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更新日付:2026年3月19日 / ページ番号:C125543
本ページでは、さいたま市見沼グリーンセンターで実施している実証試験及び取組み結果・進捗を随時更新しています。
概要
近年の夏季の高温、乾燥等により、キャベツ・ブロッコリーにおいて生育不良が起こり、生産性、収益性が低下しています。
本試験では、1.耐暑性を有する品種の特性評価 2.バイオスティミラント資材(以下、BS資材)による高温ストレス軽減効果の検証を行い、市内農家への実用的な情報提供を目指します。
主な結果
【品種】 キャベツ: 彩峰、味珠、恋風、YR愛藍、新藍 計5品種
ブロッコリー: 翠麟、サマードーム、夢あたる、おはよう 計4品種
【BS資材】 ヒートインパクト、ノビテク、東京8 計3種
上記を選定し、各種品種・BS資材ごとに、育苗期~収穫期における調査を行いました。
○苗調査(セルトレイ苗)
・背丈、葉数、茎の太さにおける一貫した生育傾向は確認されず、大きなバラツキがありました。
・根系観察では、「ヒートインパクト」処理区で根密度の増加、ノビテク処理区で根の伸長傾向が観察できました。
他方で、根系の乾燥重量は無処理区と同等または劣る結果となりました。
○活着調査(定植時)
・キャベツ品種の「新藍」およびBS資材の「東京8」処理区が、枯死率が最も低い傾向を示しましたが、統計的有意差は確認できませんでした。
○耐暑性および乾燥耐性調査
・顕著な差は認められませんでした。
※ 発芽勢の不良につき定植が遅れ、露地での検証ができなかったため、人工環境下で耐暑性・乾燥耐性調査を行いました。
○収量(可販重量)調査
・キャベツ品種の「YR愛藍」、ブロッコリー品種の「おはよう」が、収量が高い傾向を示しました。
・BS資材については、キャベツでは「ヒートインパクト」処理区、ブロッコリーでは「東京8」処理区が、収量が高い傾向を示しました。
・「品種×BS資材」処理区の結果を統計解析したところ
キャベツでは「新藍×ヒートインパクト」「味珠×ヒートインパクト」、「味珠×東京8」
ブロッコリーでは「翠麟×東京8」
において、無処理区比較で有意な可販重量増が確認できました。
総括と今後の課題
BS資材の効果は作物単位よりも品種×資材の組み合わせに依存する可能性が示唆されました。当初「品種×BS資材」単位での検証を想定していなかったため、各調査区のサンプル数が十分に確保できませんでした。一方で再現性がとれれば有用に成り得る、以下の結果も確認できました。
○東京8を処理したことで活着率が上昇しました。
○キャベツの品種「新藍」にヒートインパクトを処理すると収量が有意に上昇しました。
※ キャベツの新藍は、市内農家も幅広く栽培している品種
これらの結果については、次年度、夏季の露地環境下で再検証を行います。
担当者コメント
今回の試験では、BS資材の効果は限定的であると感じ、導入する際は、処理時の手間や導入時のコストを吟味する必要があると考えます。
一方、今回検証できなかった夏季の露地環境下で、どの程度のストレス低減効果を発揮するか期待が残る結果となりました。
この試験の詳細版は ↓ こちら ↓
【報告】キャベツ、ブロッコリー栽培における耐暑性を有する品種及びバイオスティミラント資材の比較試験(PDF形式 1,793キロバイト)
概要
市内の果樹生産者は、発生した果樹剪定枝を敷地内残置または有料処分などしており、剪定枝の処理方法に苦慮しています。そこで、当所で出た果樹剪定枝を使用し、無煙炭化器(株式会社モキ製作所)でのバイオ炭の製造について実証試験するとともに、地域の未利用資源を活用した環境保全型農業の可能性を模索します。
主な結果
当所敷地内で約1年放置していた梨剪定枝(平均水分率27.57%)を無煙炭化器により炭化しました。炭化中の平均燃焼温度は680.57度、リアカー1台分(約0.33立方メートル)の剪定枝から、約6kgのバイオ炭が製造できました。バイオ炭製造にあたり、剪定枝投入から消火までにかかる時間は平均19分でした。
◎バイオ炭とは…燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350度超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物。農地へ施用することで、難分解性の炭素を土壌に貯留し、大気中のCO2削減に貢献するとともに、バイオ炭の多孔質構造により土壌改良効果も期待できる。
今後の課題
・バイオ炭を農地施用した際の作物への効果を検証します。
・剪定枝量に対するバイオ炭の製造量が少ないため、バイオ炭を農地に施用したい生産者に十分な量を供給できない可能性があります。
無煙炭化器にて燃焼中の剪定枝 リアカー1台分のバイオ炭

