「若者のための街の保健室」として、県内で定期開催されていることは把握しており、必要性も認識している。現在、実施している自治体や民間団体などから実施内容などの具体的な情報を収集し、本市における課題を抽出している。今後、課題を整理し、早期実施に向け取り組んでいく。 ■さいたま自民党 ◆健全な生態系を守るため 担当課の新設などが必要では Q.COP15(*2)では、国土の30%以上で健全な生態系を守ることを目標とした。この実施には地方の役割は大きく、本市でも担当課の新設や保護区域の保全などが必要では。 A.本市では、生物多様性業務を専門に所管する部署が設置されていないため、他自治体の状況も参考に、統括的に生物多様性に関する業務を行う体制の整備を検討していきたい。また、本市において、30%の保全エリアを確保するという具体的な目標などは求められていないが、健全な生態系保全のため、「自然共生サイトの認定数」など、保全エリアの拡大に向けた取組を客観的に評価できる具体的な数値目標を定め、目標達成に向けた効果的な施策を実施していきたい。 *2 COP15 2022年12月に、カナダのモントリオールで開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議。 ◆大宮駅周辺の大規模事業 今後の進展は Q.本市の道路網や公園整備は他の政令指定都市と比べて遅れている。大宮GCSやバスタ大宮の構想も始まってから10年近く経過しているが、今後の進展はどうなるのか。 A.(仮称)バスタ大宮は、大宮駅西口交通結節点事業計画検討会を今年3月に開催し、交通結節点に求められる機能などを協議した。大宮GCS化構想は、より合意形成が図れるよう事業性、実効性ある計画の作成に取り組んでいる。検討に当たり、補強した複数の案を権利者などと作成したく、準備を進めている。今年度は、都市計画の原案となる街区間連携が実現した計画案の作成を目標としており、その後、早期に都市計画決定に向けた手続に着手できるよう取り組んでいく。 ■自民党市議団 ◆農業環境向上のために 農業用水路整備の推進を Q.農作物の生産量を増やすためには様々な支援が必要であり、中でも農業用水路の整備は重要と考える。水路整備に対する支援の現状と、今後の方策について伺う。 A.農業用水路整備は農業環境の改善効果が非常に大きく、素掘りの側溝をコンクリート製の側溝に整備することを主に進めている。さらに「多面的機能支払交付金」を活用し、水路などの地域資源の適切な保全管理を推進している。また、農業水利施設の維持などのため、通水時期に緊急修繕工事などを行っている。今後は、水路整備や交付金のさらなる活用で、安定した用水確保、水路機能などの向上を図り、持続可能な農業を目指していきたい。 ◆公共交通の利便性向上と 郊外型バスターミナルの検討を Q.通勤、通学時間帯の公共交通の、より一層の利便性と充実を求めるとともに、郊外においては、駅や都内へ直通できる「郊外型バスターミナル」の検討をするべきでは。 A.本市では、改定を進めている「総合都市交通体系マスタープラン」の中で、通勤・通学などの利用者が多いバス路線において、今後も運行本数が維持できるよう検討している。一方、利用者が少ない郊外部ではモビリティハブ(*3)が必要と整理しており、ここへ接続するコミュニティバスなどの導入を図ることが支援策につながると考える。駅や都内への直通バスについては、運転士確保などの課題を、バス事業者との協議の中で意見交換していきたい。 *3 モビリティハブ バス、タクシー、シェアモビリティなど、多様な交通手段が結節し、スムーズな乗継ぎが可能となるよう整備された場所。 ◆課題を抱える小規模校 今の時代に合わせた改革が必要 Q.児童生徒数の少ない小規模校の課題解決のための「小規模校プロジェクトチーム」の具体的な取組は。また、各学校の慣例を把握し、今の時代に合った改革が必要では。 