ページの本文です。
更新日付:2026年8月28日 / ページ番号:C132842
市報さいたま9月号では、有機野菜の生産から流通、消費までの一連の取り組みを、農業者だけでなく事業者や住民も巻き込んで地域ぐるみで進める“オーガニックビレッジ”を紹介しました。市報さいたまプラスでは、市報紙面では紹介しきれなかった内容を担当職員へのインタビューで深堀り!農業政策課の上原さんにお答えいただきました。
―“オーガニックビレッジ”とは、どのような取り組みなのでしょうか?
地球温暖化や気候変動、肥料の輸入依存に対応するため、国は2050年に向けて化学農薬や輸入肥料・化学肥料の使用量削減を掲げ、これらを使わない有機農業を推進していこうと謳っています。有機農業は生産現場だけ頑張っても市民の方への普及は難しいため、生産現場だけでなく消費や流通なども含め、さいたま市として全体の流れを支援する取り組みが“オーガニックビレッジ”です。
―有機農業・有機野菜にはどんなメリットがあるのでしょうか?
有機野菜と一般的な栽培方法で作られた野菜の大きな違いは、化学的に合成された肥料や農薬を使用しない点です。また、化学農薬は生態系への影響が懸念される場合があり、化学肥料は海外からの輸入に依存しているものが多く、その製造過程ではCO2が発生します。有機農業は、こうした資材に頼らず、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減することを目指した農業です。そのため、有機野菜は環境に配慮して生産された農産物であることが大きな特徴です。
―なぜ、さいたま市は積極的に“オーガニックビレッジ”に取り組んでいるのでしょうか?
さいたま市は人口136万人を擁する政令指定都市ですが、近年は、生活拠点を変えずに就農できる利点を生かして、市内に住んでいる人が新規就農するケースが増えています。その中でも有機農業を志す人が多いのが、オーガニックビレッジの取り組みを始めた背景です。また、さいたま市は人口だけでなくスーパーなどの店舗数も多く、農産物の出荷先が豊富で、流通しやすいメリットがあります。特に生産量の少ない有機農産物においてはマルシェなどの直接販売が主流でありますが、市内のスーパーでも地場産品として積極的に取引されているため、有機農業を始めやすく、売り上げも確保しやすい環境が整っていたんです。
―“オーガニックビレッジ”の取り組みの先に、さいたま市として目指す姿などがあれば教えてください。
市民の皆さんって、さいたま市は農業が盛んというイメージを持たれていないと思うんです。そういった状況の中で、有機農業を通して少しでもさいたま市の農業を身近に感じてもらって、地域内で消費が進んでいくことが目指すべき姿かなと考えています。市内の保育園では有機野菜の消費促進に向け、園児たちと一緒に園内菜園での収穫や堆肥づくりなどの取り組みも少しずつですが、 実施しています。このような体験を通じて有機野菜に関心を持ってもらうのはもちろん、農家さんと一緒に活動することで実際に作っている人を身近に感じてもらえればなと思っています。
―“オーガニックビレッジ”を根付かせるため、ほかにはどのような取り組みを行っていますか?
有機農業の推進には農業者の育成がもっとも重要なため、さいたま市では新規就農者の育成に向け、”明日の農業担い手育成塾”という研修を行っています。栽培技術の基本的な知識はもちろんですが、就農後の経営発展のための講習、農業簿記に関する勉強会など、幅広く実施していますね。ほかにも都市農業特有の機械置き場の確保の問題などを解決するため、農機具メーカーのクボタさんと連携協定を結んで農業機械のシェアリングサービス事業も展開しています。もちろん、新規就農者だけでなく、経営継承など各フェーズでケアしていくことも必要です。有機農業だけでなく、市内の農業全体が盛り上げられるように、市としてトータルサポートしています。
―“オーガニックビレッジ” の推進に向けて、私たち市民にできることはありますか?
少しでも農業に関心を持ってもらいたいですね。さいたま市が身近にこんなにも農業者がいるという地域なんだと。そして農産物を買うときは地元の野菜を選んでいただきたいし、環境に優しい農産物を積極的に買ってほしいです。また、市としても無料の有機野菜に関する出前講座も始めましたので、ぜひご活用していただければと思いますね。有機農産物って少し形がいびつだったり、食べられる部分が少なかったりする場合もあるので、通常の野菜と比較しても調理に手間のかかるケースがあるんです。紙面でも取り上げた片柳保育園での有機野菜を使った給食活動でも、同園の専門調理師の松下さんが、その点を理解して取り組んでくださっているからこそ成り立っています。行政だけでなく、こういった周囲の理解があってこそ、今回の取り組みが成立するんです。ぜひ、市民の皆さんと一緒に、“オーガニックビレッジ” を進めていければなと思います!


市報さいたま9月号について、詳しくは、こちらのページ(新しいウィンドウで開きます)をご覧ください。
市長公室/秘書広報部/広報課 広報係
電話番号:048-829-1039 ファックス:048-829-1018