概要
マルチの種類(紙、白黒、黒、なし)が表面温度および地温(5cm深、10cm深)に及ぼす影響を定量的に把握し、夏季の高温下における地温低下効果の有効性を検証しました。
主な結果
〇測定条件:10月8日 14~15時 ・晴れ・気温28度
〇温度測定(3~6箇所の測定平均) 【下図参照】
・表面温度 黒 42.8 > 白黒 31.0 > なし 30.1 > 紙 25.9
・地温(5cm深) 黒 36.8 > なし 33.7 > 白黒 31.0 > 紙 27.7
・地温(10cm深) 黒 33.2 > なし 30.7 > 白黒 28.7 > 紙 26.0
〇評価
・紙マルチ:表面・地中温度が最も低く、夏季の地温低下に有効
・白黒マルチ:紙マルチほどではないが、黒マルチと比べ、地温低下に有効
・黒マルチ:表面・地中とも最も高温
・マルチなし:白黒マルチと比較し、表面温度は低いが地温は高い

図.マルチの種類による温度比較グラフ
今後の課題
・猛暑環境下での比較
・作物の活着、収量などの検証
・費用対効果の比較
概要
見沼グリーンセンター内で発生する落ち葉を地域未利用資源として有効活用し、農家の堆肥づくりに役立てるとともに、地域農業と公共施設との連携強化、循環型農業の推進を図りました。
主な結果
〇当センターが配布する許可証を着用した上で自主採取する方式とし、双方の事務手続の簡素化を図りました。
〇4名の市内農家が落ち葉を採取しました。
〇地域未利用資材である落ち葉が堆肥作りに活用され、資源循環の促進に資する結果となりました。
〇豊富な落ち葉の採取場を提供することで、農家の採取負担軽減となりました。
〇手続を簡素化することにより、次年度以降も負担なく継続できる仕組みを作ることができました。
今後の課題
〇落ち葉採取者へのヒアリング(量や質、仕組み等)
〇市内農家へSNSやメール等で幅広く周知
落ち葉採取の様子

概要
BLOF(Bio Logical Farming)理論に基づく有機農業技術の理解を深め、市内農家への技術普及および環境に配慮した農業の推進に資することを目的とし、講師に丸山訓氏(BLOFインストラクター)を招き、講習会「BLOF理論を学ぶ - 土壌分析と施肥設計の実例解説 - 」を開催しました。講習会では、BLOF理論の基礎であるアミノ酸供給、ミネラル施肥設計及び太陽熱養生処理について解説が行われました。また、市内農家3名および見沼グリーンセンターの圃場について、事前に、BLOF理論に基づいた土壌分析を実施し、その結果を踏まえた解説および施肥設計が行われました。
主な結果
〇市内の有機農家を中心に30名が参加しました。
〇科学的・論理的な有機農業技術を学ぶ機会を提供できました。
〇市内農家の土壌分析をもとに、講師に解説いただくことで、市内の農地(主に見沼田圃)の特性を共有することができました。
今後の課題
〇土壌分析を行った農家及び見沼グリーンセンターの圃場において、BLOF理論に基づく栽培の実証試験を行います。
診断結果と施肥設計は ↓こちら!↓ (他資料は参加者限り)
【施肥設計】見沼GC露地4(PDF形式 313キロバイト)
本格的な試験ではありませんが、日々の作業の中で担当者が「やったらどうなる?」と思ったことを実際に検証しました。
1.バイオ炭の施用によるニンジンの発芽への影響調査
⇒未実施ですので次年度以降へ
2.夏季における葉物野菜の無肥料・無農薬栽培の検証
⇒黒マルチによる熱処理及び防虫ネットによる物理的障壁を試みるも虫(ヨトウムシ)が発生し失敗...
熱処理期間の不足及び防虫ネットの目合いの設定が不適切だった可能性があります。(無農薬栽培の難しさを痛感...)
経済局/農業政策部/見沼グリーンセンター
電話番号:048-664-5915 ファックス:048-651-0962