A.複数の小規模校では、今後の学校の在り方などの検討のため、保護者や児童生徒へのアンケート調査を主体的に実施するなどの取組が出てきている。このような背景から、学校・地域・保護者の意向を尊重することを基本に、教育委員会として、その取組を支え、伴走するため、今年度新たに、教育環境整備検討会議のもとにプロジェクトチームを設置した。今後は、子どもたちの教育環境を第一とし、保護者、地域の皆様と一緒に、それぞれの学校の在り方を考えていく。 ◆武蔵浦和駅周辺地区の新学校 開校の遅れによる影響は Q.建設工事の入札不調により、予定している令和10年度の開校が遅れた場合、周辺の学校への影響は。また、暫定的な学区の変更の必要性について、見解は。 A.開校の遅れによる周辺の小中学校への影響は、現在、今後の児童生徒数の推計や、各学校の教室数などを勘案しながら精査しているところだが、武蔵浦和駅周辺地区の大規模校、過大規模校(*4)の解消は、喫緊の課題と考えている。また、通学区域の再編成は、地域コミュニティの分断が広範囲に及ぶなど、様々な影響が生じることや、学区を再編成しても、この地区全体の過密な教育環境は変わらないことから、難しいと考えている。 *4 大規模校、過大規模校 1校当たり25学級以上の学校を大規模校、31学級以上の学校を過大規模校という。 ■日本共産党 ◆物価高騰から生活を守るため 市民負担軽減の3つの提案 Q.市民負担軽減策として、他自治体で実施または予定している施策を参考に、お米券の支給、水道料金の基本料金無料化、学校等給食費無償化の実現をすべきでは。 A.本市の実情を踏まえた追加的な家計負担軽減策については、現在、庁内での検討を加速し、今定例会中の議案提出に向けて鋭意準備を進めているところである。現時点で、お米券の支給、水道料金の引下げや一時無料化についての予定はない。また、学校給食用食材については、令和6年度12月補正予算において、物価高騰分を公費で負担し、令和7年度当初予算においても、この措置を継続するなどの支援策を講じている。 ■維新 ◆学校教育における重要な役割 教科書採択の選定基準は Q.本市の強みである英語教育や、自虐史感の強い記載が目立つ教科書を用いる歴史教育について、教科書採択の狙いや経緯、選定基準、今後の見直し方針を伺う。 A.教科書については、専門性の高い教員で構成される教科用図書調査専門員会や、保護者と校長などで組織される教科用図書選定委員会が調査研究した報告などを参考に、教育委員会会議ですべての検定教科書について審議し、本市の児童生徒に最もふさわしい教科用図書を採択している。英語教育ではコミュニケーションを図る資質・能力の育成などの観点から、社会科の教科書では歴史に見られる課題を把握し、複数の立場や意見を踏まえて公正に選択・判断する力などを養うという観点から、教科用図書を採択している。 ◆特定技能基準省令の改正 外国人との共生の課題解決へ Q.外国人との共生で生じる様々な課題を解決するために、特定技能基準省令の一部改正を受け、本市では共生社会実現へ向け、企業への協力要請をどう進めていくのか。 A.特定技能基準省令の一部改正により、企業は地方公共団体に対して、地域の共生施策に協力する旨の文書である、協力確認書を提出することとされている。企業側への協力要請については、今後、協力確認書が提出された際には、各企業に対し、ごみの出し方や災害対応などの多言語による情報提供、外国人市民委員会での提言を受けて実施した施策を含めた本市の多文化共生に関する取組を案内し、外国人労働者への周知を要請していく。 一般質問 12人の議員が、市政に対する一般質問を行いました。質問の一部をご紹介します。 