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更新日付:2026年8月13日 / ページ番号:C133065

皆さん、こんにちは。さいたま市CIOの鈴木です。
最近、自治体でもノーコードツールやローコードツール、RPAなどを活用した業務改善が広がっています。これらは専門的なプログラミング知識がなくても業務を自動化できるため、現場の職員自らがデジタル化に取り組める手段として注目されています。
しかし、実際に活用するには、「業務フローを整理する」「処理の条件を考える」「エラー発生時の対応を検討する」といった一定の知識や論理的な思考が求められます。そのため、便利なツールではあるものの、誰でもすぐに使いこなせるわけではありませんでした。
ところが、近年は生成AIが急速に普及し始めています。
AIに「このような業務を自動化したい」と伝えることで、処理の流れやプログラムの作成を支援してくれるようになりました。これまで専門知識の壁となっていた部分も、AIの力によって少しずつ解消されつつあります。

実は、この流れを見ていると、私が旧大宮市に入庁した頃のある制度を思い出します。
当時の旧大宮市には「オープンプログラマー制度」という仕組みがありました。システムを最も理解しているのは情報部門ではなく、実際に業務を行っている職員であるという考えのもとから、業務担当の職員自身がプログラムを作成する制度で、私自身もその一人でした。
当時はCOBOLというプログラミング言語を利用していました。コンピュータは人間の意図を推測してくれません。
まさに「無知なコンピュータ」に対し、どのような順番で処理するのか、どの条件で判断するのか、一つひとつ丁寧に指示を与える必要がありました。

この経験には大きなメリットがありました。
第一に、業務そのものを深く理解できることです。「どういう場合は処理してはいけないのか」、「どこを確認すべきなのか」、「法改正があった場合にはどの部分を変更する必要があるのか」などを論理的に考える習慣が身に付きます。

次に、システム事業者とのコミュニケーションが円滑になります。システム開発の用語や考え方を理解しているため、仕様の検討やテストの場面で適切な議論ができ、結果として品質の高いシステムにつながります。無駄な機能や手戻りも減るため、開発費用の削減にも効果がありました。
一方で、課題もありました。
オープンプログラマーは本来業務との兼務です。そのため、大きな法改正への対応など、システム改修に多くの時間を要する場合は、どうしても所属部署の他の職員に負担をかけることになります。制度として継続するには、そのバランスを取ることが難しい面もありました。
しかし、私はこの制度の考え方そのものは、現在でも非常に重要だと思っています。
DXの本質は、システムを導入することではありません。業務を最も理解している現場の職員が、自ら業務を見直し、改善していくことにあります。さいたま市では、そのための人材育成にも力を入れています。各課にはDX推進員を配置するとともに、さらにDXに関する知識や経験を持つDXサポーターを身近な相談相手として配置しています。業務改善やデジタル活用について、「まず相談できる人が近くにいる」環境づくりを進めています。
これは、かつてのオープンプログラマー制度の考え方にも通じるものです。業務を理解している現場の職員が主体となり、必要な知識や支援を受けながら業務改善を進める。その担い手を育てていくことが、デジタル時代の自治体にとって重要だと考えています。
生成AIやノーコードツールは、その実現を支援するための新しい道具です。かつてCOBOLでプログラムを書いていた時代と違い、今は専門的な知識がなくてもチャレンジしやすい環境になってきました。
AIの進化により、専門知識の不足が業務改善の大きな障壁ではなくなりつつあります。現場の職員が自ら改善に取り組みやすい環境が整ってきました。
だからこそ大切なのは、「AIに任せること」ではなく、「業務を理解している職員がAIを使いこなすこと」です。
AIを「答えを出してくれる魔法の箱」として使うのではなく、「業務を理解し、改善するためのパートナー」として活用すること。それは、かつてのオープンプログラマー制度の精神を、現代の技術でよみがえらせることなのかもしれません。
AI時代だからこそ、業務を理解している職員の価値は、むしろ高まっています。さいたま市は、これからもDX推進員やDXサポーターとともに、現場発のデジタル改革を進めていきたいと考えています。
次回もお楽しみに。

都市戦略本部/デジタル改革推進部
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