質問者 佐藤征治郎(さとう せいじろう)/佐々木郷美(ささき さとみ)/佐藤真実(さとう まなみ)/斉藤健一(さいとう けんいち)/高柳俊哉(たかやなぎ としや)/尾上貴明(おのうえ たかあき)/中山淳一(なかやま じゅんいち)/川村 準(かわむら じゅん)/大貫田鶴子(おおぬき たづこ)/吉田一郎(よしだ いちろう)/金井康博(かない やすひろ)/久保美樹(くぼ みき) ■市の政策・行財政 ◆市役所業務の在り方 非効率な事務作業の改善へ Q.事務作業の効率化は職員の負担軽減と人材確保に直結するが、市ではいまだにエクセルを複数用いた多重入力作業がある。効率化やデータ統一などの改善を図るべきでは。 A.本市ではこれまでも、職員による事務改善などが進められ、負担軽減につながる取組を行ってきているが、今後はさらに業務プロセスそのものを見直していく必要があると考えている。庁内に分散しているデータの扱いを統一し、部局横断的に活用する仕組みとして「さいたまシティスタット基盤」を構築し、各所属で保有するデータをその基盤に搭載することで、他部署でも活用できるよう、データの共有化や可視化を進めている。今後も積極的に取り組み、本市のEBPM(*4)の取組を前に進めたい。 *4 EBPM エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングの略で、証拠に基づく政策立案のこと。政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、合理的根拠(エビデンス)に基づいて行うことを意味する。 ◆行政手続の申請漏れ防止に デジタル郵便サービスを Q.福祉サービスなどの受給漏れを防ぐため、行政サービスの案内を紙の郵便からスマートフォンなどに通知するデジタル郵便の導入により、市民サービスの向上を図っては。 A.本市では、現在「さいたま市みんなのアプリ」の新機能であるデジタル郵便サービスの導入を検討している。市民一人ひとりに必要な行政サービスの情報をプッシュ通知でタイムリーに提供し、来庁せずに手続を完了できる環境を整えることができるため、デジタル完結の実現が期待できる。また、受給漏れの抑制に加え、印刷費や郵送費の削減にもつながるものと考えている。導入費用や既存の申請・業務システムとの連携などの課題もあるが、先進自治体の事例も参考に、実現に向けて検討を進めていく。 ◆入札不調は経済状況だけか 十分な検証・見直しが必要 Q.(仮称)次世代型スポーツ施設の入札不調の要因は、現下の経済状況によるものだけか。施設規模や配置、内容面も含めた十分な検証、見直しも必要と考えるが、市の見解を伺う。 A.(仮称)次世代型スポーツ施設のこのたびの入札不調に関しては、入札手続の過程における民間事業者との対話において、昨今の建設資材や人件費の高騰などの影響についての声も一部あったが、原因の調査分析については、これから速やかに行っていく。まずは、民間事業者に対するヒアリングなどを丁寧に行い、しっかりと不調の原因究明を進め、それを踏まえて、今後の対応を検討していきたい。 ■福祉・保健・医療 ◆「小1の壁」の解消への取組 県補助制度活用で早期実施を Q.「小1の壁」の解消や共働き世帯などの就労支援の取組として、市立小学校で午前7時台の朝の預かりを、県の補助制度を活用し早期に実施しては。 A.埼玉県では、今年度からモデル事業として県内市町村に「朝の預かり」に対する補助事業を開始したが、「朝の預かり」実施には人材確保をはじめとした運営面、学校施設を活用した実施場所の確保といった施設面、集団登校や通学路などの安全面など、多面的な管理運営上の課題もある。現在、運営を担いうる事業者の確保の調整や、教職員への負担なく児童の安全が確保できる学校施設の利用方法などを検討している。今後、教育委員会などと検討を加速して進め、試行的な実施に向け取り組んでいく。 ◆移動に困難を抱える方の 通院費の負担軽減を Q.移動に困難を抱える方の通院費負担を軽減するため、障害者手帳の有無にかかわらず、医師が「移動困難」と診断した場合、柔軟な支援制度を導入すべきではないか。 A.本市では障がいのある方の社会参加促進のため、重度の障害者手帳をお持ちの方を対象に福祉タクシー利用料金助成事業を実施している。難病の方のうち、移動が困難な状態にある方の多くは、障害者手帳を取得して本制度を利用していると認識しているので、まずは難病のある方に対して、手帳の取得とそれに伴い受けられる税の控除などの制度についても、一層の周知を図っていきたい。また、医師の診断書により支援対象とする制度の創設については、今後、他自治体の取組などを調査研究していきたい。 ◆保育園などの閉鎖 賃貸物件の場合は費用補助を Q.保育園、学童を政策的に増やしてきたが、今後人口減少に伴い需要と供給の不均衡が生じる。閉鎖の際、賃貸物件の場合は原状復旧費用などの費用補助を考えては。 A.保育所および放課後児童クラブにおいては、将来的には人口減少を起因とした利用児童数の減少により運営が困難となり、施設の閉鎖を余儀なくされる事業者が生ずることも想定される。その際には、賃貸物件を活用した施設などについては、閉鎖に伴う原状復旧などの費用発生が想定されるが、現時点では運営事業者が負担している。今後の運営事業者への支援の在り方については、保育施設などの利用ニーズの推移を注視するとともに、運営事業者の声も丁寧に伺いながら、適切に対応していきたい。 ◆ケアマネジャー不足対策 早急に市の独自補助が必要 Q.介護業界は深刻な人材不足が続き、このままでは介護崩壊を招く。東京都では介護職への処遇改善、独自補助を行っている。本市も独自補助を実施すべきでは。 A.介護人材不足の対策として、令和5年度から介護現場で働く人材を市ホームページで紹介する魅力発信事業を行っているほか、昨年度から入門的研修事業、介護職員等処遇改善加算取得促進事業、さらに今年度から訪問介護事業所向け支援を本市独自の取組として始めた。また、これまでも国に対し、介護職員などの処遇改善を図り、実効性のある対策を講じるよう要望しており、引き続き対応を求めていきたい。ケアマネジャーの支援については、他自治体の事例も参考に、本市独自の支援策を検討していく。 ■教育・文化 ◆地域の大人たちの協力による 子どもの育ちを見守る体制 Q.仙台市では(通称)エプロン先生という仕組みで、地域の方が小学1年生の生活や学習をサポートしている。本市でも多様な大人が子どもにかかわる仕組みを整備しては。 A.本市では、平成22年からスクールサポートネットワーク(*5)を導入し、小学1年生はもとより、各学校の実情に応じて、様々な場面で地域や保護者の方々に活躍をいただいている。児童の水泳学習の補助や、まちたんけんの引率などをしている学校や、集団行動が困難な児童などに教室での学習準備のサポートをしている学校もある。このような好事例や他自治体の先進事例などを学校と共有し、学校に携わるすべての大人の力を結集して、「子どもの幸せを保障する教育」の実現に努めていく。 *5 スクールサポートネットワーク 地域ぐるみで子どもを育てるため、学校と地域諸団体、PTA、ボランティア組織などを結ぶネットワークのこと。 ■経済・産業 ◆環境に配慮した地元食材 保育園給食で活用 Q.環境保全型農業の地元農産物に高い価値を感じる市民が増えている。まずは市内の保育園の給食にそうした地元食材を紹介し、地域で支え合う農業を推進してはどうか。 A.昨年開催のオーガニックシティフェスには、大勢の方が来場し、本市においても環境負荷の少ない農作物への関心の高まりを感じている。また農業祭などでも消費者と生産者の交流により、地産地消や持続可能な農業への市民の理解や協力を深める良い機会となっているが、環境に配慮した農産物の販路拡大にはつながっていない状況である。保育園と地元農業者のマッチングは、農業者にとって販路拡大につながり、子どもや保護者にとっては市内農産物への理解を深められることから、取組を進めていきたい。 ■まちづくり・環境 ◆地域の環境保全のために 産業廃棄物の完全撤去を Q.旧荒井産業の産業廃棄物の焼却施設を行政代執行で取り壊すこととなったが、敷地内に残っている産業廃棄物も環境保全のため完全撤去すべきと考えるが、市の見解は。 A.当該敷地内には大量の焼却灰が残置されており、平成13年に埼玉県において覆土による飛散流出防止措置を行った経緯がある。飛散などの恐れが確認されていないことから今回の行政代執行の範囲には含まれていないが、解体工事に当たっては、万全な対策を取り作業を実施する。また、敷地内の産業廃棄物は荒井産業の撤退後、新たな土地所有者により持ち込まれた建設系産業廃棄物が長期間にわたり不適正に保管されていることから、今回の行政代執行とは別に撤去指導をしており、引き続き指導していく。 ◆河川防災ステーション 工事の進捗と平常時の利用は Q.西遊馬地区河川防災ステーション建設工事の進捗と今後のスケジュールは。また、平常時の利用に関して、地元からの要望にどう対応するのか伺う。 A.河川防災ステーションは、国において盛土工事や周辺の水路工事の一部が完了し、引き続き、水路工事や備蓄資材の配備などを行うと伺っている。また、同施設の一部として計画している水防センターは、本市において基本設計と地質調査を行った。今年度から実施設計を行い、その後、建築工事を行う予定である。平常時の利用について、河川防災ステーションは地域の要望を踏まえ多目的広場として利活用できるよう協議・調整を進めており、また、水防センターは、地域の方々などへのトイレの開放などを検討している。 ■■11ページ------------------------------------------------------------------ ■委員会の紹介(令和7年6月12日現在) ◎…委員長 ○…副委員長 ◆常任委員会 ●総合政策委員会 総務、行財政、税、経済、観光、防災など ◎松本 翔(まつもと しょう)/○津和野眞佐子(つわの まさこ)/井原 隆(いはら ゆたか)/北岡久住(きたおか くじゅう)/金子昭代(かねこ あきよ)/西山幸代(にしやま さちよ)/谷中信人(やなか のぶと)/吉田一志(よしだ ひとし)/新井森夫(あらい もりお)/吉田一郎(よしだ いちろう)/高柳俊哉(たかやなぎ としや)/江原大輔(えはら だいすけ) ●子ども文教委員会 子育て、保育、学校教育、生涯学習、文化財保護など ◎関 ひろみ(せき ひろみ)○佐々木郷美(ささき さとみ)/中山淳一(なかやま じゅんいち)/服部 剛(はっとり つよし)/佐伯加寿美(さえき かずみ)/小柳嘉文(こやなぎ よしふみ)/帆足和之(ほあし かずゆき)/松村敏夫(まつむら としお)/小森谷 優(こもりや まさる)/新藤信夫(しんどう のぶお)/青羽健仁(あおば けんじ)/石関洋臣(いしぜき ひろおみ) ●市民生活委員会 コミュニティ、交通安全、男女共同参画、区政、スポーツ、文化振興、環境、消防など ◎出雲圭子(いずも けいこ)/○大貫田鶴子(おおぬき たづこ)/相川綾香(あいかわ あやか)/秋山朋彦(あきやま ともひこ)/佐藤真実(さとう まなみ)/浜口健司(はまぐち けんじ)/照喜納弘志(てるきな ひろし)/稲川智美(いながわ さとみ)/竹腰 連(たけこし れん)/桶本大輔(おけもと だいすけ)/阪本克己(さかもと かつみ)/鶴崎敏康(つるさき としやす) ●保健福祉委員会 保健、医療、病院、福祉、長寿応援など ◎土橋勇司(どばし ゆうじ)/○鳥羽 恵(とば めぐみ)/永井里菜(ながい りな)/堀川友良(ほりかわ ともよし)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/都築龍太(つづき りょうた)/佐藤征治郎(さとう せいじろう)/斉藤健一(さいとう けんいち)/高子 景(たかこ けい)/渋谷佳孝(しぶや よしたか)/三神尊志(みかみ たかし)/上三信 彰(うえさんのぶ あきら) ●まちづくり委員会 都市計画、道路、公園、河川、水道、下水道など ◎川崎照正(かわさき てるまさ)/○堤 日出喜(つつみ ひでき)/川村 準(かわむら じゅん)/尾上貴明(おのうえ たかあき)/伊藤 仕(いとう まなぶ)/吉村豪介(よしむら ごうすけ)/金井康博(かない やすひろ)/久保美樹(くぼ みき)/中山欽哉(なかやま きんや)/神坂達成(かみさか たつあき)/萩原章弘(はぎわら あきひろ)/添野ふみ子(そえの ふみこ) ●予算委員会 市の予算など ◎神坂達成(かみさか たつあき)/○新井森夫(あらい もりお)/堤 日出喜(つつみ ひでき)/永井里菜(ながい りな)/秋山朋彦(あきやま ともひこ)/松本 翔(まつもと しょう)/服部 剛(はっとり つよし)/大貫田鶴子(おおぬき たづこ)/吉村豪介(よしむら ごうすけ)/佐藤真実(さとう まなみ)/照喜納弘志(てるきな ひろし)/津和野眞佐子(つわの まさこ)/鳥羽 恵(とば めぐみ)/竹腰 連(たけこし れん)/高子 景(たかこ けい)/帆足和之(ほあし かずゆき)/吉田一郎(よしだ いちろう)/江原大輔(えはら だいすけ)/新藤信夫(しんどう のぶお)/添野ふみ子(そえの ふみこ) ◆議会運営委員会 議会の運営に関する事項など ◎石関洋臣(いしぜき ひろおみ)/○添野ふみ子(そえの ふみこ)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/佐伯加寿美(さえき かずみ)/照喜納弘志(てるきな ひろし)/稲川智美(いながわ さとみ)/土橋勇司(どばし ゆうじ)/金子昭代(かねこ あきよ)/斉藤健一(さいとう けんいち)/渋谷佳孝(しぶや よしたか)/三神尊志(みかみ たかし)/青羽健仁(あおば けんじ) ◆特別委員会 ●決算特別委員会 令和6年度決算の審査など ◎佐伯加寿美(さえき かずみ)/○川崎照正(かわさき てるまさ)/相川綾香(あいかわ あやか)/佐々木郷美(ささき さとみ)/堀川友良(ほりかわ ともよし)/尾上貴明(おのうえ たかあき)/井原 隆(いはら ゆたか)/池田めぐみ(いけだ めぐみ)/北岡久住(きたおか くじゅう)/浜口健司(はまぐち けんじ)/稲川智美(いながわ さとみ)/土橋勇司(どばし ゆうじ)/都築龍太(つづき りょうた)/小柳嘉文(こやなぎ よしふみ)/吉田一志(よしだ ひとし)/久保美樹(くぼ みき)/高柳俊哉(たかやなぎ としや)/小森谷 優(こもりや まさる)/上三信 彰(うえさんのぶ あきら)/青羽健仁(あおば けんじ) ■さいたま市議会からのお知らせ ◆議員の表彰 永年にわたり市政発展に尽くされた功績に対し、全国・埼玉県の各市議会議長会から、次の議員が表彰されました。 35年表彰 鶴崎 敏康(つるさき としやす)議員 30年表彰 添野 ふみ子(そえの ふみこ)議員/青羽 健仁(あおば けんじ)議員 20年表彰 桶本 大輔(おけもと だいすけ)議員 10年表彰 稲川 智美(いながわ さとみ)議員/金井 康博(かない やすひろ)議員/石関 洋臣(いしぜき ひろおみ)議員/井原 隆(いはら ゆたか)議員/新井 森夫(あらい もりお)議員/都築 龍太(つづき りょうた)議員/土橋 勇司(どばし ゆうじ)議員/川村 準(かわむら じゅん)議員 ◆新たに特別委員会を設置 今定例会で、総合振興計画基本計画審査特別委員会が設置され、議長、副議長を除く全議員により構成されました。今後、改定案の審査などを行います。 ◆X(旧Twitter)のフォローをお願いします さいたま市議会では、Xで会議日程や市議会からのお知らせなどを配信しています。ぜひフォローしてご覧ください。 ■■12ページ------------------------------------------------------------------ ■ロクマルキーワード 6月定例会の中から気になる言葉を取り上げ、解説します。 『ネイチャーポジティブ』 ◆自然再興により持続可能な社会の実現を ネイチャーポジティブとは、日本語で「自然再興」と訳され、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させることを意味します。2023年には、新たな生物多様性国家戦略が閣議決定され、2030年までにネイチャーポジティブを実現することを目指し、生態系の健全性の回復など5つの基本戦略が掲げられました。その実現には、企業や地方公共団体をはじめとした関係団体の協力が重要となります。 ◆大宮南部浄化センターなどが「自然共生サイト」に認定 ネイチャーポジティブの実現に向けた取組の一つとして、環境省では民間の取組などによって生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト」として令和5年度から認定しています。本市では、荒川・元荒川エリアと、見沼田圃(たんぼ)エリアに豊かな自然が広がり、この地域にある桜環境センター、大宮南部浄化センターなどが「自然共生サイト」に認定されました。今後は、民間企業などにおいても自然共生サイト認定に向けた取組が進み、市内全体でネイチャーポジティブの実現に向けた動きが加速することが期待されます。 ■編集後記 今号のトピックスでは「さいたま市議会の1年」に焦点を当て、市議会の活動を紹介しました。市議会の動き、役割をコンパクトにまとめていますので、ぜひご覧ください。 さて、今号から本委員会の委員も新たなメンバーとなりました。市議会をより身近に感じていただけるよう、わかりやすく丁寧に情報をお伝えしていきますので、引き続き「ロクマル」をよろしくお願いします。 ◆議会広報編集委員会 [委員長]議長 伊藤 仕(いとう まなぶ)/[副委員長]副議長 谷中信人(やなか のぶと) [委員]堤 日出喜(つつみ ひでき)/佐々木郷美(ささき さとみ)/秋山朋彦(あきやま ともひこ)/井原 隆(いはら ゆたか)/佐藤真実(さとう まなみ)/照喜納弘志(てるきな ひろし)/金子昭代(かねこ あきよ)/新藤信夫(しんどう のぶお)/萩原章弘(はぎわら あきひろ) (議席順) ■さいたまアルファベット 今号の表紙は[西区] 表紙では、さいたま市10区の様々な魅力を紹介しています。それぞれの名産品や名所などを組み合わせて、各区の名前を表現しています。今号は、あじさい、秋葉ささら獅子舞、お囃子(はやし)などを取り上げました。 ■次の定例会は9月3日(水)~ 会期日程は、ホームページをご覧ください。くわしくは議事課までお問合わせください(Tel.829-1753)。 ■インターネット中継 会議を生中継・録画配信しています。パソコンやスマートフォンなどからご覧ください。 ※現在、区役所ロビーでの放映は行っておりません。 ■本会議・委員会の傍聴 開催日当日、議会棟3階で受付しています。 ※手話通訳・要約筆記をご希望の方は、7日前までに議事課にご連絡ください(Fax.829-1984)。 ■テレビ番組「ようこそさいたま市議会へ」 毎定例会後、テレビ埼玉で放送しています。放送日時は秘書総務課までお問い合わせください(Tel.829-1748)。 市議会ホームページやYouTubeでいつでも視聴できます。 市議会のくわしい情報は、さいたま市議会ホームページをご覧ください。「さいたま市議会」で検索 この議会広報紙は654,600部作成し、1部当たりの作成経費は13円です(企画編集の経費を含みます)。 No.104 2025.8.1 市議会だよりさいたま 編集・発行>>さいたま市議会 〒330-9588 さいたま市浦和区常盤6丁目4番4号 Tel.048-829-1748 Fax.048-829-1984